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2. 日本の品目別主要輸入先国の動向

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最終更新日:2021年1月12日

2. 日本の品目別主要輸入先国の動向

2021年1月

 本稿中の為替レートは2020年11月末日TTS相場の値であり、1米ドル=105円(104.89円)、1タイバーツ=3.52円、1ユーロ=126円(125.88円)である。

トウモロコシ・コーンスターチ

世界

【需給動向:トウモロコシ】
2020/21年度の世界のトウモロコシ期末在庫量、前月予測からわずかに下方修正し、前年度比4.8%減

 2020年12月10日、米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は、2020/21年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表2)。

 これによると、2020/21年度の世界のトウモロコシ生産量は11億4356万トン(前年度比2.5%増、前月比0.1%減)へわずかに下方修正された。国・地域別に見ると、単収の増加によりウクライナで100万トン上方修正されたが、ラニーニャ現象による乾燥気候の影響を受けて作付面積が減少するアルゼンチンで100万トン、ブルガリアの生産量が下方修正されたEUで50万トン、単収の減少によりカナダで44万トン下方修正された。しかし、米国(3億6849万トン、前年度比6.5%増)およびブラジル(1億1000万トン、同7.8%増)で前年度の生産量を上回ることから、依然として記録的な生産量となることが見込まれている。

 輸出量は、世界全体で1億8597万トン(前年度比8.6%増、前月比0.6%増)へわずかに上方修正された。国別に見ると、ウクライナは生産量の上方修正や、中国向け輸出量の増加見込みを受けて150万トン上方修正された。輸入量は、世界全体で1億7957万トン(同8.6%増、同0.8%増)へわずかに上方修正された。国別に見ると、アフリカ豚熱からの回復が進み、飼料向け需要が増加し、トウモロコシの国内価格が上昇している中国の輸入量が350万トン上方修正された。

 消費量は、世界全体で11億5801万トン(同2.2%増、同0.1%増)へわずかに上方修正され、生産量を1445万トン上回ることとなった。国別に見ると、中国の消費量が輸入量と同程度の350万トン上方修正された。

 期末在庫は、世界全体で247万トン下方修正された結果、2億8896万トン(同4.8%減、同0.8%減)と見込まれている。国別に見ると、ブラジルで50万トン、輸出量の増加が見込まれるウクライナで27万トン下方修正された。

 

米国

【需給、価格動向:トウモロコシ】
2020/21年度の米国トウモロコシ需給予測、前回と変化なし

 2020年12月10日、USDA/WAOBは、2020/21年度(9月〜翌8月)の米国の主要農作物需給予測値を更新した。このうち、米国のトウモロコシ需給見通しは、前回と変化なく、次の通りである(表3)。

 国内生産量は前回と変わらず、145億700万ブッシェル(3億6849万トン(注)、前年度比6.5%増、前月同)と予測されており、これまでの統計で最も生産量の多かった2016/17年度の151億4800万ブッシェル(3億8477万トン)をやや下回る過去2番目の水準となっている。

 国内消費量は、飼料など向けが前年度比2.2%減となる一方、食品・種子・その他工業向け(エタノール向けを含む)が同3.1%増となり、全体では121億7500万ブッシェル(3億926万トン、同0.5%増、前月同)と予測されている。

 輸出量は、中国向けの輸出量が増える見込みであることなどから、26億5000万ブッシェル(6731万トン、同49.0%増、前月同)と予測されており、記録的な輸出量となる見通しである。

 期末在庫は、輸出量が前年を大幅に上回ることから、17億200万ブッシェル(4323万トン、同14.7%減、前月同)と予測されており、2013/14年度以来の低水準となる見通しである。その結果、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は11.5%(同2.9ポイント減、前月同)となっている。

 また、生産者平均販売価格は前月と変わらず、1ブッシェル当たり4.00米ドル(420円。1キログラム当たり16.5円)と予測されている。

(注)1ブッシェルを約25.401キログラムとして農畜産業振興機構が換算。

表3

【貿易動向:トウモロコシ】
9月の輸出量、前年同月から大幅に増加するも、前月から大幅に減少

 2020年9月のトウモロコシ輸出量は、381万2999トン(前年同月比84.8%増、前月比16.2%減)と前年同月から大幅に増加したものの、前月より大幅に減少した。同月の主要国別輸出量は、表4の通りである。

 また、同月の輸出価格(FAS(注))は、1トン当たり174.3米ドル(1万8302円、同8.2%安、同4.4%高)と前年同月からかなりの程度下落したものの、前月よりやや上昇した。

(注)Free Alongside Shipの略。貨物を船側に付けた段階で支払われる価格。FOB価格と異なり、横持ち料(倉庫間の移動費)、積み込み料などは含まれない。




【貿易動向:コーンスターチ】
9月の輸出量は前年同月からは大幅に、前月からはかなり大きく増加

 2020年9月のコーンスターチ輸出量は、1万6110トン(前年同月比69.4%増、前月比11.5%増)と前年同月からは大幅に、前月からはかなり大きく増加した。同月の主要国別輸出量は、表5の通りである。

 同月の輸出価格(FAS)は、1トン当たり528.0米ドル(5万5440円、同24.8%安、同2.1%安)と前年同月からは大幅に、前月からはわずかに下落した。

 なお、米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、同国の代表的市場の一つである中西部市場における2020年9月の製粉業者の純費用は、1ポンド(注)当たり5.33セント(5.6円、前年同月比17.8%安、前月比19.8%高)と前年同月から大幅に下落したものの、前月より大幅に上昇した。

(注)1ポンドは約0.45キログラム。


タピオカでん粉

タイ

【生産動向】
新年度(2020/21年度)の需給予測、生産量は前年度からかなりの程度増加する見込み

 タイ農業協同組合省農業経済局(OAE)の2020年11月現在の予測によると、2020/21年度(10月〜翌9月)のキャッサバの収穫面積は886万ライ(142万ヘクタール(注)、前年度比1.8%増)と増加し、単収も1ライ当たり3.27トン(同4.1%増)と増加することから、生産量は2898万トン(同6.0%増)と前年度からかなりの程度増加すると予測されている(表6)。

(注)1ライを約0.16ヘクタールとして農畜産業振興機構が換算。
 

【価格動向】
国内価格、前年同期からやや上昇

 タイタピオカでん粉協会(TTSA)によると、2020年12月第2週のタピオカでん粉の国内価格は、1キログラム当たり13.5バーツ(48円、前年同期比3.8%高、前週同)と前年同期からやや上昇した(図3)。2018年末以降、価格は比較的安定して推移しているが、キャッサバチップ価格の上昇(注)に伴い、2020年10月以降は上昇傾向にある。

(注)2020年4月以降は、タイ国内でキャッサバの生産量が少ない時期に当たり、海外でのキャッサバ製品(中国におけるエタノール用途など)の需要が高まっていることから、キャッサバチップの卸売価格は上昇傾向にある。

図3

【貿易動向】
10月の輸出量、前年同月からはわずかに、前月からはやや増加

 2020年10月のタピオカでん粉輸出量は、22万9347トン(前年同月比2.7%増、前月比3.9%増)と、前年同月からはわずかに、前月からはやや増加した。同月の主要国別輸出量は、表7の通りである。

 同月の輸出価格(FOB・バンコク)は、1トン当たり450.0米ドル(4万7250円、同1.1%安、前月同)と、前年同月からわずかに下落したものの、前月と同程度であった。

表7

図 タイのタピオカ

ベトナム

【生産動向】
2020年のキャッサバ作付面積、前年からほぼ横ばいで推移する見込み

 ベトナムの農業農村開発省(MARD)によると、2020年におけるキャッサバの作付面積は51万6400ヘクタール(前年比0.6%減)と前年からほぼ横ばいで推移する見込みである。しかし、ベトナムの調査会社AgroMonitorは、今年もキャッサバモザイク病(注)の発生が確認される中、キャッサバの収益性が代替作物(トウモロコシやサトウキビなど)よりも高かったことから、ダクラク省やタイニン省などの主要生産地において、キャッサバの作付面積は前年から10%程度増加すると予測している。

(注)ウイルスの感染によって葉に黄化斑ができる病気で、光合成が十分に行われず、最終的には作物自体が枯れてしまうことから、収穫量が大幅に減少する。ベトナムのほかに、近隣国のタイ、カンボジアでも流行している。

【貿易動向】
10月の輸出量は前年同月および前月から大幅に増加

 AgroMonitorによると、2020年10月のタピオカでん粉輸出量は、19万4584トン(前年同月比18.3%増、前月比16.0%増)と、前年同月および前月から大幅に増加した。同国の主要国別輸出量は、表8の通りである。
 

表8

図 ベトナムのタピオカでん粉

ばれいしょでん粉

EU

【貿易動向】
9月の輸出量、前年同月からはかなり大きく、前月からは大幅に増加

 2020年9月のばれいしょでん粉輸出量(注)は、2万2822トン(前年同月比14.2%増、前月比27.4%増)と前年同月からはかなり大きく、前月からは大幅に増加した。同月の主要国別輸出量は、表9の通りである。

 また、同月の輸出価格(FOB)は、1トン当たり669ユーロ(8万4294円、同12.6%安、同0.5%安)と前年同月からはかなり大きく、前月からはわずかに下落した。

(注)EU27カ国の輸出量。輸出先の不明なものを除

表9

図 EUのばれいしょでん粉

コラム 2019年のでん粉生産量は前年と同程度(EU)


 スターチヨーロッパ(Starch Europe〈注〉)によると、2019年のEUのでん粉生産量は前年と同程度の1070万トンであった。生産量は2004年に870万トンであったことから、長期的には大幅に増産していることが分かる。 EUのでん粉は主にトウモロコシ、小麦およびばれいしょを原料としており、種類別でん粉の生産割合を見ると、コーンスターチが全体の45%と最も多く、次いで小麦でん粉が41%、ばれいしょでん粉などが14%となっている(コラム−図1)。

(注)スターチヨーロッパは、2020年12月現在で、EU19カ国のでん粉製造企業28社が加盟する業界団体である。EUのでん粉生産量のうち95%がスターチヨーロッパの加盟企業で生産されている。

 また、2019年のEUのでん粉消費量は920万トンであり、主な用途はコラム−図2の通りである。食品向けが56%と半数以上を占めており、非食品向けが41%、飼料向けが3%となっている。

 LMC International(農産物の需給などを調査する英国の民間調査会社)によると、EUでは小麦でん粉の需要量が、配送の際に使われる包装や製紙など向けで堅調に推移してきた。2020年は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を防ぐために各地で都市封鎖(ロックダウン)が行われた影響で、通信販売の利用者が増加し、段ボールなどの需要量が一時的に増加した。しかし、経済が低迷している影響は避けられず、主に食料品関係以外の小売業で段ボールの需要量が減少し、それに伴い製紙用途を中心に、小麦でん粉の需要量も減少すると懸念されている。
 




 

化工でん粉

 デキストリンおよびその他の化工でん粉(以下「化工でん粉」という)の主要輸出国による主要仕向け先国別輸出量および輸出価格は以下の通りである。

タイ

【貿易動向】
10月の輸出量、前年同月からかなりの程度減少するも、前月よりわずかに増加

 2020年10月の化工でん粉の輸出量は、8万7267トン(前年同月比8.5%減、前月比2.3%増)と前年同月からかなりの程度減少したものの、前月よりわずかに増加した。同月の主要輸出先国別の輸出量は、表10の通りである。

表10

図 タイの化工でん粉

米国

【貿易動向】
9月の輸出量、前年同月および前月からわずかに増加

 2020年9月の化工でん粉の輸出量は、2万4686トン(前年同月比2.5%増、前月比1.8%増)と前年同月および前月からわずかに増加した。同月の主要国別輸出量は、表11の通りである。

表11

図 米国の化工でんぷん

中国

【貿易動向】
10月の輸出量、前年同月からは大幅に、前月からはかなりの程度増加

 2020年10月の化工でん粉の輸出量は、7029トン(前年同月比23.4%増、前月比6.7%増)と前年同月からは大幅に、前月からはかなりの程度増加した。同月の主要輸出先国別の輸出量は、表12の通りである。

表12

図 中国の化工でん粉

EU

【貿易動向】
9月の輸出量、前年同月からはかなりの程度、前月からは大幅に増加

 2020年9月の化工でん粉の輸出量(注)は、5万3365トン(前年同月比8.7%増、前月比16.4%増)と、前年同月からはかなりの程度、前月からは大幅に増加した。同月の主要輸出先国別の輸出量は、表13の通りである。

(注)EU27カ国の輸出量。輸出先の不明なものを除く。

表13

図 EUのでん粉

豪州

【貿易動向】
9月の輸出量、前年同月からかなりの程度減少するも、前月より大幅に増加

 2020年9月の化工でん粉の輸出量は、1923トン(前年同月比9.7%減、前月比22.3%増)と前年同月からかなりの程度減少したものの、前月より大幅に増加した。同月の主要輸出先国別の輸出量は、表14の通りである。

表14

図 豪州の化工でん粉

このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構  調査情報部  (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272



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