25年の牛肉生産量は、前年に続き過去最大
ブラジル地理統計院(IBGE)によると、2025年の牛と畜頭数は4293万5000頭(前年比8.2%増)、牛肉生産量は1110万トン(同7.2%増)といずれも前年をかなりの程度上回り、過去最大となった前年の記録を再び更新した(図1)。
25年の牛肉生産量について米国農務省(USDA)は、同年がブラジルのキャトルサイクルの減少期に当たることから前年並みにとどまると見込んでいたが、旺盛な国内外の需要があったこと、また、干ばつの影響で不受胎となった雌牛がと畜されたことから、当初の見込みを上回る結果となった。
26年については、USDAがキャトルサイクルによると畜頭数の減少を見込む中、サンパウロ大学農学部応用経済研究所(CEPEA)は、ブラジル大統領選挙、米国・カナダ・メキシコ共催FIFAワールドカップに関連する国内外の市場での特需を見込んでおり、今後の動向が注目される。
25年の牛肉輸出量は300万トン超と過去最大
ブラジル開発商工サービス省貿易局(SECEX)によると、2025年の牛肉輸出量は309万294トン(前年比21.4%増)と前年を大幅に上回り、SECEXが統計を取り始めて以来初めて300万トンを超え、過去最大を記録した(表、図2)。この要因についてCEPEAは、1)世界的な牛肉供給の減少、2)同国の競争力のある安価なコスト、3)米ドルに対するレアル安―が後押ししたためとしている。
輸出先別に見ると、輸出量全体の半分以上を占める中国向けは164万8327トン(同24.6%増)となったほか、米国、チリ、メキシコおよびロシアを含めた上位5カ国向けが、いずれも前年を大幅に上回る輸出量を記録した。特に、メキシコ向けは約2.6倍となった。USDAによると、メキシコが牛肉の供給がひっ迫する米国への輸出を継続する一方で、国内消費向けに安価なブラジル産の輸入を増やしたためとしている。
26年の肥育牛価格は上昇傾向で推移
CEPEAによると、2026年4月15日時点の肥育牛指標価格は1キログラム当たり24.49レアル(792円:1レアル=32.35円
(注)、前年同日比12.3%高)となった(図3)。
26年は、年初以降上昇傾向で推移しており、この要因としてCEPEAは、肥育牛の供給減と海外の旺盛な需要を挙げている。肥育牛の供給減については、降雨に恵まれ牧草地の状態が良好に保たれたことで、生産者が牛を牧草地で長く放牧し、と畜場への供給量が低水準にとどまっているとしている。
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2026年4月末のTTS相場および現地参考為替相場(Selling)。
(調査情報部)