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地域だより

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最終更新日:2013年9月13日

平成25年度「県澱連夏期研修会」および「農産物検査員研修会」の開催について

2013年9月

鹿児島事務所 丸吉 裕子
 


 平成25年8月26日(月)に鹿児島県市町村自治会館において、鹿児島県澱粉協同組合連合会(以下「県澱連」という。)主催による、平成25年度「県澱連夏期研修会」および「農産物検査員研修会」が開催された。

 同研修会は、毎年、かんしょ澱粉に関する幅広い知識の習得と、農産物検査法に基づく登録検査機関の農産物検査員としての技術の維持、向上および技術確認を目的として行われており、今年度は40名が参加した。今回は、午前に県澱連夏期研修会、午後に農産物検査員研修会が行われた。以下に、その概要を紹介する。

1.県澱連夏期研修会

 はじめに、県澱連の本坊会長、九州農政局鹿児島地域センター(以下「鹿児島地域センター」という。)の橋野総括農政管理官、当機構の星鹿児島事務所長がそれぞれあいさつを行った。あいさつの中で、県澱連の本坊会長は、「各製造事業者に澱粉の品質向上に努めていただいているおかげで、実需者からのクレームゼロを実現している。今後も、品質管理や農産物検査技術の維持にはたゆまぬ努力が必要となる。今日の研修を生かし、一層気を引き締めて業務に臨んでいただきたい。」、鹿児島地域センターの橋野総括農政管理官は、「(県澱連傘下製造事業者の農産物検査員の)皆様の農産物検査技術は熟練の域にあると認識しているが、今一度業務規程に対する理解を深めていただき、検査業務を適正に行い、円滑な検査実施に努めていただきたい。実需者からの信頼確保が一番大事。改めて、品質向上のための検査技術の確認をお願いしたい。」、当機構の星鹿児島事務所長は、「品目別経営安定対策の交付金交付にあたっては、法令上の規格を満たす必要があり、今回の研修会により検査技術の向上が図られ、適正な規格検査が実施されることを願う。昨今、かんしょ澱粉の加工食品への用途拡大が期待されており、機構としては、かんしょ澱粉の需要拡大が見込まれる関西方面で、実需者とのかんしょ澱粉交流会を本年度に開催予定であり、ぜひ製造事業者ほか関係者の皆様に参加いただきたい。」と述べた。
 
 続いて、日本澱粉工業株式会社の竹内TPM推進室長から「TPM活動と生産性向上について」と題して講演があり、社員全員参加による生産管理・経営(=TPM(注))を行うことで、コスト低減と生産性向上を両立することができた同社の取り組みが紹介された。同社では1) 他分野の製造企業主催の研修へ管理職を参加させ、4M(人材(Man)、設備(Machine)原材料・エネルギー(Material)、作業・管理方法(Method))の改善手法を修得させる2) 自社独自の研修プログラムに部門に関わらず社員を参加させ、資格取得を促す−といった教育訓練による人材育成と、システムを用いた設備の点検状況やメンテナンス状況などの一括管理、コストダウンプロジェクトの遂行といった個別改善を図ることで、製造工程の安定が保たれ、大きな設備投資をせずとも生産性向上を実現しているとのことである。

(注)TPM 公益社団法人日本プラントメンテナンス協会が提唱する、生産システムの効率を極限まで追求する企業体質づくりを目標とした取り組み(Total Productive Maintenance)。生産システムのライフサイクル全体を対象とした「災害ゼロ・不良ゼロ・故障ゼロ」などあらゆるロスを未然に防止する仕組みを現場現物で構築し、生産部門をはじめ、開発・営業・管理などのあらゆる部門にわたってトップから第一線の従業員にいたるまで全員が参加し、重複小集団活動によるロスゼロを達成することをいう。日本澱粉工業株式会社では、昭和61年からTPM活動を始め、平成13年度からは、社員全員参加による生産管理・経営(Total Productive Management)を「TPM21」と定義し、実践している。

 その後、鹿児島地域センターの森主任農政業務管理官から、「農産物検査に関する基本要領の一部改正について」と題して講演があり、農産物検査に関する基本要領の主な改正内容と改正に伴う留意事項について周知された。同センターからは、検査報告の取りまとめを行う県澱連事務局と連携し、引き続き円滑に検査業務を実施するよう依頼があった。
 

2.農産物検査員研修会

 午後には、県澱連の指導的農産物検査員である玉田検査員が中心となり、かんしょ澱粉検査に関する技能確認会が行われた。同確認会では、無作為に並べられた試料と検査標準品を比較して、色沢などの品位の鑑定により等級の判定を行い、各農産物検査員の検査技能を確認した。同確認会は、一昨年前から県澱連が主催し実施しているもので、農産物検査員としての技術の維持、向上および技能確認を目的として、毎年1回以上行なっている。
 
 このように、県下では、かんしょ澱粉検査技術の維持・向上に資するため有意義な研修会が開催されている。当事務所としては、県下の各製造事業者によるかんしょ澱粉の品質向上に係る取り組みについて、今後も紹介してまいりたい。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8743