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さつまいもでん粉生産と流通の推移

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最終更新日:2017年3月15日

でん粉情報

[2009年8月]

【話題】

全国澱粉協同組合連合会
会長 市丸 隆二郎


 平素から全国澱粉協同組合連合会の活動に対しまして、関係各位のご協力、ご支援に心から感謝申し上げます。

 全国澱粉協同組合連合会は、昭和28年3月に設立され、以来56年が経過いたしました。

 わが国のでん粉の自給率は、昭和28年農産物価格安定法が制定され、でん粉の過剰傾向が続いたことなどにより昭和30年代までは、100%を達成していました。

 国内の甘しょでん粉の生産量は、昭和38年産の74万トンをピークとして、減産が毎年続く一方、その後低価格のコーンスターチ利用が急速に拡大したことにより国産でん粉の生産量は次第に圧迫され、昭和45年にはでん粉需要の40%となり、コーンスターチがでん粉供給量の50%のシェアを占めるに至りました。

 昭和55年には国内産でん粉のシェアは24%に減少し、コーンスターチが67%を占め19年度では各々10%、84%となっています。

 一方、でん粉の需要は昭和30年代は40万トンから100万トン前後の水準でありましたが、昭和40年代には120万トン〜130万トンになり、昭和50年代に入り、技術革新により異性化糖の生産が本格化して140万トン〜150万トン程度に増大しました。

 現在は285万トン(19でん粉年度)の需要があり、内訳は糖化製品184万トン、化工でん粉40万トン、繊維・製紙・段ボール21万トン、ビール12万トン、水産練製品2.5万トン、食品・医薬品・その他26万トンとなっております。

 でん粉供給量も285万トン(同)で、このうちコーンスターチ242万トン、国産いもでん粉28万トン、輸入でん粉13万トン、小麦でん粉2万トンであります。

 コーンスターチの製造能力の強化や貿易の自由化傾向は、輸入原料でん粉を増大させ、国内産でん粉を圧迫するようになり、政府は、昭和43年から昭和48年3月までの間、輸入とうもろこしに対し、関税割当制度によって糖化用として国内産でん粉と抱き合せ制度を実施しました。

 昭和51年4月には、とうもろこしの関税割当制度が一部変更され、その他用コーンスターチの関税も無税に引き下げられ、国内産いもでん粉との抱き合せの対象が糖化用と併せて、その他用にも拡大されました。この制度は平成18年産甘しょでん粉生産まで続きました。平成17年3月には新たな「食料・農業・農村基本計画」が閣議決定され、農水省は「でん粉及びでん粉原料いも政策の基本方向」をとりまとめました。これを受けてでん粉原料用かんしょに関する経営安定対策が実施されており、現在でん粉原料用かんしょの生産コストの削減が最大の課題となっています。甘しょ農家の高齢化や構造改革の立ち後れが顕著で、零細な生産構造が続いており、労働生産性の向上を図ることが重要であり、農地利用集積による担い手の規模拡大を図ること、また生産組織や農作業受託組織の育成による地域の実情に応じた機械化一貫体系の確立・普及を進め、一層の生産向上を図ることなどが重要となっています。

 甘しょでん粉工場は昭和32年度では1852工場でしたが、昭和35年度1540工場、40年度1239工場、45年度は近代化促進法の指定を受けて362工場、50年度には119工場、56年度には公害排水の規制値が一般基準になったため83工場、60年度には78工場に激減しました。

 平成21年度の操業工場数は19工場となります。

 私たち甘しょでん粉製造事業者に対する政策支援も実施されていますが、甘しょでん粉の製造コストの削減が最大の課題であり、そのためには第一に工場操業率80%以上を確保すること、次に加工経費(約4万5000円、ばれいしょでん粉工場は約2万5000円/トン)を削減すると同時に品質向上(でん粉白度90以上)に努める必要があります。また、優良品種(ダイチノユメ)の普及と歩留りアップによるコスト削減を図ることも大切です。最大の合理化を行うという大前提のもとで政策支援があることを忘れてはならないのです。また、運営の透明性を確保できる工場でなければなりません。

 平成19年度から「いもでん粉供給円滑化対策事業」として、国内産いもでん粉高付加価値化・低コスト化の推進を図る、化工でん粉等製造技術の確立、甘しょでん粉工場の製造工程管理の高度化、国内産いもでん粉工場の排水対策強化を図る事業を推進しています。しかし、将来のいも作の不安からか、一部の工場を除き制度を十分利用していないように考えられます。

 本年度は、新制度(調整金制度)が発足して3年目の操業を迎えることとなります。

 でん粉工場は売れる製品作りに努力する必要に迫られています。まず品質向上が第一であり、ユーザーやまた消費者に喜んで買っていただける製品を作るという強い意識を持つことが必要です。

 さらに、製造工程では、でん粉乳液が外部と接触しないことによる品質向上と自動化を推進していくことが、製品の品質向上と同時に、加工経費の削減につながります。製品の均一化は、全工場で取り組んでいかねばなりません。

 かんしょは、シラス土壌で、かつ台風の常襲地帯である、南九州畑作農業地帯の基幹作物として重要な役割を担っており、かんしょを原料とするでん粉企業は、地域経済の振興・畑作農業の安定のために大きな役割を果たしてきていますが、かんしょ生産農家、でん粉工場とも零細規模のものがほとんどで生産構造は弱いのが現状です。

 しかし、国民負担の軽減の観点からも、生産コストの低減が重要な課題であると認識しています。

 地球規模での異常気象で、平成15年以来さつまいもは不作が続いています。

 工場も適正な排水処理により、工場周辺の環境保全に細心の注意を払っていかねばなりません。

 今後とも関係各位のご指導とご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713



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