エタノールの需給トピックス
最終更新日:2012年1月10日
エタノールの需給トピックス
2012年1月
(1)米国
〜価格はわずかに下落〜
エタノール価格はガソリン価格と同様若干軟化し、前月比1.4%安のリットル当たり0.69ドルとなった。ブレンダーのマージンは、エタノール混合業者への税制優遇措置(ガソリン税から1ガロン当たり45セントの控除)に依存している状況であるが、この税制優遇措置は12月末に期限を迎え、期限延長の可能性は低いことから、今後のエタノール価格の動向が注目される。
バイオエタノールなどの再生可能燃料基準(RFS)は、法律に基づいて2022年までの使用義務量が定められているが、各年の義務量は米環境保護庁(EPA)が実態を勘案して、前年11月末までに翌年の数値を決定することとなっている。2012年分は、本年7月、RFSに規定された152億ガロン(約576億リットル)を適用し、2011年の139億5000万ガロン(約529億リットル)から引き上げる規則案が出されたが、期限を過ぎた12月22日時点で検討中の段階であり、使用義務量決定には至っていない状況である。
(2)ブラジル
〜含水・無水共に高止まり〜
11月のエタノール平均価格は、含水エタノールが前月比4.1%高(米ドル換算前月同)のリットル当たり1.28レアル(0.71米ドル)、無水エタノールが前月並み(同2.5%安)の同1.38レアル(0.77米ドル)とそれぞれ高止まりが続いている。含水エタノールはガソリンに対する優位性がなくなり、含水エタノールの販売額は減少する一方、需要はガソリンとのブレンドに使用されている無水エタノールへとシフトした(エタノールを燃料とした場合の1リットル当たりの走行距離は、ガソリンの70〜75%程度である)。
(3)EU
〜今後も弱含みで推移〜
11月のエタノール価格はわずかに下落し、前月比1.6%安(米ドル換算2.4%安)のリットル当たり0.61ユーロ(0.82米ドル)となった。EUではエタノール価格と小麦価格に相関性がみられ、11月の小麦価格(フランス、ルーエン市)は1トン当たり251.1米ドルで、対前月2.0%安、対前年16.1%安であったことから、エタノール価格は今後も弱含みで推移するものと見込まれる。
資料:LMC“Monthly Sugar Report, December 2011” Informa Economics
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