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「さつまいもでん粉応援プロジェクト」が始動!

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最終更新日:2017年4月10日

「さつまいもでん粉応援プロジェクト」が始動!

2017年4月

鹿児島事務所

1.プロジェクト立ち上げの経緯

 南九州地方(鹿児島県および宮崎県)において、かんしょは地域農業にとって欠かせない基幹作物であり、鹿児島県は、全国の生産量の約4割を占める日本一の産地です。また、同県は、生産されるかんしょの約4割がでん粉原料用に仕向けられるなどでん粉の産地としての一面も持ち合わせ、水あめや異性化糖などの糖化製品への原料供給に重要な役割を果たしています。しかし、一般に市販されているでん粉のほとんどが、ばれいしょでん粉(片栗粉)やコーンスターチであることから、かんしょでん粉について(1)私たちの食生活に深く根付いていること(2)鹿児島県が産地であること─などが消費者にはあまり認知されていないのが現状です。

 そこで、鹿児島県さつまいもでん粉食品用途拡大推進協議会(注1)、鹿児島県、鹿児島県さつまいも・でん粉対策協議会(注2)と当機構の4者は、消費者への認知度向上を図るとともに、家庭料理でのさまざまな活用方法の提案を通じたかんしょでん粉の消費・用途の拡大を図ることを目的とした共同のプロジェクトを平成28年度に立ち上げました。

 プロジェクトの名称は、かんしょを「さつまいも」と呼称することが消費者に広く定着していることを踏まえ、親しみやすさと分かりやすさを込めて、「さつまいもでん粉応援プロジェクト」(以下「プロジェクト」という)に決定しました。

(注1) 鹿児島県で生産されるかんしょでん粉を、鹿児島県内を中心に食品用へ利用促進することを目的として、平成25年7月に設立された協議会。事務局は、JA鹿児島県経済連(農産事業部米穀特産課)。
(注2) 鹿児島県の原料用かんしょおよびかんしょでん粉の生産・流通等に係る基本方針を一体的に推進し、かんしょ生産農家の所得向上と関連産業の経営安定を図ることを目的に設立された協議会。事務局は、鹿児島県農政部農産園芸課。

2.平成28年度の活動報告

 初年度の取り組みは、平成29年2月4日(土)、鹿児島市内のキッチンスタジオにおいて、抽選で選ばれた13人の消費者を対象に、かんしょでん粉が使われている市販の春雨やパン、従来のかんしょでん粉より約20度低い温度(56〜58度)で糊状になるなどの特長を持つ新品種「こなみずき」のでん粉を使って、料理教室を開催することとしました。料理教室の開催に当たり、同県在住の料理研究家である本田かおり先生(注1)から、この日のために「冬を楽しむワンプレート料理&口溶けスノーボール〜さつまいもでん粉を使った料理教室〜」と題したかんしょでん粉を使ったメニュー4品(注2)を考案いただきました。

 同イベントでは参加者が「見て、知って、食べて」を体験できるよう、本田先生の料理プログラムのほか、当機構鹿児島事務所長のでん粉の価格調整制度に関するミニ講演、特性の異なる3種類のでん粉の試食やかんしょでん粉関連の食品展示も行いました。

 今回提供した4品のメニュー全て参加者に大変好評で、「鹿児島県産のものなので、積極的に広めていきたい」「おいしくて簡単だったので周囲にも紹介したい」といった声も多数寄せられたことから、今後、口コミなどを通じて、かんしょでん粉に対する関心が高まり、消費拡大につながることを期待するところです。

 なお、家庭での実施の意向についてアンケートを行ったところ、参加者全員が「(家庭でも)ぜひ料理してみたい」との回答でした。

(注1) 本田かおり先生のプロフィール 栄養士免許、栄養教諭2種免許。現在、JAグループ鹿児島の複合型商業施設「たわわタウン谷山」(鹿児島市)で月1回料理教室「Smile Dish」を主宰するほか、子供料理教室、鹿児島食材推進の料理教室や住宅展示場(薩摩川内市)での料理教室なども開催している。
(注2) レシピは、機構ホームページ「地方事務所だより 〉 鹿児島市内にてかんしょでん粉に関する料理教室を開催(さつまいもでん粉応援プロジェクト)」に掲載しています。

写真1 本田先生による実演の様子(左)と完成した料理(右)

写真2 ミニ講演の様子(左)、試食(中央)、展示の様子(右)

3.今後の取り組みについて

 平成29年度の取り組みについては、PRするターゲットを絞るなどの改善を図りつつも、引き続き、一人でも多くの方に「かんしょでん粉」の魅力を伝え、ファンになっていただけるようプロジェクトメンバー全員で知恵を出し合い、創意工夫を凝らした取り組みを実施してまいりたいと考えております。

 当機構鹿児島事務所としては、この取り組みを通じて、かんしょでん粉の家庭料理における利用が進むことに期待するとともに、でん粉の価格調整制度の周知にも努めてまいります。

 最後に、今回のイベントの開催に当たり、ご協力いただきました本田先生、イベントの司会を担当していただいた鹿児島県くみあい開発株式会社重信朋美さまおよび関係者の皆さまに改めて感謝申し上げます。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713