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2.日本の主要輸入先国の動向

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最終更新日:2014年2月10日

2.日本の主要輸入先国の動向

2014年2月

トウモロコシ・コ−ンスターチ

米国

 米国農務省(USDA)は1月10日、2013/14穀物年度(2013年9月〜翌8月)の国内外の主要農作物需給見通し(1月予測)を公表した。

【需給動向】
単収減と消費増の予測を受けて、期末在庫量は減少


 米国の2013/14穀物年度のトウモロコシ総供給量は、前月予測から6100万ブッシェル(154.9万トン)減の147億8100万ブッシェル(3億7545万トン、前月比0.41%減)の見通しとなった(表2)。収穫面積が、前月の予測値から50万エーカー(20万ヘクタール)上方修正されたものの、単収が1.6ブッシェル下方修正されたことを受け、生産量は、139億2500万ブッシェル(3億5371万トン)に下方修正されたことが主な要因である。

 総消費量は、同1億ブッシェル(254万トン)増の131億5000万ブッシェル(3億3402万トン)の見通しとなった。10月中旬以降のエタノールの増産基調を受けて、エタノール向け消費量が、前月の予測値から5000万ブッシェル(127万トン)増加したことや、トウモロコシ価格の下落による飼料用トウモロコシの需要増加などを受けて、飼料向けが1億ブッシェル(254万トン)の増加が見込まれることなどによるものである。

 期末在庫量は、総供給量が下方修正された一方、総消費量が上方修正されたことを受け、同1億6100万ブッシェル(409万トン)引き下げられ、16億3100万ブッシェル(4143万トン)となった。これにより、期末在庫率は、前月予測から1.3ポイント減の12.4パーセントと見込まれている。主産地での豊作による世界的な供給量の増加が見込まれるなか、輸出量の動向が注目される。
 
【価格動向】
豊作を受けて、上値価格は下落の予測


 2013/14年度の生産者平均販売価格は、需要の増加が下支えになると見込まれることから、前月予測から下値が引き上げられた一方、豊作を受けて上値は引き下げられ、1ブッシェル当たり4.10〜4.70米ドル(435円〜498円: 1米ドル=106円)と予測している(表2)。 

注:12月末日TTS相場

【貿易動向:トウモロコシ】
輸出量は前月比の1.6倍。中国向けは6倍に増加


  2013年10月のトウモロコシ輸出量は、2013/14年度の米国産の豊作見込みによる価格下落などを背景に、前月の1.6倍に当たる325万2000トン(前年同月比86.3%増)となった(図3)。国別に見ると、メキシコ向け103万4900トン(同157.5%増)、中国向け100万5900トン(同482.6%増)と大幅に増加した。一方、日本向けは44万9800トン(同36.2%減)、韓国向け5,500トン(同95.7%減)と大幅に減少した。

 1〜10月の輸出量では、前年同期比40.9パーセント減の1689万4700トンとなった。国別に見ると、日本向け527万2900トン(前年同期比41.6%減)、メキシコ向け480万2300トン(同38.6%減)、中国向け248万4000トン(同34.9%減)と大幅に減少し、韓国向けは11万3400トン(同94.2%減)と半減した。

 10月の輸出(FOB)価格は、豊作見込みなどを受けて、前月比26.8米ドル安(前月比10.5%安)の1トン当たり227.3米ドル(2万4094円:1米ドル=106円)と続落し、前年同月比でも31.1パーセント安と大幅に下落した。

注:12月末日TTS相場
 
【貿易動向:コーンスターチ】
10月の輸出量、5カ月ぶりに1万トンを回復


 2013年10月のコーンスターチ輸出量は、前月比21.2パーセント増の1万400トンと、6月以来5カ月ぶりに1万トンを回復した(図4)。国別に見ると、カナダ向けが3,200トン(前年同月比9.2%減)と減少したほか、メキシコ向け1,700トン(同63.9%減)、英国向け940トン(同35.0%減)、日本向け280トン(同65.3%減)とそれぞれ大幅に減少したものの、ドイツをはじめとしたその他国向けの輸出が伸びたことで、全体の輸出量としては前月より増加したが、前年同月比では27.7パーセント減と依然前年割れが続いている。

 1〜10月の輸出量では、前年同期比29.8パーセント減の9万6000トンとなった。国別に見ると、カナダ向け2万9500トン(前年同期比8.7%減)、メキシコ向け1万3600トン(同56.2%減)、英国向け1万2500トン(同6.9%減)と減少し、日本向けも3,000トン(同74.0%減)と大幅に減少した。

 10月の輸出(FOB)価格は、前月から反転し、前月比11.3米ドル高(前月比1.8%高)の1トン当たり645.2米ドル(6万8391円:1米ドル=106円、前年同月比6.4%高)となった。

注:12月末日TTS相場
 

タピオカでん粉

タイ

【価格動向】
輸出(FOB)価格の下落基調が強まる


 タイタピオカ取引協会(TTTA)によると、コメの収穫も落ちついたことで、キャッサバの収穫作業への人手が確保しやすい状況となったことから、市場へのキャッサバ供給は回復傾向にあるが、依然、不足感があるとしている。

 12月上旬のキャッサバ価格は、主産地の東北部および中央部では、でん粉含有率24〜27パーセントで、1キログラム当たり2.30〜2.60バーツ(7.5〜8.5円:1バーツ=3.28円)となり、11月下旬と比較すると、でん粉含有率がそれぞれ1ポイント増加したうえで、下値および上値はそれぞれ0.10バーツ安となった。

 タイタピオカでん粉協会(TTSA)によると、1月7日現在のタピオカでん粉価格は、前月第1週から1.0バーツ安の1キログラム当たり12.5バーツ(41.0円:前年同月比3.1%安)となった(図5)。輸出(FOB)価格(バンコク)は、同35米ドル安の1トン当たり405米ドル(4万2930円:1米ドル=106円、同8.0%安)となった。TTTAによると、キャッサバの価格下落とでん粉含有量の増加を受けて、タピオカでん粉輸出業者による値下圧力が高まっているとしている。

注:12月末日TTS相場
 
【貿易動向】
中国向け輸出の増加により、輸出量の増加が続く


 2013年11月のタピオカでん粉輸出量は、前年同月比31.3パーセント増の26万2700トンとなった。国別に見ると、マレーシア向け1万9700トン(前年同月比37.4%減)、インドネシア向け8,500トン(同77.4%減)と大幅に減少したものの、中国向け15万1200トン(同157.2%増)、台湾向け2万6000トン(同8.7%増)、日本向け1万6600トン(同32.5%増)と大幅に増加した。中国向けは前月に続いて15万トンを越えて、同月輸出量の6割を占めた。今後、春節などの需要期を控え、貿易動向に大きな影響を与える中国向けの輸出動向に関心が高まっている。

 1〜11月の輸出量は、前年同期比5.1パーセント増の217万6200トンとなった。国別に見ると、中国向け103万5300トン(前年同期比101.9%増)、台湾向け25万5800トン(同9.2%増)と増加したものの、インドネシア向け22万9100トン(同64.7%減)、マレーシア向け17万7000トン(同24.4%減)、日本向け11万7400トン(同11.5%減)と減少した。
 

ベトナム

【生産動向】
南部で作付けが進むも、作付面積は前年割れ


 農業かんがい省によると、2013年12月現在のキャッサバの作付面積は、前年同月比1.7パーセント減の51万2200ヘクタールとなった(12月15日時点:表3)。12月は南部で作付けが進んだものの、多くの地域で前年割れとなり、全体の作付面積では、前年同月比で1.7パーセントの減少となった。

資料:AgroMonitor “CASSAVA & STARCH MONTHLY REPORT-December 2013”
 
【貿易動向】
輸出(FOB)価格の下落基調が続く


 税関総局によると、2013年11月のタピオカでん粉輸出量は、前月に続き増加し、前月比31.2パーセント増の18万7600トンとなった。11月は、中国の需要の高まりを受けて、前月に続いて前月比で3割を超える増加となったものの、依然、他国の需要低迷が影響し、前年同月比では0.8パーセントの減少となった。

 1〜11月の輸出量は、前年同期比17.8パーセント減の135万8200トンとなった。輸出額は、同10.3パーセント減の6億2138万米ドル(658億6631万円:1米ドル=106円注)となった(表4)。国別に見ると、台湾向けの44.4パーセント減をはじめとして減少傾向にあるなか、中国向けは同4.9パーセントの減少(5億4969万米ドル:582億6786万円)にとどまったことにより、 1割程度の減少となった。

 輸出(FOB)価格(ホーチミン)は、タイ産の価格下落などを背景に、12月に入り下落基調が強まり、1月第2週の価格は、1トン当たり405米ドル(4万2930円)となった(図7)。現地トレーダーによると、国内のキャッサバ価格が緩やかに下落し、下落基調にある安価なタイ産に引きずられる形で、FOB価格は下落したとしている。

資料:AgroMonitor “CASSAVA & STARCH MONTHLY REPORT-December 2013”
 
 

ばれいしょでん粉

EU

【貿易動向】
輸出量の回復基調が続くも、依然前年割れ。1〜10月期の日本向け輸出量は半減


 2013年10月のばれいしょでん粉輸出量は、前月比14.8パーセント増の2万6000トンとなった(図8)。国別に見ると、韓国向け3,400トン(前年同月比47.4%減)、日本向け600トン(同15.0%減)と減少したものの、米国向け3,400トン(同12.2%増)、中国向け3,100トン(同170.2%増)と大幅に増加した。しかし、前年同月比では15.2パーセント減と依然前年割れが続いている。

 1〜10月の輸出量は、前年同期比19.3パーセント減の20万9400トンとなった。国別に見ると、韓国向けが4万3400トン(前年同期比2.1%増)と増加した。一方、米国向け2万7700トン(同23.5%減)、中国向け1万7700トン(同27.2%減)、日本向け7,400トン(同46.7%減)と大幅に減少した。

 10月の輸出(FOB)価格は、前月に続いて上昇し、前月比14.7ユーロ高(前月比2.5%高)の1トン当たり593.2ユーロ(8万7203円:1ユーロ=147円)となった。

注:12月末日TTS相場
 

化工でん粉

タイ

【貿易動向】
輸出(FOB)価格の下落基調が続く


 2013年11月のデキストリンおよびその他の化工でん粉(以下「化工でん粉など」という)の輸出量は、前年同月比2.6パーセント減の7万7400トンとなった(図9)。国別に見ると、日本向け2万5500トン(前年同月比10.9%増)と増加したものの、中国向け1万9300トン(同27.3%減)、インドネシア向けが7,100トン(同26.6%減)と大幅に減少した。

 1〜11月の輸出量は、前年同期比4.9パーセント増の83万6300トンとなった。国別に見ると、日本向け29万5700トン(前年同期比9.8%増)、インドネシア向け8万2200トン(同15.3%増)と増加した。一方、中国向けは、同11.8パーセント減の18万2400トンとなった。

 11月の輸出(FOB)価格は、前月に続いて続落し、前月比25.3米ドル安(前月比3.4%安)の1トン当たり710.2米ドル(7万5281円:1米ドル=106円、前年同月比2.8%高)となった。タイバーツの下落基調を受けて、今後も下落基調が持続するのか関心が高まっている。

注:12月末日TTS相場
 

米国

【貿易動向】
日本向け輸出量、前年同月比15.6パーセント増。インド向け輸出も大幅増


 2013年10月の化工でん粉などの輸出量は、前年同月比10.2パーセント増の4万1400トンとなった(図10)。国別に見ると、カナダ向け7,900トン(前年同月比3.6%増)、日本向け5,000トン(同15.6%増)、中国向け2,800トン(同27.7%増)、インド向け3,000トン(同999.7%増)と大幅に増加した。一方、ドイツ向け3,500トン(同3.4%減)、メキシコ向け2,700トン(同16.8%減)と減少した。

 1〜10月の輸出量は、前年同期比3.7パーセント増の37万1000トンとなった。国別に見ると、カナダ向け6万7900トン(前年同期比1.0%減)、日本向け4万3800トン(同4.3%減)、メキシコ向け3万5000トン(同0.2%減)と減少した。一方、ドイツ向け3万3200トン(同0.6%増)、中国向け2万8500トン(同30.1%増)と増加した。

 10月の輸出(FOB)価格は、前月に続いて続落し、前月比30.7米ドル安(前月比3.3%安)の1トン当たり901.7米ドル(9万5576円:1米ドル=106円)と前年同月比でも3.6パーセント安となった。国別に見ると、主要輸出先国であるカナダ向けは前年同月比6.9パーセント高の1,085.4米ドル(11万5056円)と上昇したのに対し、日本向け同5.4パーセント安の694.5米ドル(7万3614円)、中国向け同2.0パーセント安の861.4米ドル(9万1365円)、インド向け同20.6パーセント安の629.7米ドル(6万6744円)とそれぞれ下落するなど、輸出先によってFOB価格の動きにばらつきが生じた。インド向けは、前月比でも10.7パーセント安(75.6米ドル安)となっており、10月の輸出量が前年同月比で10倍となった今後のインド向け輸出の動向に関心が高まっている。

注:12月末日TTS相場
 

中国

【貿易動向】
12月の日本向け輸出価格、反転。9月の水準まで下落


 2013年12月の化工でん粉などの輸出量は、前年同月比32.3パーセント増の1万3800トンとなった(図11)。国別に見ると、韓国向け7,600トン(前年同月比63.1%増)、日本向け3,300トン(同6.3%増)と増加した。

 1〜12月の輸出量は、前年同期比9.5パーセント増の12万1300トンとなった。国別に見ると、韓国向け5万4600トン(前年同期比36.6%増)と大幅に増加した。一方、日本向け3万2200トン(同8.4%減)と減少した。

 12月の輸出(FOB)価格は、前月に続いて続落し、前月比63.6米ドル安(前月比7.6%安)の1トン当たり777.6米ドル(8万2421円:1米ドル=106円、前年同月比7.1%安)となった。国別に見ると、日本向けFOB価格は、前月から62.4米ドル安(前月比8.5%安)の同668.6米ドル(前年同月比0.7%安)と9月の水準(664.1米ドル)まで下落し、前月は100米ドル以上あった主要輸出先国である韓国向けFOB価格との乖離は縮まった(※前月比9.5米ドル安(前月比1.5%安)の612.1米ドル(前年同月比10.3%安))。 

注:12月末日TTS相場
 

EU

【貿易動向】
日本向け輸出量、増加傾向にあるも前年割れ


 2013年10月の化工でん粉などの輸出量は、前年同月比2.4パーセント減の4万3000トンとなった(図12)。国別に見ると、トルコ向け7,900トン(前年同月比1.9%増)、ロシア向け5,200トン(同15.1%増)と増加した。一方、中国向け5,900トン(同22.2%減)、日本向け4,400トン(同9.7%減)と減少した。

 1〜10月の輸出量は、前年同期比3.7パーセント増の36万8800トンとなった。国別に見ると、中国向け4万4000トン(前年同期比7.5%増)、ロシア向け4万3200トン(同5.6%増)と増加した。一方、トルコ向け7万7000トン(同2.0%減)、日本向け3万800トン(同15.9%減)と減少した。

 10月の輸出(FOB)価格は、前月に続いて続落し、前月比17.0ユーロ安(前月比1.8%安)の 1トン当たり929.7ユーロ(13万6669円:1ユーロ=147円、前年同月比6.2%高)となった。

注:12月末日TTS相場
 

豪州

【貿易動向】
11月の日本向け輸出量、4割減。日本向け輸出(FOB)価格の上昇が続く


 2013年11月の化工でん粉などの輸出量は、前年同月比25.9パーセント減の1,100トンと大幅に減少した(図13)。国別に見ると、ニュージーランド向け190トン(前年同月比20.4%増)と増加したものの、日本向け480トン(同40.1%減)、中国向け140トン(同33.3%減)と大幅に減少した。

 1〜11月の輸出量は、前年同期比22.7パーセント減の1万5400トンとなった。国別に見ると、ニュージーランド向け2,000トン(前年同期比8.4%増)、中国向け1,300トン(同2.7%増)と増加したものの、日本向けが7,400トン(同40.0%減)と大幅に減少した。

 11月の輸出(FOB)価格は、前月に続いて上昇し、前月比101.5米ドル高(前月比6.1%高)の1トン当たり1,759.5米ドル(18万6507円:1米ドル=106円、前年同月比3.7%高)となった。日本向け価格が前月比256.2米ドル高(前月比15.0%高)の1,962.9米ドル(20万8065円、同15.2%高)と、9月以降、上昇基調にあるなか、11月は5月以来7カ月ぶりに1,900ドルを超え、FOB価格の上昇とともに日本向け輸出量の動向に関心が高まっている。

注:12月末日TTS相場
 
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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