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海外のでん粉需給動向

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最終更新日:2011年2月2日

海外のでん粉需給動向

2011年2月

調査情報部

絵で見る世界のでん粉製品需給

 
 

海外のでん粉需給動向

タイ

◆タピオカでん粉価格(バンコクにおけるFOB価格)◆
 
 
・1月25日の価格は、前年比36.6%高のトン当たり560米ドル
 9月以降、上昇傾向で推移していたが、1月18日、買い手が高値に嫌気したことにより、4ヶ月ぶりに値を下げた。翌週25日は横ばいで推移した。
 12月下期の東北部におけるキャッサバ価格は、キログラム当たり2.6〜3.15バーツ(でん粉含有率25〜27%程度)と依然高水準で推移している。
 
 なお、年始にかけての中国のアルコール需要増からキャッサバチップへの引き合いが強まったが、原料不足からチップ輸出も限定的になっている状況である。
(1米ドル=82.49円、12月末日TTS相場)
 
 
◆タピオカでん粉輸出の動向◆
 
 
 
 
・11月の輸出量は14万1000トン(前年同月比23.5%減)
 2009年度(10〜翌9月)のキャッサバ減産による生産減から、7カ月連続での前年割れとなった。
 国別では、中国5万8400トン(33.3%増)、台湾2万5300トン(13.0%減)、マレーシア1万800トン(45.5%減)、日本8600トン(18.3%減)、インドネシア5600トン(87.8%減)となった。中国の輸入増が目立つが、これはアルコール産業からの底堅い需要に応えるためであったとみられる。
 
・1〜11月の累計輸出量は155万3600トン(前年同期比0.3%減)
 国別では、中国47万8100トン(5.5%増)、インドネシア26万9200トン(50.0%増)、台湾22万9300トン(18.2%減)、マレーシア17万1500トン(1.1%増)、日本8万1700トン(23.2%減)となった。
 
・11月の輸出価格(FOB)は、前月比2.0%高のトン当たり520米ドル(前年同月79.3%高)
 高水準で推移した。日本向けは2.0%安の480米ドルとやや値を下げた。1〜11月の平均では、前年同期比63.5%高の440米ドルとなった。
 
 
◆化工でん粉輸出の動向◆
 
 
 
 
・11月の輸出量は6万8800トン(前年同月比6.7%増)
 7カ月ぶりに前年の水準を超えることとなった。
 国別では、日本2万2000トン(3.2%減)、中国1万7700トン(80.2%増)、韓国5300トン(16.2%増)、インドネシア4900トン(38.4%減)、オランダ3000トン(67.7%増)であった。
 
・1〜11月の累計輸出量は64万3500トン(前年同期比0.6%減)
 国別では、日本24万4500トン(4.6%増)、中国10万5100トン(8.8%増)、インドネシア6万8400トン(8.8%増)、韓国3万6900トン(8.0%減)、米国2万6100トン(44.3%増)となった。
 
・11月の輸出価格(FOB)は、前月比8.2%安のトン当たり780米ドル(前年同月比41.8%高)
 日本向けも6.0%安の780米ドルと値を下げた。1〜11月の平均では、前年同期比32.8%高の710米ドルとなった。
 
 

米国

◆とうもろこし需給の動向◆
 
・とうもろこし生産量を下方修正
 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)が1月12日に公表した1月の世界農産物需給推計の月次報告によると、米国における2010/11穀物年度(2010年9月〜2011年8月。以下、「2010/11年度」)のとうもろこし生産量は、前月の予測値から0.7%下方修正された。
 
 とうもろこしの生産量は、前月の予測(125億4000万ブッシェル、3億1852万トン、1ブッシェル=25.4キログラム)から9300万ブッシェル(236万トン)引き下げられ、124億4700万ブッシェル(前年度比4.9%減の3億1615万トン)と予測されている。これは、1エーカー当たりの収量が、ミネソタ州を除くとうもろこし生産州で引き下げられたことから、全米平均でも1.5ブッシェル引き下げられ、152.8ブッシェルとされたことによる。
 
・期末在庫も前年度比56.4%減の水準まで下方修正
 また、国内消費量については、エタノール向けが1億ブッシェル上方修正されたものの、飼料等向けが1億ブッシェル下方修正されたことから前月予測値を据え置き、また、輸出量も据え置いた。
 
 これらの結果、2010/11年度期末在庫は前月からさらに下方修正され、前年度の半分以下(56.4%減)となる7億4500万ブッシェル(1892万トン)と予測されている。これにより、2010/11年度のとうもろこしの平均生産者販売価格は前月予測値より下値、上値ともに1ブッシェル当たり0.10ドル上昇して、4.90〜5.70ドルになると予測されている。今回のUSDAの予測は、生産量、在庫量とも市場関係者の予想を上回る減少幅であった。
 
 (なお、シカゴとうもろこし相場の直近のデータについては、当機構ホームページ「海外情報」に掲載しています。)
 
 
 
 
◆コーンスターチ輸出の動向◆
 
 
 
・11月の輸出量は1万7200トン(前年同月比87.8%増)
 国別では、メキシコ6300トン(前年同月の約5倍)、カナダ2500トン(6.5%減)、インドネシア2000トン(前年同月の約15倍)、英国1100トン(43.9%減)、日本900トン(23.7%増)であった。
 
 タピオカやばれいしょでん粉価格の高騰に伴う代替需要から、増加傾向で推移しているとみられる。特にインドネシアの輸入増については、国内タピオカでん粉減産分の手当てとみられる。
 
・1〜11月の累計輸出量は15万2400トン(前年同期比60.7%増)
 国別では、インドネシア3万8800トン(前年同期の約49倍)、カナダ2万8900トン(0.8%減)、メキシコ2万トン(4.1%増)、英国1万5000トン(15.6%減)、日本8100トン(9.4%増)となった。
 
・11月の輸出価格(FOB)は、前月比8.0%安のトン当たり460米ドル(前年同月の28.1%安)
 日本向けも23.4%安の490米ドルと値を下げた。1〜11月の平均では、前年同期比19.3%安の490米ドルとなった。
 
 
◆化工でん粉輸出の動向◆
 
 
 
 
・11月の輸出量は4万1400トン(前年同月比42.2%増)
 国別では、カナダ7900トン(36.1%増)、日本5700トン(62.9%増)、ドイツ5500トン(73.4%増)、メキシコ4900トン(21.4%増)、英国3700トン(96.1%増)であった。
 
・1〜11月の累計輸出量は41万5800トン(前年同期比22.6%増)
 国別では、カナダ7万7400トン(11.1%増)、日本5万6900トン(14.4%増)、メキシコ5万4700トン(15.8%増)、ドイツ5万100トン(59.0%増)、英国2万7100トン(65.4%増)となった。
 
・11月の輸出価格(FOB)は、前月比1.3%高のトン当たり800米ドル(前年同月比11.1%安)
 日本向けも6.5%高の660米ドルと値を上げた。また、1〜11月の平均では、前年同期比4.2%安の810米ドルとなった。
 

EU

◆ばれいしょでん粉輸出の動向◆
 
 
 
 
・10月の輸出量は3万8900トン(前年同月比14.7%増)
 国別では、中国7600トン(34.1%増)、米国4100トン(13.1%増)、韓国3100トン(83.1%増)、タイ2500トン(77.6%増)、台湾1800トン(前年並み)であった。
 
 なお、英国のPotato Council が11月30日付けで公表したEuro Potato によると、EU15カ国における2010年産ばれいしょの生産量は、前年比11.2%減と見込まれる。また、11月末からの厳しい寒波による降雪により、未収穫となるばれいしょも発生すると見込まれている。
 
・1〜10月の累計輸出量は42万3700トン(前年同期比30.6%増)
 2009年産ばれいしょが豊作であったことから、前年の水準を大幅に上回っている。国別では、中国が最も多く10万1900トン(前年同期の約2.8倍)、次いで米国4万1500トン(3.1%減)、韓国3万7600トン(32.1%増)、台湾3万700トン(73.0%増)、タイ2万2000トン(31.3%増)であった。
 
・10月の輸出価格(FOB)は、前月比4.8%高のトン当たり440ユーロ(前年同月比46.7%高)
 減産見込みによる需給ひっ迫感から、上昇傾向で推移している。なお、1〜10月の平均では、前年同期比5.4%安の350ユーロとなっている。
(1ユーロ=109.40円、12月末日TTS相場)
 
 
◆化工でん粉輸出の動向◆
 
 
 
 
・10月の輸出量は3万7100トン(前年同月比20.8%増)
 国別では、トルコが最も多く8400トン(51.7%増)、次いで、ロシア3600トン(4.5%減)、中国2800トン(24.5%増)、米国2700トン(2.7%増)、スイス2700トン(16.3%減)となった。
 
・1〜10月の累計輸出量は35万8100トン(前年同期比22.1%増)
 国別では、トルコ7万8900トン(56.6%増)、中国3万3600トン(59.5%増)、スイス3万2000トン(1.3%増)、ロシア2万9800トン(18.7%減)、米国2万7000トン(21.6%増)となった。
 
・10月の輸出価格(FOB)は、前月比3.9%安のトン当たり740ユーロ(前年同月比1.3%安)
 一方、日本向けは6.8%高の790ユーロと値を上げた。1〜10月の平均では、前年同期比5.4%安の同750ユーロとなっている。
 

中国

◆天然でん粉輸入の動向◆
 
 
・11月の輸入量は7万400トン(前年同月比25.5%減)
 内訳は、タピオカでん粉6万2100トン、ばれいしょでん粉6800トン、そのほかのでん粉1500トンであった。タピオカでん粉輸入量は、価格の高騰を受け、前年同月比31.0%減と大幅に減少した。
 
・1〜11月の累計輸入量は79万3200トン(前年同期比1.0%減)
 内訳は、タピオカでん粉が64万6600トン(16.2%減)、ばれいしょでん粉が13万1600トン(前年同期の約5倍)であった。タピオカでん粉の輸入先国は、タイ(52万1900トン)、ベトナム(12万2500トン)となっている。
 
・11月の輸入価格(CIF)は、タピオカ、ばれいしょともに前月を上回る
 タピオカでん粉は9.2%高のトン当たり540米ドル(前年同月比76.4%高)、ばれいしょでん粉も18.8%高の550米ドル(24.2%高)とともに大きく値を上げた。
 
 
◆天然でん粉輸出の動向◆
 
 
 
・11月の輸出量は3万1900トン(前年同月比23.6%増)
 タイ産タピオカでん粉やEU産ばれいしょでん粉価格が上昇しており、代替としての引き合いが強まっていることから。6カ月連続で前年の水準を上回ることとなった。
 
・1〜11月の累計輸出量は38万7300トン(前年同期比14.2%増)
 コーンスターチが33万1000トンと大半を占めている。
 
・11月の輸出価格(FOB)は、コーンスターチが前月比0.2%高のトン当たり440米ドル
 8カ月連続で続伸し、前年同月比では20.3%高となった。
 
 
◆化工でん粉輸入の動向◆
 
 
 
 
・11月の輸入量は1万8800トン(前年同月比10.2%増)
 国別では、タイ1万500トン(15.5%減)、米国2000トン(24.5%増)、ベトナム1200トン(76.2%増)となった。
 
・1〜11月の累計輸入量は18万5500トン(前年同期比30.6%増)
 国別では、タイ10万9800トン(10.3%増)、米国1万8700トン(56.9%増)、オランダ1万6800トン(50.4%増)となっている。
 
・11月の輸入価格(CIF)は、前月比5.0%減のトン当たり990米ドル(前年同月比31.9%高)
 1〜11月の平均では、17.1%高の900米ドルとなった。
 
 
◆化工でん粉輸出の動向◆
 
 
 
 
・11月の輸出量は8900トン(前年同月比20.2%増)
 国別では、韓国が最も多く4500トン(27.3%増)、次いで日本1600トン(25.5%増)、マレーシア600トン(26.2%減)であった。
 
・1〜11月の累計輸出量は9万5400トン(前年同期比13.2%減)
 国別では、韓国3万2100トン(7.0%増)、日本1万8500トン(8.6%増)、マレーシア8300トン(2.3%減)であった。
 
・11月の輸出価格(FOB)は、前月比4.3%減のトン当たり650米ドル
 続伸し、前年同月比7.5%高となった。1〜11月の平均では、前年同期比22.6%高の640米ドルとなった。
 
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