26年8月の生乳生産量は前年同月比2.3%増
ニュージーランド乳業協会(DCANZ)によると、2026年8月の生乳生産量は147万8000トン(前年同月比2.3%増)と、8月としては過去最高を記録し、16カ月連続で前年同月を上回った(図1)。また、26/27年度(6月〜翌5月)の8月までの生乳生産量も、208万7000トン(前年同期比3.3%増)と前年同期を上回って推移している。
この要因についてニュージーランド証券取引所(NZX)は、1)高水準の生産者支払乳価が酪農家の生産意欲の向上につながったこと、2)良好な牧草生育環境を背景に飼養頭数が増加したこと−などから、生乳生産が増加したものと分析している。
今後の生乳生産についてNZXは、温暖な天候により当面は安定的に推移すると見込む一方、エルニーニョ現象に伴う牧草生育環境の変化が生産動向に及ぼす影響を懸念している。
26年8月の乳製品輸出量、バターおよびバターオイルを除く主要3品目で増加
ニュージーランド統計局(Stats NZ)によると、2026年8月の乳製品輸出量は、バターおよびバターオイルを除く主要3品目が前年同月を上回った(表、図2)。品目別に見ると、バターおよびバターオイルはメキシコ、米国向けが大幅に減少した。一方で、脱脂粉乳はインドネシア向け、全粉乳は中国、スリランカ向け、チーズは中国、インドネシア向けがいずれも大幅に増加した。また、26/27年度の8月までの乳製品輸出量は、主要4品目とも前年同期を上回って推移している。
26年9月15日のGDT平均取引価格は主要3品目が前回を上回る
2026年9月15日開催のGDT(注1)平均取引価格は、主要4品目のうちバターを除く3品目が前回開催時(26年9月1日)を上回った(図3)。取引全体では、全乳製品の平均取引価格は1トン当たり3868米ドル(61万2498円、1米ドル=158.35円(注2)、前回比1.1%減)とわずかに下落した。
NZXによると、脱脂粉乳は底堅く推移した一方、バターは供給量の増加や需要の弱含みを背景に価格が下落したことで、相場全体を押し下げたとしている。
このような中、NZ乳業最大手のフォンテラ社は26年9月21日、26/27年度の生産者支払乳価について、生乳の固形分(注3)1キログラム当たり平均0.25NZドル(23円:1NZドル=90.71円(注2))引き上げ、同9.50NZドル(862円)に修正すると発表した。また、同乳価の予測範囲を同8.00〜10.50NZドル(726〜952円)から8.50〜10.50NZドル(771〜952円)に上方修正すると発表した。この理由について同社のアレン最高経営責任者は、7月以降、全粉乳および脱脂粉乳のGDT平均価格が上向いたことに加え、主要乳製品に対する世界的な需要の高まりを踏まえたものと説明している。
(注1)グローバルデイリートレード。月2回開催される電子オークションで、当該価格は乳製品の国際価格の指標とされている。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2026年9月末TTS相場。
(注3)乳脂肪分および乳たんぱく質。
(調査情報部)