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でん粉の国内需給

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最終更新日:2013年3月11日

でん粉の国内需給

2013年3月

調査情報部

1.需給見通し

 
 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」により、でん粉に関して適切な価格調整を図るため、年2回(7月、2月)にでん粉の需給見通しを作成することとしており、2月に平成24でん粉年度におけるでん粉の需給見通しを公表した。 

(1)でん粉の需要
〜平成24でん粉年度は、対前年1万9000トン減少の266万4000トンの見通し〜


 平成24でん粉年度の総需要量は、266万4000トンと見通している。内訳を見てみると、糖化製品が181万8000トン、化工でん粉が31万6000トン、ビール向けなどのその他用途が53万トンとなっている。

 糖化用については、上期は10月まで続いた残暑により需要は伸びたものの、その後、需要の伸びは鈍化していること、一方、下期は夏場の清涼飲料向けの需要が特異な天候にならない限り平年並みであると考えられることを踏まえた結果、対前年2万2000トン増加の181万8000トンと見通している。

 化工でん粉用については、製紙向けの需要のうち、コーンスターチから製造する化工でん粉で供給されているものについては、安価なタピオカでん粉誘導体に置き換わってきていること等から、対前年3000トン減少の31万6000トンと見通している。

 その他の用途用については、ビール向け需要は、ビールメーカー各社が前年並みの生産計画を立てていることから、ほぼ前年並みと見込み、製紙向け需要は化工でん粉用と同様に中国やタイからの安価なでん粉誘導体への置き換わりが進み、大きく減少していること等から、対前年3万9000トン減少の53万トンと見通している。


(2)でん粉の供給
〜平成24年度の輸入でん粉は、前年度比15.2%増の見通し〜


 平成24でん粉年度の供給量の内訳を見てみると、国産いもでん粉が21万8000トン、コーンスターチが227万9000トン、輸入でん粉が16万7000トン、小麦でん粉が1万9000トンとなっている。

 かんしょでん粉については、植付け以降の低温や長雨等による日照不足により収量が低い水準であったことに加え、焼酎用への売り渡しが増加したことにより、原料かんしょの集荷量は前年比2万3000トン減の12万6000トンとなった結果、かんしょでん粉の生産量は、でん粉歩留りが前年並みと見込まれることから、前年比7000トン減の3万8000トンと見通している。

 ばれいしょでん粉については、原料ばれいしょに春先の降雪や降雨による植付けの遅れ、9月の高温による影響があったものの、収量はほぼ平年並みに回復したため、集荷量は前年を上回り、でん粉歩留りは前年よりやや低下すると見込まれるものの、ばれいしょでん粉の生産量は、前年比6000トン増の18万トンと見通している。

 コーンスターチについては、我が国のコーンスターチ用とうもろこしのほぼ全量を供給する米国で高温乾燥の影響により生産量が大幅に減少し、在庫率も低水準となったものの、必要量は安定的に供給されるものと見込んでいる。コーンスターチ用とうもろこしの供給量は、主要な需要先である糖化製品の需要が概ね堅調に推移していることや、平成24年産の国内産いもでん粉の生産量を勘案し、でん粉ベースで227万9000トンと需要に見合った供給がなされるものと見通している。

 輸入でん粉については、タピオカでん粉が安価で推移していること、食品向け化工でん粉の原料であるでん粉の輸入が増加すると見込まれる等の傾向を踏まえ、前年比2万2000トン増の16万7000トンと見通している。

 小麦でん粉については、主に畜水産練製品向けとして供給されており、過去の実績から1万9000トンと見通している。
 

2.輸入動向

【天然でん粉の輸入動向】
12月の天然でん粉輸入量は、前年同月比16.1%増の1万7241トン


 財務省「貿易統計」によると、2012年12月の天然でん粉の輸入量は、1万7241トン(前年同月比16.1%増、前月比16.7%減)であった。

 同月の種別輸入量を見てみると、タピオカでん粉が1万5596トン(前年同月比33.6%増、前月比15.3%減)、ばれいしょでん粉が200トン(前年同月比87.8%減、前月比60.2%減)、サゴでん粉が1303トン(前年同月比9.5%減、前月比24.1%減)、その他のでん粉が142トン(前年同月比65.7%増、前月比134.5%増)であった。

 一方、同月の種別輸入価格は、タピオカでん粉が3万8000円(前年同月比8.0%高、前月比3.3%高)、ばれいしょでん粉が7万5300円(前年同月比12.0安、前月比3.9%高)と、タピオカでん粉、ばれいしょでん粉ともに前月より値を上げる結果となった。
 
 
【化工でん粉の輸入動向】
12月の化工でん粉輸入量は、前年同月比12.1%増の4万691トン


 財務省「貿易統計」によると、2012年12月の化工でん粉の輸入量は、4万691トン(前年同月比12.1%増、前月比14.5%増)であった。

 同月の種別輸入量を見てみると、でん粉誘導体(HScode3505.10.100)が3万8513トン(前年同月比9.4%増、前月比16.5%増)、デキストリン(HScode3505.10.200)が2177トン(前年同月比102.1%増、前月比11.4%減)であった。

 でん粉誘導体の主な輸入相手国は、タイが2万1683トンと全体の輸入量の56.3%を占め、次いで米国3887トン、ベトナム3667トン、中国2839トンとなっている。

 一方、同月の種別輸入価格は、でん粉誘導体が6万7900円(前年同月比9.4%高、前月比4.6%安)、デキストリンが8万円(前年同月比102.1%高、前月比2.6%高)であった。
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グル―プ)
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