中国農業農村部は2026年9月20日、「農産物需給動向分析月報(2026年8月)」を公表した。この中で、同年8月の国産トウモロコシ価格はわずかに下落した(図1)。同月のトウモロコシ需給について、輸入トウモロコシの在庫が高水準にあることや、新穀の出荷が始まっていることから市場への供給が潤沢である中、1)こうりゃんや大麦などの代替飼料が十分に供給されていること、2)コーンスターチ製造企業など工業用の消費が低調であること−により需給が一時的に緩和し、価格が下落したと報告されている。今後の見通しについては、新穀の出荷が本格化する一方で、飼料用や工業用の需要が引き続き限定的であるため、短期的な国産トウモロコシ価格は、横ばいからやや弱含みで推移すると見込まれている。
同月の輸入トウモロコシ価格を見ると、養豚主産地の中国南部向け飼料原料集積地となる
広東省
黄埔港到着価格は、1キログラム当たり2.42元(57円:1元=23.75円
(注)、前月比5.2%高)とやや上昇した。一方で、国産トウモロコシ価格(東北部産の同港到着価格)は同2.40元(57円、前月比1.6%安)とわずかに下落したことから、25年2月以来18カ月ぶりに輸入価格が国産価格を上回った。
26年8月の国産大豆価格はわずかに上昇
2026年8月の国産大豆価格は、わずかに上昇した(図2)。同月の大豆需給について、1)東北部産新穀の生育がおおむね良好であったこと、2)競売された国家備蓄大豆の市場供給が継続されたこと−から市場への供給は十分であった一方、学校給食の開始に向けた需要が増加したことにより、価格が上昇したと報告されている。今後、短期的な国産大豆価格は、備蓄大豆の競売により市場供給が引き続き確保される一方、中秋節や国慶節に向けた大豆製品の需要が増加すると見込まれることから、新穀出荷が始まるまでは安定基調で推移すると見込まれている。
同月の各地の価格動向を見ると、主産地である黒竜江省の食用向け国産大豆平均取引価格は、1キログラム当たり4.62元(110円、前年同月比13.4%高)と前年同月比でかなり大きく上昇し、前月比でもわずかに上昇した。また、大豆の国内指標価格の一つとなる山東省の国産大豆価格は、同4.94元(117円、同5.4%高)と前年同月比ではやや上昇したものの、前月比では前月並みとなった。一方で、輸入大豆価格は同4.22元(100円、前月比3.4%高)とやや上昇したが、輸入価格の上昇幅が国産価格の上昇幅を上回ったことで、輸入と国産の価格差は縮小した。
国際相場に影響する中国の大豆輸入量は、前年をわずかに上回る水準となっている。26年(1〜7月)の輸入量は、6226万100トン(前年同期比2.0%増)とわずかに増加した。また、輸入額も、同8.9%増の295億5000万米ドル(4兆6792億円:1米ドル=158.35円)とかなりの程度増加したと報告されている。主な輸入先は、ブラジル(総輸入量の71.5%)、米国(同17.2%)アルゼンチン(同6.7%)である。
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2026年9月末TTS相場。
(調査情報部)