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2.日本の主要輸入先国の動向

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最終更新日:2014年6月10日

2.日本の主要輸入先国の動向

2014年6月

トウモロコシ・コーンスターチ

米 国

 米国農務省(USDA)は5月9日、2014/15穀物年度(9月〜翌8月)の国内外の主要農作物需給見通し(5月予測)を公表した。

【需給動向】
作付面積減少も単収は増加見込

  2014/15穀物年度のトウモロコシ生産量は、作付面積が減少するものの、単収が増加するとの見込みから、139億3500万ブッシェル(前年度比0.1%増)と前年度並みの見通しであった(表2)。

 一方、総消費量は、飼料向け、輸出向けなどが前年の水準を下回るとの見込みから、 133億8500万ブッシェル(3億3998万トン、同1.8%減)の見通しであった。

 また、年度当初の期首在庫量が多かったことから、期末在庫量は17億2600万ブッシェル(4384万トン、同50.6%増)、期末在庫率は12.9%と見込まれている。

【価格動向】
需給緩和により下値および上値共に引き下げ

  2014/15穀物年度のトウモロコシ生産者平均販売価格は、前年度並みの豊作により需給が一層緩和すると見込まれていることから、下値および上値とも引き下げられ1ブッシェル当たり3.85〜4.55米ドル(400円〜473円:1米ドル=104円)と見込まれている(表2)。

 注:4月末日TTS相場
 
【貿易動向:トウモロコシ】
2月の輸出量は、輸出価格の割安感を受けて前年同月比大幅増

  2014年2月のトウモロコシ輸出量は、前年同月比144.6%増の344万5600トンと昨年10月から引き続き300万トンを超える高い水準となった(図3-1)。国別に見ると、昨年11月以来、米国産トウモロコシの受け入れを一部停止している中国向けは2800トン(前年同月比99.2%減)と大幅に減少したものの、日本向け104万2000トン(同125.2%増)、メキシコ向け77万400トン(同194.6%増)、韓国向け32万4900トン(同6919.1%増)と大幅に増加した。これは、前年度に米国産トウモロコシが、史上最高の生産量となったことから、南米産などと比べても割安感が出ており、米国産の引き合いが強まったためとみられている(図3-2)。

 同年1〜2月の輸出量は、前年同期比133.4%増の645万6300トンとなった。国別に見ると、日本向け201万2900トン(前年同期比132.0%増)、メキシコ向け153万3600トン(同183.9%増)、韓国向け33万トン(同850.6%増)と大幅に増加した。一方、中国向けは8万8300トン(同86.9%減)と大幅に減少した。

 同年2月の輸出価格(FAS)は、前月に比べ4.8米ドル安(前月比2.2%安)の1トン当たり217.1米ドル(2万3078円:1米ドル=104円、前年同月比34.1%安)と下落し、依然安値傾向が続いている。

 注:4月末日TTS相場
 
【貿易動向:コーンスターチ】
2月の輸入価格は前月に引き続き800ドルを上回る

  2014年2月のコーンスターチ輸出量は、6400トンと前月に比べ11.4%減少し、前年同月比でも27.2%減となった(図4)。国別に見ると、日本向け320トン(前年同月比5.6%増)と増加した一方、カナダ向け2400トン(同17.4%減)、英国向け700トン(同2.1%減)、ドイツ向け620トン(同28.5%減)、メキシコ向け160トン(同81.7%減)と減少した。

 同年1〜2月の輸出量では、前年同期比15.4%減の1万3600トンとなった。国別に見ると、カナダ向け4300トン(前年同期比28.0%減)、英国向け1500トン(同3.3%減)、メキシコ向け740トン(同46.2%減)、日本向け450トン(同64.0%減)となった。
 

タピオカでん粉

タ イ

【価格動向】
市場へのキャッサバ供給量は減少傾向にあるものの、国内価格は前月並み

 タイタピオカでん粉協会(TTSA)によると、2014年5月第2週のタピオカでん粉の国内価格は、1キログラム当たり13.4バーツ(43.68円: 1バーツ=3.26円、前年同月比5.6%安)とほぼ前月並みとなった(図5)。輸出価格(FOB・バンコク)は、前月に比べやや下回り1トン当たり15米ドル安の430米ドル(4万4720円:1米ドル=104円、同15.7%安)となった。

 タイタピオカ取引協会(TTTA)によると、キャッサバの収穫期が終盤に入ったことに加え、多くの農家が旧正月の長期休暇に入ったことから、4月のキャッサバの市場への入荷量は減少した。また、雨季に入り始め茎と葉が成長することでキャッサバイモのでん粉含有量の低下がみられている。

 なお、現地報道によると、タイ農業普及局は12県からコナカイガラムシ発生の報告を受けており、発生が急速に拡大するためキャッサバ農家に対し引き続き注意を促しているとのことである。 

 注:4月末日TTS相場
 
【貿易動向】
中国向け輸出の大幅増加を受け、3月の輸出量は前年同月比2割増

  2014年3月のタピオカでん粉輸出量は、前年同月比20.1%増の26万6900トンとなった(図6)。国別に見ると、マレーシア向け2万2200トン(前年同月比6.3%減)、インドネシア向け8700トン(同65.0%減)と減少したものの、中国向け15万6400トン(同43.3%増)、台湾向け3万1100トン(同12.7%増)、日本向け5400トン(同54.8%増)と増加した。

 同年1〜3月の輸出量は、前年同期比29.3%増の76万5600トンとなった。国別に見ると、中国向け42万9700トン(前年同期比62.8%増)、台湾向け8万5700トン(同28.5%増)、マレーシア向け5万9300トン(同35.2%増)、日本向け3万4800トン(同37.4%増)と大幅に増加したものの、インドネシア向けは2万2500トン(同74.5%減)と大幅に減少した。
 

ベトナム

【生産動向】
南部での作付けが進み、作付面積は前年同月比1割増

 農業農村開発省によると、2014年4月現在のキャッサバの新規作付面積は、前年同月比10.8%増の18万5300ヘクタールとなった(4月15日時点:表3)。

 北部では低温の影響などから昨年より作付が遅れる傾向がみられる一方、南部では国内キャッサバ価格の上昇を受けて農家の作付意欲が高まったことなどから、作付面積の拡大傾向がみられている。

資料:AgroMonitor 「CASSAVA & STARCH MONTHLY REPORT-April 2014」
 
【貿易動向】
中国向け輸出量は前年に比べかなり減少

 税関総局によると、2014年3月のタピオカでん粉輸出量は前月比9.2%増の13万4746トン(前年同月比9.1%減)となった(表4)。ベトナム産タピオカでん粉の輸出量の約8割が中国向けであるが、中国元の為替相場が下落基調にあったことや中国側に余剰在庫感が出たことで、中国の輸入企業の購買意欲が弱まったことなどから、前年に比べ中国向け輸出量が減少している。

 輸出価格(FOB・ホーチミン)は、旧正月明けの2月初旬、タイ産に歩調を合わせる形でベトナムの輸出企業が取引額を引き上げたことなどから上昇に転じ、2月中旬以降は1トン当たり425〜435米ドル(4万4200円〜4万5240円: 1米ドル=104円)で引き続き安定的に推移している(図7)。

 注:4月末日TTS相場
 資料:AgroMonitor “CASSAVA & STARCH MONTHLY REPORT-April 2014”
 

ばれいしょでん粉

E U

【貿易動向】
1月の輸出量は減少する一方、輸出価格は前月並み

  2014年1月のばれいしょでん粉輸出量は、前年同月比16.6%増の1万8400トンとなった(図8)。国別に見ると、中国向け1000トン(同20.5%減)、日本向け400トン(同65.6%減)と大幅に減少したものの、米国向け2900トン(前年同月比29.4%増)、韓国向け1730トン(同14.3%増)と増加した。

 2013年9月以降、外需の高まりにより上昇した輸出価格(FOB)は、12月から輸出量が減少傾向で推移したことで、1月の同価格は1トン当たり672ユーロ(9万4080円:1ユーロ=143円)と横ばいで推移しているものの、高水準となっている。

 なお、英国農業園芸開発公社(AHDB)によると、2014年のEU域内のばれいしょ(生食用および加工用)の作付けは天候条件に恵まれたことから、全体的に前倒しで進められており、ばれいしょ生産上位5カ国(オランダ、ドイツ、フランス、ベルギー、英国)では、4月中旬までに既に60%の作付けが完了している。

 資料:AHDB 「Euro-Potato」 
 注:4月末日TTS相場
 

化工でん粉

タ イ

【貿易動向】
3月の輸出量、前月比1割増

  2014年3月のデキストリンおよびその他の化工でん粉(以下「化工でん粉など」という)の輸出量は、2013年4月以来10カ月ぶりに7万トンを割り込んだ前月から状況が改善し、7万6700トン(前月比12.6%増)となったが、前年に比べるとやや減少した(前年同月比3.4%減)(図9)。国別に見ると、日本向け2万6800トン(前年同月比12.6%減)、中国向け1万3200トン(同16.5%減)、インドネシア向けは9100トン(同20.1%増)となった。

 同年1〜3月の輸出量は、前年に比べるとやや減少し、21万7400トン(同3.7%減)となった。

 また、同年3月の輸出価格(FOB)は、ほぼ前月並みとなり、1トン当たり719.9米ドル(7万4870円:1米ドル=104円、前年同月比0.3%高)となった。

 注:4月末日TTS相場
 

米 国

【貿易動向】
2月の輸出量、前年同月比やや減少

  2014年2月の化工でん粉などの輸出量は、前年同月比4.3%減の3万3600トンとなった(図10)。国別に見ると、カナダ向けはほぼ前年並みの6600トン(前年同月比0.7%減)となったものの、メキシコ向けが2800トン(同26.9%減)と大幅に減少し、ドイツ向けが3100トン(同10.7%減)、日本向けが3000トン(同8.4%減)、中国向けが2900トン(同9.2%減)とかなり減少した。

 同年1〜2月の輸出量は、前年同期比6.6%減の6万9100トンとなった。国別に見ると、日本向けが7700トンと大幅に減少(同16.0%減)した他、ドイツ向けが5800トン(同15.1%減)とかなり減少した。

 同年2月の輸出価格(FAS)は前月に比べやや上昇し、35.0ドル高(前月比3.8%高)の1トン当たり949.5米ドル(9万8748円:1米ドル=104円、前年同月比1.5%安)となった。

 注:4月末日TTS相場
 

中 国

【貿易動向】
4月の輸出量、前年同月比大幅減

  2014年4月の化工でん粉などの輸出量は、前年同月比24.4%減の8700トンとなった(図11)。国別に見ると、韓国向けが4700トン(前年同月比7.4%減)、日本向けが1000トン(同73.6%減)とそれぞれ減少した。

 同年1〜4月の輸出量は、前年同期比3.8%減の3万7400トンとなり、国別に見ると、韓国向け1万5200トン(前年同期比2.3%減)、日本向け1万1400トン(同3.6%減)となった。

 同年4月の輸出価格(FOB)は、前月に比べ大幅に上昇し、175.5米ドル高(前月比23.4%高)の1トン当たり924.6米ドル(9万6158円: 1米ドル=104円、前年同月比10.6%高)となった。

 注:4月末日TTS相場
 

E U

【貿易動向】
1月の輸出価格、前月並み

  2014年1月の化工でん粉などの輸出量は、前年同月比7.0%増の3万7100トンとなった(図12)。国別に見ると、トルコ向けが7400トン(前年同月比24.0%増)と大幅に増加したほか、中国向けが5900トン(同4.1%増)とやや増加した。ロシア向けは3500トン(同10.5%減)、日本向けは3300トン(同4.0%減)とそれぞれ減少した。

 同年1月の輸出価格(FOB)は、ほぼ前月並みの1トン当たり948.2ユーロ(13万5593円: 1ユーロ=143円、前年同月比0.2%高)となった。

 注:4月末日TTS相場
 

豪 州

【貿易動向】
3月の輸出量、前年同月比大幅減

  2014年3月の化工でん粉などの輸出量は、2011年3月以来およそ3年ぶりに1000トンを割り込んだ前月より大幅に増加したものの、前年の水準を大幅に下回る1020トン(前年同月比20.0%減)となった(図13)。国別に見ると、日本向けが540トン(同27.3%増)と大幅に増加したものの、ニュージーランド向け76トン(同26.1%減)、中国向け12トン(同58.9%減)と大幅に減少した。

 同年1〜3月の輸出量は、前年同期比23.3%減の3200トンとなった。国別に見ると、日本向け1600トン(同10.4%減)、ニュージーランド向け520トン(同16.1%減)、中国向け72トン(同64.7%減)となった。

 同年3月の輸出価格(FOB)は、前月に比べ266.5米ドル高(前月比19.2%高)の1トン当たり1653.7米ドル(17万1985円:1米ドル=104円、前年同月比4.6%安)と2012年 12月以来14カ月ぶりに1400米ドル台を割り込んだ前月から大幅に上昇した。

 注:4月末日TTS相場
 
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