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菓子の輸出拡大に向けて〜国内産いもでん粉の需要拡大の視点から〜

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最終更新日:2017年11月10日

菓子の輸出拡大に向けて〜国内産いもでん粉の需要拡大の視点から〜

2017年11月

調査情報部 坂上 大樹、根岸 淑恵

【要約】

 日本の菓子は、品質の高さ、味のバリエーションの豊富さ、食べやすさを意識した包装、パッケージデザインの可愛らしさなどが高く評価され、輸出額は2012年からの5年間で倍増した。菓子の輸出拡大に伴い、国内産いもでん粉の需要の拡大が期待される。

はじめに

 わが国の農林水産物・食品の輸出額は、「2016年に7000億円」とする中間目標を1年前倒しで達成し、最終目標の「2019年に1兆円」の達成に向けて順調な進捗を見せている。2017年は、8月現在で前年同期比5.5%増となっており、このまま推移すれば、5年連続で過去最高額を更新することが期待される。

 近年では、米国における好景気などを背景に、同国向けの牛肉の輸出額が4年連続で前年比2桁以上の上昇率を記録し、21億円となり、大きく伸びていると言えるが、従前、香港、台湾、中国、韓国などのアジア向けの輸出が中心で、全体をけん引するのは水産物と加工食品である。中でも菓子は、長距離輸送・長期保存が可能な上、品質の高さ、味のバリエーションの豊富さ、食べやすさを意識した包装、パッケージデザインの可愛らしさなどが高く評価され、加工食品全体の約1割を占める主要な輸出産品となっている(図1)。

図1 農林水産物・食品の輸出額の品目別内訳(2016年)

 農林水産省「農林水産物輸出入統計」を見ると、菓子の輸出額は、リーマンショックによる円高や、東日本大震災の影響などで一時的に落ち込んでいたものの、その後は順調に増加し、2016年は約220億円と、2012年からの5年で2倍近くまで拡大している(図2)。輸出量では、チョコレート菓子、キャンディー類、米菓が多い。

 こうした中、これまで国内市場を中心に販売を展開していた菓子メーカーも、わが国の人口減少社会の到来による将来的な国内消費の減少を見据え、輸出に活路を見いだそうとしている。そこで本稿では、国内産いもでん粉を使用する菓子メーカーにおける輸出の取り組みの一例を紹介するとともに、今後の課題と輸出拡大の可能性について考察する。

図2 菓子の輸出量および輸出額の推移

1.岩塚製菓株式会社の事例

 岩塚製菓株式会社(新潟県長岡市、以下「岩塚製菓」という)は、国産原料と品質にこだわりを持ちながら、手ごろな価格で供給する技術力・販売力を兼ね備え、米菓の売上高第3位(2016年現在)の実力を誇る。

 わが国の米菓市場は近年、年間生産量22万トン前後、2500億円程度の市場規模で推移しているが、食ニーズの多様化や少子高齢化などにより縮小傾向にあるのが実態である。また、インターネット通販やディスカウントストアなどが流通業の一角を占める昨今、価格訴求力のある商品への需要が高まっており、価格競争に太刀打ちできない中小の米菓メーカーの廃業が相次いでいる。こうした厳しい経営環境の中、同社は、既存商品の売れ行きが好調な上、世代別にターゲットを絞ったマーケティング戦略が功を奏し、2016年度は過去最高となる230億円の売上高を達成している。

(1)経営戦略〜価格訴求よりも価値追求〜

 米菓を大別すると、「せんべい」と「おかき」に分類され、前者はうるち米、後者はもち米を原材料とする。かつて両者の市場シェアは同程度であったというが、バブル経済の崩壊以降、消費者の低価格志向の強まりとともにせんべいの比率が高まっている。これは、おかきはせんべいと比べ製造期間が 4〜7日長く、生地の粘り気が強いため焼き上げ後の膨らみがいびつになりやすい特性があることから、メーカーにとっては製造を自動化しにくく、採算を確保するのが非常に難しくなっていることが要因として挙げられる。しかし、岩塚製菓は「消費者のおかきに対するニーズは今も、昔も変わっていない」という槇社長の考えの下、むしろおかきの製造ラインや技術開発への投資を惜しまず、新商品を次々と投入し、商品ラインアップを強化する姿勢を鮮明にしている。

 また、米本来の豊かな風味を損なわせないため、原材料となる米は国内の産地から直接仕入れて自社工場で製粉加工するなど、おいしさと品質へのこだわりも、1947年(昭和22年)の創業以来守り続けている。近年、以前と比べ軽い食感のものを好む消費者の嗜好を反映し、硬さを抑えるため、でん粉を使用する機会が増えたというが、「農産物の加工品は、原料より良いものはできない」というモットーの下、副原料にも強いこだわりを持ち、北海道産のばれいしょでん粉を仕入れている(写真1)。

写真1 北海道産ばれいしょでん粉を使用した米菓(一例)

 このように、消費者ニーズにしっかりと耳を傾け、価値を追求した人・モノ・カネの投下により、同社は「おかき」カテゴリーの売上高で2012年から5年連続第1位を獲得している。

(2)輸出戦略〜現地菓子メーカーの販売網の活用〜

 岩塚製菓は、中国を代表する総合食品メーカー「旺旺(わんわん)」の販売網を活用して自社商品を台湾へ売り出す計画だ。インバウンド需要の増加により、同社の商品認知度の向上に手ごたえを感じているからである。

 旺旺は、もともと台湾で水産加工業を営む小さな会社であったが、1980年代初めごろ、岩塚製菓から技術提供を受けたことを機に菓子メーカーに転身、その後、巧みなプロモーション戦略で日本独自の菓子「せんべい」を台湾、中国本土でヒットさせ、現在、中国に本社を置き、米菓のみならず、スナックや飲料、乳製品の製造も手掛ける。旺旺の米菓は、日本のものと比べかなり軽い歯応えで、表面を砂糖でコーティングするなど甘めな味付けとなっており、台湾の米菓市場で約9割のシェアを持つといわれている。その主力商品は、岩塚製菓の商品を手本に開発されたものであるが、来日した台湾の観光客には旺旺の米菓を岩塚製菓がまねて製造していると勘違いされることが多いといい、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などを通じて岩塚製菓の商品が取り上げられる機会が増えている(写真2)。

 また、日本人の嗜好の変化に対応した軽い歯応えの商品が、台湾の消費者に受け入れられるようになったことも輸出展開の決断を後押しした。このことから、SNSで取り上げられた商品を中心に硬さを抑えた米菓を売り込む予定である。

 槇社長は「旺旺のおかげで、“米菓”というカテゴリーが幅広い年代・層に認知されていることから、品質に優れる日本の米菓が受け入れられる余地は大きい」としながらも、「現在、日本の米菓は、百貨店などごく限られた店舗でしか取り扱われておらず、日本の米菓に対する認知度はまだまだ低い。われわれは、旺旺の強固な販売網を後ろ盾に、現地の消費者が日常的に利用するスーパーマーケットなどに陳列されることを目指す」と語る。また、台湾におけるメイド・イン・ジャパンに対する高い信頼を生かし、「原材料表示以外は日本語で表記し、パッケージデザインも日本で販売されているものと同じにする」と言う。

 同時に、米国への売り込みを視野に入れ、グルテンフリー(注)商品の開発も進めている。グルテンフリーは、欧米を中心に今後も成長拡大が期待される有望なマーケットの一つであり、すでに日本の大手米菓メーカーが参入している。米国でのテスト販売を通じ、米菓は、グルテンフリー、低脂肪、低カロリーでヘルシーな食品として認知され始めていると言い、アジア系の人種が多く住み、米を食する文化がある西海岸を中心に需要があると見ている。同社の試算では、米国国内に400億円規模の米菓市場があると見込む。


 米国向けの商品のコンセプトは、日本や台湾向けの商品のものとは明らかに異なる。米国の消費者は、日本の米菓のように硬すぎるものは受け入れられないが、台湾向けの商品のように軽い歯応えでは物足りなさを感じるようである。また、焼き色が付いたものも評判が良くない。そのため、クラッカーのように全体的に白っぽく、米の粒感を程よく残した見た目で、多少歯応えはあるものの、雑穀を生地に練り込むことでほのかな穀物の風味を利かせ、健康感の高い商品に仕上がっている。年内には、本格的な米国向け輸出に先立ち、広がりの兆しを見せつつある日本国内のグルテンフリー市場に、同様の商品を投入する計画だ(写真3)。

(注)小麦アレルギーやセリアック病(小麦や大麦に含まれるグルテンに対する過敏症を主な症状として生ずる自己免疫疾患)の患者向けの食事療法として欧米で始まったものである。欧米におけるセリアック病の正確な有症率ははっきり分かっていないものの、米国食品医薬品局(FDA)の推計では、約300万人の米国人がこの病気に苦しんでいるとされる。この疾患に対する一般的な対処法は、食事から一切のグルテンを除去することといわれていることから、患者にとってグルテンフリーであることが食生活において非常に重要な意味を持つこととなる。

写真2 旺旺が手本にした岩塚製菓の米菓

写真3 米国向けに開発した商品(写真は日本向けの仕様)

 槇社長は「事業展開に当たっては、単なるスナック菓子の一つとして売り込むのではなく、世界で“SAKE”の呼び名で親しまれている日本酒のように、日本を象徴する食文化“BEIKA”という新しい概念を提案していきたい。将来的には、米菓の売上高の半分を占める事業に成長させる」と意気込む。

2.池田食品株式会社の事例

 池田食品株式会社(北海道札幌市、以下「池田食品」という)は、原材料・品質・味へのこだわりに加え、生産者と一体となって安全・安心で高品質な原材料の安定生産にも取り組むなど、地域に密着した商品づくりを展開している。

 同社は、もともと豆菓子を製造する企業であったが、地元の人々から信頼の厚かった先代が、廃業していく同業者から事業を託される形でボーロやかりんとうなどの製造を手掛けるようになった。事業を引き継ぐに当たっては、伝統の味を絶やさないという思いから、製法や設備のほか、商品名や屋号もそのまま受け継いでいるため、今はなき会社の商品が同社の職人の手を介して現在も作り続けられている。

(1)経営戦略〜北海道産にとことんこだわった商品づくり〜

 「北海道の愛されるおやつ」を目指し、原材料には北海道産に強いこだわりを持ち、ばれいしょでん粉、大豆、粉乳、砂糖は北海道産のものしか使わない。このため、原価抑制が求められるOEM生産は一切行わない方針である。作況により原材料が調達できなければ、北海道産以外から調達することなく製造を休止する徹底ぶり。さらに、札幌市周辺の大豆生産基盤を支えるため、栽培の難しさなどから流通が途絶え、幻の大豆と言われていた「黒千石大豆」を原材料に使用するなど、生産者と一体となった販売を通じて、地域農業の振興にも関わっている。「今後も原材料を生産する農家の顔や思いが感じられる場所・範囲で商品を作り続けたい」と池田社長は語る。やむを得ず海外産のものを使わざるを得ない場合は、現地に直接足を運び、品質の安全性を確認するなど、安全・安心への配慮に手を抜かない。

 また、北海道でボーロ製造を手掛ける唯一の会社という特色を生かすため、ボーロには小麦粉ではなく、ばれいしょでん粉を使用している。シンプルな原材料で作り上げるゆえ、製造には手間がかかるというが、小麦粉を使用したものと比べ白っぽく、口溶けの良さが特徴である(写真4)。乳幼児向けのおやつとしてのイメージが強いボーロであるが、かむ機能が低下した高齢者向けの菓子として注目されており、高齢者施設やリハビリ施設などからの引き合いが生まれている。

写真4 北海道産ばれいしょでん粉を使用したボーロ(写真提供:池田食品)

(2)輸出戦略〜商機を逃さない柔軟な対応〜

 本格的な輸出を開始したのは9年前、札幌市などが主催した輸出促進を目的とする商談会に参加したのがきっかけ。当時は中国で起こったメラミン混入粉ミルク事件が尾を引いていたこともあり、香港のバイヤーから同社のボーロを粉ミルクの代用として輸入したいと打診され、すぐに商談成立、初年度(2010年度)は50キログラム程度(製品ベース)を輸出した。池田社長は、一度きりの取引で終わらせないため、札幌市などから支援を受けて何度も現地に赴き、百貨店やスーパーマーケットの売り場で直接消費者に商品をPRしながら担当バイヤーとの信頼関係を構築した。その結果、品質の高さと味の良さが現地バイヤーの人的ネットワークを通じて広がり、大口の受注につながった。

 また、直面した課題への克服をテコに新規需要の開拓につなげている。従来のボーロの賞味期限は6カ月であるが、工場を出荷してから現地の小売店の店頭に並ぶまで2カ月程度かかる上、賞味期限の2カ月前のものは店頭から撤去するという現地の商慣習もあるため、販売できる実質の期間が2カ月もない売り場もあった。そこで、全社員一丸となって知恵を出し合い、試行錯誤を繰り返した結果、気密性に優れた包装方法に変更したことで賞味期限を9カ月以上確保することに成功、輸出量を変更前と比べ約3倍に増やすことができた(写真5)。

 さらに、観光地としての“HOKKAIDO”がアジアの人々を中心に広く浸透し、訪日外国人が増加したことも追い風になっている。同社の商品を土産として購入した中国の観光客が帰国してから現地の小売店で同社の商品を何度も購入しており、輸出戦略を支える重要な顧客となっていることが分かった。これを受け、海外のバイヤーへの積極的な売り込みと並行して、購入しやすいよう少量サイズの商品を展開したり、北海道の物販イベントに積極的に参加したりするなど、外国人観光客を取り込む仕掛けづくりを模索している。

 これらの取り組みにより現在、香港のほか、中国本土、米国にも輸出され、輸出量はボーロ2800キログラム、豆菓子5400キログラムで、売上高の1割を占め、会社の長期的な成長を支える柱の一つとなりつつある。

写真5 気密性を高めた包装

写真6 海外の展示会に出展した様子(写真提供:池田食品)

3.菓子輸出の課題と今後の展望

 世界的な和食ブームや日本文化の浸透を追い風に、菓子の輸出拡大の好機であることに疑いはないが、当然ながら海外の消費者に無条件に受け入れられるというものではない。輸出する国・地域の食文化やニーズを踏まえた()(みつ)な戦略が求められる。

 菓子の輸出拡大に向け業界横断的な活動を行う一般社団法人全日本菓子輸出促進協議会(東京都港区)の常務理事 安藤氏いわく、「国内に流通する菓子のうち、海外でそのまま通用するものはごくわずか」と言う。例えば、アジアでは日本製の信頼の高さからパッケージにデザインされた文字は日本語であることが求められるが、欧米では日本語で表記されたものは受け入れられない。また、アジアでは甘いものや色味がはっきりしたものが好まれるが、欧米では健康や美を意識したもの、食シーンがはっきりしているものなど明確なコンセプトがなければ売れない。さらに、“米国”とひとくくりに言っても、地域ごとに食文化や、人種構成が異なるため、限られた地域・都市でしか売れないケースが多々ある。見落とされがちであるが、海外に輸出しようとするときに、輸出先国の第三者が商標権を所有していることが判明したり、輸出先国における添加物や食品流通に関する規制により輸出できなかったりすることがよくあることから、現地の情報を事前に収集することも欠かせない。しかし、これらの対応によって新たな設備投資が必要で、コストがかさむ可能性があり、中小の菓子メーカーにとっては輸出へのハードルが高いのが実情である。

 品質や安全・安心に対するニーズは世界共通である。今回紹介した2社の原材料に対する強いこだわりは、「日本らしさ」を表現・象徴する付加価値そのものであると言え、価格が高くても信頼性のあるものを買おうという消費者のニーズをしっかりとつかんでいる。このため、品質に対するニーズが世界で最も高いといわれる日本の消費者を満足させるような質の良い商品を作り続けていくことが輸出戦略の第一歩なのではないかと感じる。

 このことから、インバウンド需要への対応は、海外展開のための現実的かつ有効な足がかりとなり得る。最近の外国人観光客の消費の関心が、「爆買い」に代表される「モノ消費」から体験や観光を重視する「コト消費」にシフトしているという見方もあるが、観光庁の最新の統計を見る限り、訪日外国人の消費額は、依然として買い物代の割合が高い(図3)。また、菓子類は、訪日外国人の約6割が購入している()。こうした状況下、訪日外国人に対する情報発信を強化することで、海外ニーズを的確に把握し、口コミを通じた海外市場での知名度やイメージの向上を図ることが重要である。このことはまた、国内需要の掘り起こしにつながるものと思われる。

図3 訪日外国人の費目別旅行消費額の推移

表  訪日外国人の品目別購入率および購入単価(2016年)

4.国内産いもでん粉の需要拡大の可能性

 農林水産省は、米・米加工品の輸出額「600億円」を目指す政府目標の下、米菓を含めた米の輸出力強化に向けてさまざまな施策を講じている。2017年9月には、政府目標の確実な実現に向けた新たなプロジェクトを立ち上げ、既存の施策との両軸で米輸出の拡大に資する取り組み(注)を強力に後押しする方針を示している。輸出を目指す米菓メーカーにとっては、海外展開しやすい環境が整いつつあり、今後さらに米菓の輸出に弾みがつくとみられる。

 同時に、前述の通り、アジアや米国で好まれる米菓は、軽い歯応えのものが中心であることから、食感を改良する目的としてでん粉の需要が増えていくことが期待される。現在、国内産いもでん粉の菓子への仕向け量は約1割程度である(図4)。国内産いもでん粉は、古くから繊細で豊かなわが国の食文化を支えており、品質にも優れることから、「日本らしさ」や品質の良さをアピールしたいメーカーなどからの引き合いが増え、この割合が高まることを期待したい。

(注)新たなプロジェクトは、主食用米のほか、米菓、日本酒なども対象に含まれる。

図4 国内産いもでん粉の用途別販売数量(平成27でん粉年度)

おわりに

 東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い日本の農林水産物・食品の輸入規制を措置してる国・地域は、政府などの働きかけにより減りつつあるが、2017年10月現在、31カ国・地域が輸入規制を継続している。中でも主要な輸出先である台湾、中国は、一部地域の食品全てを輸入停止にしており、緩和・廃止の見通しやめどが立たない状況にある。こうした中、一般社団法人全日本菓子輸出促進協議会とその会員メーカーは、東南アジアの市場開拓を模索し始めている。価格面や商慣習、宗教上の理由から使用できる原材料が制限されるなどクリアすべき課題が多く、手探りの段階であるが、現地の展示会やバイヤーを招聘(しょうへい)した商談会では確かな手ごたえを感じている。こうしたことから、日本の菓子の品質の高さとおいしさは、世界にも通用する強みであることは間違いなく、今後も日本の農林水産物・食品の輸出拡大をけん引する役割を果たすことに変わりはないだろう。

 輸出の伸長に伴い増加が期待されるでん粉需要に応えていくため、これまで以上に国内産いもでん粉の安定供給の確保に努めていかなければならない。当機構としてもその実現に向け、産地関係者と連携を図りながら、引き続き、生産者の経営安定に資する取り組みを推進していきたい。

 最後に、今回の調査にご協力いただいた関係者の皆さまに改めて感謝申し上げます。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272