25年1〜9月の生乳生産量は前年同期比10.5%増
アルゼンチン経済省によると、2025年1〜9月の生乳生産量は830万8000キロリットル(855万7240トン相当、前年同期比10.5%増)と干ばつの影響下にあった前年同期をかなりの程度上回った(図1)。
1〜2月(夏季)は猛暑や干ばつの影響を受けたものの、3月(秋季)以降は、洪水が発生したブエノスアイレス州の一部地域を除き、おおむね天候に恵まれ、飼料穀物や牧草の生育が順調であった。これに加え、家畜にとっても快適な気候が続いたことから、生乳生産量は堅調に推移し、同時期としては23年並みの水準となっている。
25年1〜9月の全粉乳輸出量は前年同期比7.1%増
2025年1〜9月の主な乳製品輸出量は、全粉乳(前年同期比7.1%増)およびホエイ(同10.7%増)が前年同期をかなりの程度上回った一方、チーズ(同5.1%減)およびバター(同6.7%減)は前年同期を下回った(表1)。
最大の輸出品目である全粉乳は、輸出先第1位のブラジル向けが4万6444トン(同3.4%減)、これに続くアルジェリア向けが3万4292トン(同40.0%増)と、この2カ国で全体の98.2%を占めた(表2)。また、チーズは、輸出先第1位のブラジル向けが3万3277トン(同12.7%減)、これに続くチリ向けが1万3903トン(同15.5%増)と、この2カ国で全体の88.7%を占めた。両輸出品目で輸出先第1位となっているブラジル国内では、生乳生産量が前年同期比で増加しており、乳製品の輸入量が減少している。
生産者乳価は急上昇から落ち着き、緩やかな上昇傾向
アルゼンチン経済省によると、2025年9月の生産者乳価は、1リットル当たり474.60ペソ(52円:1ペソ=0.11円(注)、前年同月比11.4%高)と前年度月をかなり大きく上回った(図2)。アルゼンチンの生産者乳価は、同国の高水準となるインフレ率を背景に上昇傾向にあった。24年4月に292.2%を記録したインフレ率は、その後低下傾向となり、25年9月に31.8%となった。これに連動する形で、生産者乳価の急激な上昇は落ち着いたものの、依然として緩やかな上昇傾向で推移している。
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年10月末TTS相場および現地参考為替相場(Selling)。
(調査情報部 原田 祥太)