エタノールの需給トピックス
最終更新日:2013年5月10日
エタノールの需給トピックス
2013年5月
米 国
2012年エタノール生産量は前年比4.6%減
シカゴ商品取引所における3月のエタノール平均価格は、前月比6.3%高のリットル当たり0.67ドルとなった。価格の上昇は、原料となるトウモロコシ価格の高騰を受け、2012年秋以降エタノール工場が生産調整を行った影響とみられている。2012年の燃料用エタノール生産量は前年比4.6%減の5035万キロリットルとなり、年間ベースでは1996年以来の減少となった。
ブラジル
3月の平均価格は含水エタノールが上昇の一方、無水エタノールは変わらず
3月の含水エタノール平均価格は前月比2.5%高(米ドル換算1.6%高)のリットル当たり1.24レアル(0.63米ドル)となった。価格の上昇は、端境期でエタノール供給が減少したことや、競合するガソリンの価格が上昇したことが背景とみられている。一方、無水エタノール価格は2012年12月以降安定して推移しており、3月の平均価格は同1.34レアル(0.68米ドル)となった。これは、2011年12月にエタノールに関する新規則が制定され、エタノール工場と燃料配給業者に対し一定水準の無水エタノールの在庫保有が義務付けられた影響とみられている。なお、エタノール新規則の詳細については『砂糖類・でん粉情報』2012年12月号調査・報告「ブラジルの砂糖・エタノール産業を巡る状況」を参照されたい。
E U
食品由来のバイオ燃料の使用制限について依然検討中
3月のエタノール平均価格は前月から変わらず、リットル当たり0.64ユーロとなった。なお、米ドル換算額ではドル高ユーロ安の影響を受け、前月比4.7%安の0.82米ドルとなった。
欧州委員会のギュンター・エッティンガー委員(エネルギー担当)によると、現在議論が行われている輸送用燃料に占める食品由来のバイオ燃料の割合は6〜7%になるとみられ、2012年10月の欧州委員会の提案(5%以下)よりも緩和される見通しとなっている。一方、欧州再生可能エタノール製造者協会(ePURE)は、同割合を8%にすることを求めており、議論の行方が注目される。
資料:ISO “Market Report & Press Summary, March 2013”
LMC “Monthly Sugar Report, April 2013”
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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