でん粉 でん粉分野の各種業務の情報、情報誌「でん粉情報」の記事、統計資料など

ホーム > でん粉 > でん粉の国際需給 > 3.日本の主要輸入先国の動向

3.日本の主要輸入先国の動向

印刷ページ

最終更新日:2013年8月9日

3.日本の主要輸入先国の動向

2013年8月

トウモロコシ・コ−ンスターチ

米 国

米国農務省(USDA)は7月11日、7月の世界農産物需給推計の月次報告を公表した。

【需給動向】
トウモロコシ生産量、前月予測から下方修正されるも、期末在庫は上方修正


 米国の2013/14穀物年度(2013年9月〜翌8月)のトウモロコシ総供給量は、前月比9000万ブッシェル減の147億900万ブッシェル(3億7568万トン)の見通しとなった(表2)。収穫予測面積が前月から40万エーカー減の8910万エーカーに縮小されたことを受け、生産量が前月比5500万ブッシェル減の139億5000万ブッシェル(3億5434万トン)とされたこと、また、期首在庫が4000万ブッシェル減の7億2900万ブッシェル(1852万トン)に下方修正されたことが主な要因である。

 一方、トウモロコシ総消費量は、前月比1億ブッシェル減の127億5000万ブッシェル(3億2386万トン)の見通しとなった。飼料等向け需要の減少を受けて、国内消費量が前月比5000万ブッシェル減の115億ブッシェル(2億9211万トン)とされたこと、また、輸出量が9月初旬に供給が締まるとの予測から、5000万ブッシェル減の12億5000万ブッシェル(3175万トン)に下方修正されたことが主な要因である。期末在庫は1000万ブッシェル増の19億5900万ブッシェル(4976万トン)となり、期末在庫率は0.2ポイント増の15.4パーセントに改善されると見込まれている。

【価格動向】
生産者平均販売価格は、前月同の1ブッシェル当たり4.40〜5.20ドルの見通し


 2013/14年度の生産者平均販売価格は、総供給量予測が下方修正されたものの、総消費量も併せて下方修正されたことから、1ブッシェル当たり4.40〜5.20ドルと、前月と変わらない水準となっている。

資料:USDA/WAOB “World Agricultural Supply and Demand Estimates”
     (シカゴトウモロコシ相場の直近のデータについては、当機構ホームページhttp://www.alic.go.jp/international/index.htmlの「海外情報」)に掲載しています。)
 
【貿易動向】
トウモロコシ輸出量、5月も前年の半分以下の水準


 2013年5月のトウモロコシ輸出量は、高水準で推移する価格を反映し前年同月比56.8パーセント減の141万8300トンとなった(図4)。国別にみると、日本向け61万6000トン(同23.0%減)、メキシコ向け42万7800トン(同57.3%減)、韓国向け6万トン(同79.0%減)と総じて減少し、特に中国向けは同99.9パーセント減の489トンとなった。

 1〜5月の輸出量では、前年同期比56.3パーセント減の747万5200トンとなった。国別にみると、日本向け265万7700トン(同47.7%減)、メキシコ向け184万8000トン(同65.7%減)、中国向け114万1400トン(同20.3%減)であった。

 5月の輸出価格(FOB)は、前月から14.5米ドル安のトン当たり302.1米ドル(3万210円:1米ドル=100円注)と前月比4.7パーセント安(1月価格から8.5%安)となったが、前年同月比では4.3パーセント高と依然高水準が続いている。

注:6月末日TTS相場
 
【貿易動向】
輸出量は回復基調にあるも、5月の日本向け輸出量は大幅減


 2013年5月のコーンスターチ輸出量は、前年同月比5.1パーセント減の1万2500トンとなった(図5)。国別にみると、カナダ向け3,000トン(同10.0%減)、メキシコ向け2,300トン(同2.4%減)と減少し、日本向けは86トン(同94.6%減)と前月(510トン)の2割弱の水準まで落ちこんだ。一方、英国向けは2,000トン(同50.3%増)と増加した。

 1〜5月の輸出量は、前年同期比19.6パーセント減の4万9700トンとなった。国別にみると、カナダ向け1万4000トン(同9.6%減)、日本向け2,200トン(同71.1%減)と減少した。一方、メキシコ向け7,800トン(同9.9%増)、英国向け7,100トン(同13.4%増)と増加した。

 5月の輸出価格(FOB)は、今年に入り安定的に推移し、前月から0.4米ドル高のトン当たり623.8米ドル(6万2380円注:前年同月比2.6%高)となった。

注:6月末日TTS相場
 

タピオカでん粉

タ イ

【価格動向】
国内価格は引き続き上昇、輸出価格への波及が懸念


 タイタピオカ取引協会(TTTA)によると、主要産地の東北部の6月上期のキャッサバ価格は、キログラム当たり2.20〜2.60バーツ(でん粉含有率18〜22%)と前月より若干値下がりしたものの、引き続き高水準を維持している。この背景として、キャッサバの収穫が末期であるとともに、雨季の収穫作業性の低下を背景に、市場への供給量が減少していることなどが挙げられる。なお、現地報道によると、年初の日照りの影響によりキャッサバの生育が遅れ、今年の出荷開始時期は遅れる可能性が出てきている。

 タイタピオカでん粉協会(TTSA)によると、7月16日現在のタピオカでん粉価格は、前月から0.1バーツ高のキログラム当たり14.8バーツ(48.0円:1バーツ=3.24円注:前年同月比11.3%高)となった(図6)。また、輸出価格(FOB:バンコク)は、前月から10米ドル安のトン当たり510米ドル(5万1000円注:同15.9%高)と5月の水準まで下落したものの、依然、高水準を維持している。

 この背景として、キャッサバの市場供給量の減少に伴い、でん粉工場へのキャッサバの入荷量が減少したため、キャッサバ価格が高水準であること、また、多雨によりキャッサバのでん粉含有量が低下し※、生産効率が悪化したことなどが挙げられる(※昨年同時期との比較で、3〜4ポイントほど低い)。今後、輸出価格への波及が懸念される。

注:6月末日TTS相場
 
【貿易動向】
1〜5月の中国向け輸出量、前年同期比で大幅増


 2013年5月のタピオカでん粉輸出量は、前年同月比23.3パーセント減の17万2700トンとなった。国別にみると、中国向け5万5000トン(同23.1%増)、台湾向け2万7000トン(同31.3%増)と増加した(図7)。一方、インドネシア向け2万7600トン(同69.7%減)、日本向け1万4300トン(同5.7%減)、マレーシア向け1万4000トン(同49.4%減)と減少した。

 1〜5月の輸出量は、前年同期比5.3パーセント増の92万3900トンとなった。国別にみると、中国向け38万5000トン(同97.4%増)と倍増したほか、台湾向け12万200トン(同32.4%増)と増加した。一方、インドネシア向け13万1800トン(同60.3%減)、マレーシア向け6万9600トン(同23.6%減)、日本向け5万2900トン(同0.3%減)と減少した。
 

ベトナム

【生産動向】
キャッサバ作付面積、トウモロコシからの転換で増加


 農業かんがい省によると、2013年6月のキャッサバの作付面積は、前年同期比5.9パーセント増の39万1500ヘクタールとなった(6月15日時点)。そのうち、全体の4分の1を占める中部高原地域(the Central Highlands)では、2013年初頭の干ばつの影響によりトウモロコシからキャッサバへの作付転換が進んだことなどを背景に、同10.4パーセント増の11万7800ヘクタールとなった(資料:在ベトナム調査会社AgroMonitor社レポート)。

【貿易動向】
5月の輸出量、前年同月比で半減


 税関総局によると、2013年5月のタピオカでん粉輸出量は、前年同月比49.4パーセント減の8万7200トンとなった。1〜5月の輸出量は、5月の輸出量の減少を受け、前年同期比10.8パーセント減の70万100トンとなった(表3)。また、輸出額は、同5.1パーセント減の3億340万米ドル(303億4000万円注)となった。国別にみると、中国向けが大半を占め(シェア86.0%)、同1.3パーセント増の2億6090万米ドルであった。

 5月の輸出価格(FOB:ホーチミン)は、前月から15〜35米ドル高のトン当たり505〜510米ドル(5万500〜5万1000円注)と上昇基調を維持している(資料:在ベトナム調査会社AgroMonitor社レポート)(図8)。

注:6月末日TTS相場
 
 

ばれいしょでん粉

E U

【生産動向】
北西ヨーロッパのばれいしょ生産は、おおむね順調


 英国の農業・園芸開発委員会(AHDB)によると、主要産地の北西ヨーロッパでは、地域的なばらつきはあるものの、6月に入って天候が改善したことで、生育はおおむね順調としている。ベルギーでは、昨年の堅調な価格を受けて、作付面積が14.5パーセント増加し、また、フランスやオランダでも既に作付けが完了している。一方、ドイツでは、長雨による種芋の腐敗のおそれや、植え付けの遅れが生じており、欧州委員会(MARS(Monitoring Agricultural Resources)Unit)では、ドイツのばれいしょの収穫量を前年比10.5パーセント減(5年平均比8.3%減)と下方修正している(資料:AHDB “Euro-Potato”)。

【貿易動向】
5月の輸出量、韓国向けが大幅増


 2013年5月のばれいしょでん粉輸出量は、前年同月比1.9パーセント増の2万2600トンとなった(図9)。国別にみると韓国向け5,800トン(同99.4%増)と倍増したほか、米国向け4,000トン(同76.2%増)、ペルー向け2,000トン(同51.2%増)と増加した。一方、中国向け1,100トン(同43.3%減)、日本向け904トン(39.6%減)と減少した。

 1〜5月の輸出量は、前年同期比17.6パーセント減の9万8500トンとなった。国別にみると、韓国向け2万3100トン(同14.2%増)と増加した。一方、米国向け1万4300トン(同29.2%減)、ペルー向け6,100トン(同2.9%減)、中国向け5,300トン(同47.1%減)、日本向け4,000トン(同44.8%減)とそれぞれ減少した。

 5月の輸出価格(FOB)は、今年に入り安定的に推移し、前月から3.9ユーロ高のトン当たり611.3ユーロ(7万9469円:1ユーロ=130円注:前年同月比5.6%高)となった。

注:6月末日TTS相場
 

化工でん粉

タ イ

【貿易動向】
1〜5月の日本向け輸出量、前年同期比14.2パーセント増と増加基調が続く


 2013年5月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比7.3パーセント増の8万3500トンとなった。国別にみると、日本向け3万2600トン(同14.6%増)となったのに対し、中国向け1万4300トン(同15.3%減)となった(図10)。

 1〜5月の輸出量は、前年同期比13.7パーセント増の37万8000トンとなった。国別にみると、日本向け13万4000トン(同14.2%増)、中国向け7万7900トン(同22.3%増)、インドネシア向け3万9600トン(同20.2%増)と増加した。

 5月の輸出価格(FOB)は、2013年1月以降下落基調が続いている。4月には、一旦反転したものの、5月は再び下落に転じ、前月から34.4米ドル安のトン当たり707.2米ドル(7万720円注:前年同月比2.1%高)となった。

注:6月末日TTS相場
 

米 国

【貿易動向】
5月の輸出価格、本年2月の水準の960米ドル台まで回復


 2013年5月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比16.9パーセント増の3万7800トンとなった(図11)。国別にみると、カナダ向け6,400トン(同8.5%減)、メキシコ向け4,000トン(同3.6%減)、日本向け3,800トン(同8.0%減)と減少した。一方、中国向け4,300トン(同105.8%増)と倍増した。

 1〜5月の輸出量は、前年同期比16.6パーセント増の19万1800トンとなった。国別にみると、カナダ向け3万4500トン(同6.0%増)、メキシコ向け2万100トン(同9.3%増)となったほか、ドイツ向け1万5700トン(同25.1%増)、中国向け1万4900トン(同35.2%増)と増加した。一方、日本向け2万900トン(同0.4%減)と減少した。

 5月の輸出価格(FOB)は、3月以降の下落基調から反転し、前月から60.7米ドル高のトン当たり961.8米ドル(9万6180円注:前年同月比1.5%高)となった。

注:6月末日TTS相場
 

中 国

【貿易動向】
1〜6月の日本向け輸出量、前年同期比11.9パーセント減と減少基調が続く


 2013年6月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比17.6パーセント減の8,200トンとなった(図12)。国別にみると、韓国向け4,500トン(同20.3%減)、日本向け1,000トン(同47.4%減)と減少した。一方、マレーシア向け650トン(同32.3%増)と増加した。

 1〜6月の輸出量は、前年同期比12.3パーセント増の5万9100トンとなった。国別にみると、韓国向け2万6600トン(同50.8%増)と増加した。一方、日本向け1万4200トン(同11.9%減)、マレーシア向け4,900トン(同1.9%減)と減少した。

 6月の輸出価格(FOB)は、2012年後半以降、全般的に上昇傾向にあり、前月から12.4米ドル高のトン当たり930米ドル(9万3000円注:前年同月比16.6%高)となった。

注:6月末日TTS相場
 

E U

【貿易動向】
5月の輸出価格、7か月ぶりに下落


 2013年5月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比9.8パーセント減の3万7400トンとなった(図13)。国別にみると、トルコ向け8,500トン(同6.2%増)、中国向け5,200トン(同4.0%増)と増加した。一方、ロシア向け4,300トン(同6.4%減)、日本向け2,800トン(同28.8%減)、韓国向け1,000トン(同76.1%減)と減少した。

 1〜5月の輸出量は、前年同期比4.1パーセント増の17万1700トンとなった。国別にみると、中国向け2万2500トン(同52.5%増)、ロシア向け1万9700トン(同1.5%増)と増加した。一方、トルコ向け3万7100トン(同5.6%減)のほか、5月の輸出量減少を受けて、日本向け1万3300トン(同28.5%減)、韓国向け8,300トン(同40.1%減)と大きく減少した。

 5月の輸出価格(FOB)は、2012年11月以降の上昇基調から反転し、前月から25.7ユーロ安のトン当たり960.1ユーロ(12万7693円注:前年同月比7.6%高)となった。2012年後半は、900ユーロを割った水準にあったが、2012年12月以降は、900ユーロを越えて上昇を続けており、5月も下落したものの依然、高水準の状況にある。

注:6月末日TTS相場
 

豪 州

【貿易動向】
1〜5月の日本向け輸出量、前年同期比38.7パーセント減と減少基調が続く


 2013年5月のデキストリンおよびその他の化工でん粉の輸出量は、前年同月比23.6パーセント減の1,500トンとなった(図14)。国別にみると、日本向け680トン(同34.1%減)、ニュージーランド向け110トン(同59.4%減)と減少した。一方、台湾向け140トン(同100%増)と倍増した。

 1〜5月の輸出量は、前年同期比14.0パーセント減の7,300トンとなった。国別にみると、日本向け3,300トン(同38.7%減)と減少した。一方、ニュージーランド向け940トン(同6.6%増)、台湾向け630トン(同38.3%増)と増加した。

 5月の輸出価格(FOB)は、前月から20.6米ドル安のトン当たり1,830米ドル(18万3000円注1:16.5%高)となった。2012年12月は、1,320米ドル(12万2000円注2)まで下落し、豪州産の価格競争力の改善につながったものの、それ以降は、上昇傾向に転じ、依然、高水準な状況にある。

注1:6月末日TTS相場 
  2:1月末日TTS相場
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713