26年上半期の生乳出荷量は前年同期比3.6%増
欧州委員会によると、2026年6月の生乳出荷量(EU27カ国)は1297万トン(前年同月比2.4%増)となった(表1)。主要生産国の多くで前年同月を上回った一方、フランスでは熱波や干ばつなどの影響により減少した。
同年上半期(1〜6月)の生乳出荷量(EU27カ国)は、1)比較的安価な飼料価格と良好な牧草環境、2)25年を通じて高水準で推移した乳価を受けたより生産性の高い経産牛への更新、3)乳用牛と畜頭数の減少−などを背景に、前年同期比3.6%増となった(図1)。なお、第1四半期(1〜3月)は同5.0%増であったが、第2四半期(4〜6月)は同2.4%増と、増加率が鈍化した。特にアイルランドでは、第2四半期の各月で前年同月を下回っており、現地報道は、同国の天候条件により牧草の生育が順調でなかったことが要因としている。
26年7月の生乳取引価格、直近4カ月は横ばいで推移
欧州委員会によると、2026年7月の生乳取引価格(EU27カ国平均)は100キログラム当たり41.84ユーロ(1キログラム当たり78円:1ユーロ=187.00円
(注)、前年同月比20.8%安)と、前年同月を大幅に下回った(図2)。主要乳製品の価格が下落基調から一服し、上昇基調で推移したことなどから、4月以降は緩やかな下落傾向で推移している。
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2026年8月末TTS相場。
26年7月の主要乳製品価格、上昇に転じる
欧州委員会によると、2026年7月26日の週の乳製品価格(EU27カ国平均)は、脱脂粉乳は100キログラム当たり278ユーロ(1キログラム当たり520円、前年同期比15.7%高)と前年同期を上回った。一方、バターは同400ユーロ(同748円、同45.0%安)、全粉乳は同335ユーロ(同626円、同22.6%安)、チーズは同331ユーロ(同619円、同28.1%安)といずれも前年同期を大幅に下回ったものの、前月末以降は上昇傾向で推移している(図3)。
現地報道によると、バター価格は生乳出荷量の増加ペースの鈍化傾向に下支えされており、今後についても、価格の下落は一定程度抑制されるとみられている。
26年上半期の主要な乳製品輸出量は前年より増加
欧州委員会によると、2026年上半期(1〜6月)のEU域外向け乳製品輸出量は、バターは前年同期比38.2%増、脱脂粉乳は同16.3%増、チーズは同5.8%増、全粉乳は同6.9%増といずれも前年同期を上回った(表2)。この背景には、生乳出荷量の増加に伴う乳製品の供給増に加え、世界的な乳製品需要の高まりがあるとみられる。
品目別に見ると、バターは、アイルランド産グラスフェッドバターの輸出が拡大する米国向け、高級ベーカリー製品や洋食レストラン向け需要が伸びる中国向けが下支えしているとされる。
また、脱脂粉乳については、イエメン向けの輸出が大幅に増加した。現地報道によると、主要食料の多くを輸入に依存する同国では、脱脂粉乳を含む乳製品も需要の大部分が輸入によって賄われているとされている。
(調査情報部)