25年の牛肉生産量は前年比1.1%減
アルゼンチン経済省によると、2025年の牛と畜頭数は1358万8000頭(前年比2.5%減)、牛肉生産量は314万4000トン(同1.1%減)と、いずれも前年をわずかに下回った(図1)。
米国農務省(USDA)は、26年の牛肉生産量はほぼ横ばいで推移すると見通す一方で、平均枝肉重量はやや増加すると見込んでいる。USDAなどの資料によると、1)20〜30年前のアルゼンチンでは、牧草肥育された高齢の牛肉の品質が不安定であったため、消費者はより若く柔らかい牛肉を好むようになったこと、2)不安定な国内経済情勢から生産者が早期の資金回収を好んだこと―が、と畜の早期化の要因としている。そのため、現地の食肉加工業界の生産体制も、若齢の枝肉処理に対応できるよう整備されてきた。なお、24年時点での平均枝肉重量は228キログラムと、米国の382キログラムを大幅に下回っている。しかしながら、近年は輸出向けの牛肉価格が上昇していることを受け、食肉加工業者は輸出市場が求めるような枝肉重量が重い牛にプレミアム価格を設定していることから、生産者の肥育傾向にも影響が表れると見込んでいる。
25年の牛肉輸出量は前年比8.4%減
2025年の牛肉輸出量は69万7264トン(前年比8.4%減)と、前年をかなりの程度下回った(表)。
輸出先別に見ると、最大の輸出先である中国向けは49万7717トン(同13.0%減)と前年をかなり大きく下回った。USDAによると、中国向けの多くは、高齢経産牛の加工用冷凍ブロック肉およびすね肉であり、ロースなどの比較的高価な部位はほとんど輸出されていない。また、25年の中国向けが減少した一因として、中国向けと同様の部位がイスラエルや米国へ大量に輸出されたことを挙げている。なお、19年以降、輸出量全体に占める中国向けの割合は7割台半ば〜8割で推移しているが、直近は2年連続で減少しており、25年は71.4%となった。
26年1月の肥育牛(去勢)出荷価格は前年同月比83.1%高
アルゼンチンの肉用牛相対取引の指標となるアグロガナデロ家畜市場の2026年1月の肥育牛(去勢)出荷価格は、1キログラム当たり4117.70ペソ(453円:1ペソ=0.11円(注)、前年同月比83.1%高)となり、前年同月と比較して約2倍の価格で推移している(図2)。現地のコンサルタントによると、近年続いていた干ばつの影響が緩和したことで肉用牛生産者による牛の保留傾向が強まっていることに加え、堅調な外需が牛肉価格を押し上げているという。また、USDAは、肥育牛の出荷価格の上昇を受け、以前作物栽培に転向した生産者の一部が肉用牛生産者として復帰しているとしている。
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2026年2月末のTTS相場および現地参考為替相場(Selling)。
(調査情報部)