26年3月の牛肉生産量は前年同月比2.7%減
米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)によると、2026年3月の牛と畜頭数は234万頭(前年同月比5.9%減)とやや減少した。一方、同月の1頭当たり枝肉重量は409.1キログラム(同3.4%増)とやや増加した。この結果、同月の牛肉生産量は95万7000トン(同2.7%減)とわずかに減少した(図1)。と畜頭数の減少についてUSDAは、食肉業界大手のJBSが運営するコロラド州グリーリーの食肉処理施設において3月16日から4月7日にかけて大規模なストライキが発生し、肉用牛の出荷頭数に一部影響が見られたためとしている。
26年の牛肉生産量についてUSDAは、前月予測から9万トン引き下げて1169万8000トン(前年比0.8%減)と見込んでいる。
26年3月の牛肉卸売価格は前年を大幅に上回って推移
米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2026年3月の肥育牛(ネブラスカの相対取引価格、チョイス級、去勢)の価格は、100ポンド当たり238.3米ドル(1キログラム当たり848円:1米ドル=161.39円
(注1)、前年同月比13.5%高)と前年同月をかなり大きく上回った。また、同月の牛肉卸売価格(カットアウトバリュー
(注2))は、同394.6米ドル(同1404円、同22.1%高)と前年同月を大幅に上回った(図2)。牛肉生産量が減少する中、国内の底堅い牛肉需要に支えられ、卸売価格は堅調に推移している。今後、バーベキューシーズンを迎える中で、卸売価格は引き続き高水準で推移するとみられている。
(注1)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2026年4月末TTS相場。
(注2)各部分肉の卸売価格を1頭分の枝肉に再構築した卸売指標価格。
26年2月の牛肉輸出量が大幅減の一方、輸入量は大幅増
USDA/ERSによると、2026年2月の牛肉輸出量は8万3288トン(前年同月比19.2%減)と大幅に減少した(表)。中国向けについては、米国内の牛肉輸出施設の大部分で中国海関総署(GACC)による中国向け輸出に係る認可登録の更新手続がいまだに行われていないことを受け
(注3)、807トン(同94.8%減)と同国への牛肉輸出の大部分が停止している状況にあり、これが米国牛肉輸出の大幅減に少なからず影響を与えている。なお、26年の牛肉輸出量についてUSDAは、前月予測からさらに下方修正し、107万3000トン(前年比8.2%減)とかなりの程度減少すると予測している。
26年2月の牛肉輸入量は20万6688トン(同22.5%増)と大幅に増加した。特に赤身率の高い牛肉の需要を満たすため、主要輸入相手国ではブラジル(4万1880トン、同50.6%増)、豪州(3万8168トン、同19.3%増)、メキシコ(2万6693トン、同15.9%増)、ニュージーランド(2万3416トン、同11.0%増)が増加した他、アルゼンチン(9466トン、同97.6%増)、ニカラグア(9325トン、同2.1倍)およびパラグアイ(6257トン、同83.8%増)といった中南米地域からの輸入が大幅に増加した。
(注3)5年ごとの認可登録の更新時期を迎えていた2025年3月、GACCにより豚肉・鶏肉の輸出施設の認可登録が更新された一方で、牛肉の輸出施設の一部については未更新の状況が続いている。
(調査情報部)