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海外需給【飼料 中国】畜産の情報 2026年1月号

トウモロコシおよび大豆の価格動向

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25年10月の国産トウモロコシ価格、供給増からやや下落
 中国農業農村部は2025年11月26日、「農産物需給動向分析月報(2025年10月)」を公表した。この中で、25年10月の国産トウモロコシ価格は、前月からやや下落した(図1)。同月のトウモロコシ需給を見ると、供給面では新穀が大量に出回り、十分な状況とされている。また、需要面ではコーンスターチ製造企業などの調達が必要量に限られたことで、価格の下支えが不十分となったとされている。一方、中国最大の穀物・食品企業である中糧集団有限公司(COFCO)による備蓄買い付けが順調に進むとともに、コーンスターチ製造企業の稼働率改善から、当企業の在庫は増加傾向にある。さらに気温低下に伴い産地保管も容易となるため、今後の価格は底を打ち、安定した推移が見込まれている。
 輸入トウモロコシ価格を見ると、養豚主産地の中国南部向け飼料原料集積地となる広東かんとん黄埔こうほ港到着価格は、25年10月が1キログラム当たり2.10元(47円:1元=22. 43円(注)、前月比0.9%安)とわずかに下落した。また、同月の国産トウモロコシ価格(東北部産の同港到着価格)が2.28元(51円、同3.4%安)とやや下落したことで、輸入と国産の価格差は縮小した。
 



 
25年10月の国産大豆価格、供給増からかなりの程度下落
 2025年10月の国産大豆価格は、前月からかなりの程度下落した(図2)。同月の大豆需給を見ると、供給面では南方地域の収穫が進むにつれ、段階的な供給増加が見込まれている。需要面では、新穀の大豆価格が安定傾向ながらやや軟調となる一方で、水分が少なくたんぱく質含有量が多い高品質な大豆は供給がひっ迫しており、価格は堅調に推移すると予想されている。このため、国産大豆価格全体で見れば、短期的には安定した推移が見込まれている。
 各地の価格動向を見ると、主産地である黒竜江こくりゅうこう省の食用向け国産大豆平均取引価格は、25年10月が1キログラム当たり3.86元(87円、前年同月比0.2%安)と前年同月並みであるが、前月からはやや下落した。また、大豆の国内指標価格の一つとなる山東さんとう省の国産大豆価格は、同4.38元(98円、前年同月比同)と前年同月並みであるが、前月からはかなりの程度下落した。同月の輸入大豆価格は同3.94元(88円、前月比1.0%安)となったが、国産価格の下落幅が輸入価格の下落幅を上回ったことで、輸入と国産の価格差は縮小した。
 国際相場に影響する大豆輸入量は、前年水準を上回っている。25年(1〜9月)の輸入量は8168万トン(前年同期比5.3%増)とやや増加した。また、輸入額は同8.0%減の383億4700万米ドル(6兆446億円:1米ドル=157.63円(注))と報告されている。主な輸入先はブラジル(総輸入量の73.9%)、米国(同19.5%)、アルゼンチン(同3.4%)であり、ブラジルからの輸入が増加している。
 
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年11月末TTS相場。
 



 
(調査情報部 今野 恵太)