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地域だより

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最終更新日:2014年6月4日

平成26年度鹿児島県さつまいも・でん粉対策協議会総会が開催される

2014年6月

鹿児島事務所 篠原 総一郎

 平成26年5月22日(木)、鹿児島市のウェルビューかごしまにおいて平成26年度鹿児島県さつまいも・でん粉対策協議会の総会が開催された。

  同協議会は昭和40年に設立された、鹿児島県の原料用さつまいもおよびさつまいもでん粉の生産・流通などを検討する組織である。さつまいも生産農家の所得向上と関連産業の経営安定を図ることを目的として、鹿児島県をはじめ9つの機関・団体で構成されている。当日は、鹿児島県農業組合中央会会長や鹿児島県経済農業協同組合連合会会長をはじめ8名が出席し、平成25年度事業実績や平成26年度の事業計画が承認された。

  はじめに、協議会事務局(鹿児島県農政部農産園芸課内)から県下のさつまいも生産概況および同協議会の平成25年度事業実績が報告された。

 鹿児島県における平成25年産さつまいも作付面積は、前年より100ヘクタール減の1万3700ヘクタールとなった。一方で、25年度は日照量が多く雨量も適度にあったことなどから、10アール当たりの収量は昨年の2320キログラムから2730キログラムまで回復し、生産量は37万4000トンと前年より5万3800トンの増産となった。内訳は、でん粉原料用の生産量が前年より約1万2700トン増の12万7900トン、焼酎原料用は約2万460トン増の17万9399トンと見込まれている。
 
 協議会の平成25年度事業実績については、以下の4点が報告された。
○需給調整対策
 でん粉原料用さつまいもにあっては、各でん粉工場の原料集荷計画や「国内産いもでん粉生産計画」を基本とした原料売渡契約に基づく安定的な原料取引、焼酎原料用さつまいもにあっては、確保希望数量を基本とした実効性のある契約栽培・契約取引の実践による原料の安定的な取引を推進した。
○生産対策
 鹿児島県農業開発総合センター大隅支場と連携した原料用さつまいもの生育状況情報の提供や、ウィルスフリー苗(バイオ苗)の利用促進、当機構が大阪市内で開催した「かんしょでん粉製造事業者と実需者との交流会」におけるこなみずきなどのさつまいもでん粉のPRなどを実施した。
○担い手等育成対策
 国の「北海道・南九州畑作物農業機械等リース支援事業」の情報提供などを行うことで、品目別経営安定対策に対応した認定農業者などの育成を推進した。
○でん粉工場の公害防止対策
 でん粉工場の担当者向けに適切な排水処理や臭気対策に関する研修会を開催するとともに、地域さつまいも・でん粉協議会などと連携してでん粉工場の巡回指導や排水分析を実施した。

 平成26年度の事業計画では、「需給調整」「生産」「担い手等育成」「でん粉工場の体質強化」「公害防止」の各対策を引き続き実施することが報告された。このうち、担い手等育成対策としては、品目別経営安定対策の特例対象となっている生産者が今後も交付対象者として事業を継続できるように、本則要件に対応できる体制づくりを推進していく予定としている。
 また、でん粉工場の体質強化策として、加工食品向けの高品質なでん粉の製造や品質の管理などを推進する計画である。

 上記の報告を受け、出席者からは「でん粉用、焼酎用双方の価格および需要の特性を、生産者がよく認識して生産を行うべき」「鹿児島県では、本協議会を中心として円滑な需給調整を実施できているので、宮崎県の関係者も含め一層の連携強化を進めていきたい」といった意見が出されていた。
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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