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2.日本の品目別主要輸入先国の動向

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最終更新日:2022年2月10日

2.日本の品目別主要輸入先国の動向

2022年2月

 本稿中の為替レートは2021年12月末日TTS相場(注)の値であり、1米ドル=116円(116.02円)、1タイバーツ=3.51円、1ユーロ=132円(132.01円)である。
 
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の月末TTS相場。
 

トウモロコシ・コーンスターチ

世界

【需給動向:トウモロコシ】
2021/22年度の世界のトウモロコシ期末在庫、前月予測からわずかに下方修正されるも、19/20年度の水準を維持

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2022年1月12日、2021/22年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表2)。

 これによると、世界のトウモロコシ生産量は、12億696万トン(前年度比7.5%増、前月比0.1%減)とされ、先月に引き続き史上最高の水準となることが見込まれている。国別に見ると、単収の引き上げによりウクライナが200万トン、作付面積の引き上げにより米国が135万トン上方修正された。一方、ラニーニャ現象による乾燥気候の影響で単収が引き下げられたブラジルが300万トン、同様にアルゼンチンが50万トン、それぞれ下方修正された。

 輸出量は、世界全体で2億420万トン(同13.8%増、同0.3%減)とされた。国別に見ると、生産量で上方修正のあったウクライナが100万トン上方修正された一方、主要輸出国との競合などにより米国が190万トン下方修正された。

 輸入量は、世界全体で1億8681万トン(同0.3%増、同0.7%増)とされた。主要生産国の中では、生産量で下方修正のあったブラジルが30万トン上方修正された。

 消費量は、世界全体で11億9612万トン(同5.2%増、前月並み)とされた。国別に見ると、エタノール向け需要が引き上げられた米国が203万トン、ウクライナが100万トン上方修正された一方、アルゼンチンが50万トン下方修正された。

 この結果、期末在庫は、前月から247万トン下方修正の3億307万トン(同3.7%増)とされたが、2019/20年度に近い在庫水準が見込まれている。

表2

米国

【需給、価格動向:トウモロコシ】
2021/22年度の米国トウモロコシ期末在庫、生産量の上方修正を受けて、前年度比24.7%増

 USDA/WAOBは2022年1月12日、2021/22年度(9月〜翌8月)の米国の主要農作物需給予測値を更新した。このうち、同国のトウモロコシ需給見通しは、次の通りである(表3)。

 生産量は、作付面積の引き上げにより、151億1500万ブッシェル(3億8394万トン(注1)、前年度比7.1%増、前月比0.4%増)とわずかに上方修正された。前年度からかなりの程度増加する見込みであり、これまでの統計で最も生産量の多かった2016/17年度の151億4800万ブッシェル(3億8477万トン)に近い水準となっている。

 消費量は、主にエタノール向け需要の引き上げにより、124億1000万ブッシェル(3億1523万トン、同2.8%増、同0.6%増)とわずかに上方修正された。

 輸出量は、主要輸出国との競合などにより24億2500万ブッシェル(6160万トン、同11.9%減、同3.0%減)とやや下方修正され、記録的な輸出量となった前年度からかなり大きい減少が見込まれている。

 期末在庫は、生産量の上方修正を受けて、15億4000万ブッシェル(3911万トン、同24.7%増、同3.1%増)とやや上方修正された。

 この結果、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は10.4%(同2.1ポイント増、同0.3ポイント増)とされ、10月予測から引き続き10%台を保っている。

 また、生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり5.45米ドル(632円。1キログラム当たり24.9円)と前月対比で据え置かれた。

(注)1ブッシェルを約25.401キログラムとして農畜産業振興機構が換算。

表3

【貿易動向:トウモロコシ】
10月の輸出量、前年同月からはやや、前月からは大幅に増加し、価格は下落傾向

 米国のトウモロコシ輸出量は2021年4月以降、減少傾向が続いていたものの、2021年10月は383万192トン(前年同月比3.7%増、前月比49.4%増)と前年同月からはやや、前月からは大幅に増加した。同月の主要国別輸出量は、表4の通りである。

 また、同月の輸出価格(FAS(注))は、1トン当たり269.5米ドル(3万1262円、同47.6%高、同3.0%安)と前年同月から大幅に上昇したものの、2020年9月から11カ月連続で上昇していた価格は7月をピークに反転し、前月に引き続きやや下落した。

(注)Free Alongside Shipの略。貨物を船側に付けた段階で支払われる(FOB価格から横持ち料〈倉庫間の移動費〉、積み込み料、保険料などを差し引いた)価格。
 



 


【貿易動向:コーンスターチ】
10月の輸出量は前年同月から大幅に減少するも、前月よりわずかに増加

 2021年10月の米国のコーンスターチ輸出量は、1万5506トン(前年同月比18.0%減、前月比2.4%増)と前年同月から大幅に減少したものの、前月よりわずかに増加した。同月の主要国別輸出量は、表5の通りである。

 同月の輸出価格(FAS)は、1トン当たり630.5米ドル(7万3138円、同20.0%高、同0.9%安)と前月よりわずかに下落したものの、21年前半の水準を維持し前年同月から大幅に上昇した。
 





 なお、米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、同国の代表的市場の一つである中西部市場における2021年10月の製粉業者の純費用は、1ポンド(注)当たり8.68セント(10.1円、前年同月比43.0%高、前月比3.4%安)と前月よりやや下落したものの、依然として前年同月比では大幅に上昇し、高い水準となった。
 
(注)1ポンドは約0.45キログラム。
 

タピオカでん粉

タイ

【生産動向】
2021/22年度のキャッサバ生産量は前年度からわずかに増加する見込み

 タイ農業協同組合省農業経済局(OAE)の2021年12月現在の予測によると、2021/22年度(10月〜翌9月)のキャッサバの収穫面積は966万ライ(155万ヘクタール(注1)、前年度比1.4%減、前月比0.1%減)、単収は1ライ当たり3.39トン(同2.1%増、同0.3%増)、生産量は3273万トン(同0.7%増、同0.1%増)と見込まれている(表6)。

(注)1ライを約0.16ヘクタールとして農畜産業振興機構が換算。
 

 
【価格動向】
国内価格、上昇基調が持続し、1キログラム当たり15バーツ台で推移
 タイタピオカでん粉協会(TTSA)によると、2022年1月第2週のタピオカでん粉の国内価格は、1キログラム当たり15.1バーツ(53円、前年同期比11.9%高、前週同)と前年同期からかなり大きく上昇した(図3)。タイ農業・農業協同組合銀行(BAAC)研究・イノベーション開発センターによると、引き続き輸出需要の高まりなどを受けて、キャッサバ製品価格は上昇傾向で推移している。

図3

【貿易動向】
11月の輸出量、前年同月からやや増加するも、前月よりわずかに減少
 

 2021年11月のタピオカでん粉輸出量は、28万483トン(前年同月比5.2%増、前月比0.6%減)と、前年同月からやや増加したものの、前月よりわずかに減少した。同月の主要国別輸出量は、表7の通りである。  

 同月の輸出価格(FOB・バンコク)は、1トン当たり487.0米ドル(5万6492円、同5.3%高、同1.5%高)と、前年同月からはやや、前月からはわずかに上昇した。  

 現地調査会社などによると、引き続き中国でタイ産キャッサバ製品への需要が高いことが、高値基調持続の一因であると考えられている。

表7

図 タイのタピオカ

ベトナム

【生産動向】
主産地で2021/22年度のキャッサバの作付けが進む

 ベトナムの調査会社(AgroMonitor)によると、2021/22年度(8月〜翌7月)のキャッサバ作付面積は、同国で最もキャッサバ生産が盛んである南部中央高原地域のザライ省で7万ヘクタール台と予測されている。単収は、作付け初期の乾燥気候やその後の豪雨による根腐れなどから減少する見込みであるが、農家は11月現在、キャッサバの植え替え作業を行っている状況にある。
 

 ザライ省に次ぐキャッサバの産地である南部南東地域のタイニン省では、キャッサバ作付面積は6万ヘクタール台と予測されており、キャッサバモザイク病(注1)に耐性があり高単収が見込まれる品種が植え付けられる予定となっている。
 

 なお、キャッサバモザイク病は11月18日現在、中央直轄5都市および58省のうち1市22省(前月同)などの合計6万2588ヘクタール(10月21日比21.6%減)で感染が確認された(注2)


(注1)ウイルスの感染によって葉に黄化斑ができる病気で、光合成が十分に行われず、最悪の場合には作物自体が枯れてしまうことから、収穫量が大幅に減少する。ベトナムのほかに、近隣国のタイやカンボジアの一部で流行が確認されている。
(注2)同国のキャッサバ作付面積は、近年、おおむね50万ヘクタール程度で推移している。


【貿易動向】
11月の輸出量は前年同月からはやや、前月からは大幅に増加

 AgroMonitorによると、2021年11月のタピオカでん粉輸出量は、24万5138トン(前年同月比5.6%増、前月比59.8%増)と前年同月からはやや、前月からは大幅に増加した。同国の主要国別輸出量は、表8の通りである。

 同月の輸出価格(CFR(注)・中国向け)は、1トン当たり497米ドル(5万7652円、同17.5%高、同1.4%高)と、前年同月からは大幅に、前月からはわずかに上昇した。

(注)Cost and Freightの略。輸入港までの海上運賃を売主が負担し、危険負担は物品を引き渡した際に売主から買主に移転される取引条件であり、コンテナ輸送貨物に使われることが多い。

表8

図 ベトナムのタピオカでん粉

ばれいしょでん粉

EU

【貿易動向】
10月の輸出量、前年同月からは大幅に、前月からはかなりの程度増加

 2021年10月のばれいしょでん粉輸出量(注)は、3万4973トン(前年同月比39.1%増、前月比6.0%増)と前年同月からは大幅に、前月からはかなりの程度増加した。同月の主要国別輸出量は、表9の通りである。

 また、同月の輸出価格(FOB)は、1トン当たり572ユーロ(7万5504円、同10.3%安、同3.3%高)と前年同月からかなりの程度下落したものの、前月よりやや上昇した。

(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。

表9

図 EUのばれいしょでん粉


コラム ラトビアのでん粉原料用ばれいしょ、ばれいしょでん粉の需給動向
 

 日本の約6分の1の国土面積を有するラトビアは、欧州の中央部に位置することから運輸業が主要産業となっているほか、中東欧の主要なばれいしょでん粉生産国の一つとしても挙げられる。ラトビア中央統計局によると、2020年の同国のばれいしょ生産量は約38万トンであり、これを地域別に見ると、最も生産が盛んな地域は、南部のゼムガレ地域(約14万トン)で全体の37%を占めた(コラム−図1)。これに続くのは、首都リガを囲むピエリガ地域(約8万トン)で同21%、北部のヴィゼメ地域(約7万トン)で同19%であった。
 


 

 ラトビア農務省によると、近年、同国のでん粉原料用ばれいしょの作付面積は増加傾向にあり、2016年には670ヘクタールであったものの、2020年には1000ヘクタールとなった(コラム−表)。作付面積の増加に伴い、ばれいしょの加工量も増加しており、2016年には1万3460トンであったが、2020年には約1万9460トンとなった。一方、単収は増減を繰り返しており、過去5年間で見ると1ヘクタール当たり約17〜24トンで推移している。これは、干ばつなどの気候条件や害虫の発生状況に左右されるほか、慣行農業と比較して単収が低い有機農業を選択する生産者数が年々増加していることが背景となっている。
 


 

 ラトビア唯一のばれいしょでん粉製造企業であるAloja Starkelsen社は、同国内のみならず、エストニアやリトアニアなど近隣諸国の農家とも契約を結び、でん粉原料用ばれいしょを調達している。同社のばれいしょでん粉生産量は2017年以降、毎年増加傾向で推移しており、2020年は約4400トンとなった(コラム−図2)。同社は有機ばれいしょでん粉製造も行っており、欧州の主要な有機ばれいしょでん粉製造企業の一つとして位置付けられている。欧州の有機農業は、環境保護やアニマルウェルフェア(動物福祉)への配慮、消費者の健康志向の高まりなどを受けて成長しており、ラトビアでも慣行農業との比較において低単収にあるものの、有機農業を採用する生産者数や作付面積は増加傾向にあり、今後も増加基調は持続すると見込まれている。

 

 

化工でん粉

 デキストリンおよびその他の化工でん粉(以下「化工でん粉」という)の主要輸出国による主要仕向け先国別輸出量および輸出価格は、以下の通りである。

タイ

【貿易動向】
11月の輸出量、前年同月からはかなりの程度、前月からはわずかに増加

 2021年11月の化工でん粉の輸出量は、8万9281トン(前年同月比10.6%増、前月比1.1%増)と前年同月からはかなりの程度、前月からはわずかに増加した。同月の主要輸出先国別の輸出量は、表10の通りである。

表10

図 タイの化工でん粉

米国

【貿易動向】
10月の輸出量、前年同月からかなりの程度増加するも、前月よりかなりの程度減少

 2021年10月の化工でん粉の輸出量は、2万6847トン(前年同月比10.4%増、前月比8.7%減)と前年同月からかなりの程度増加したものの、前月よりかなりの程度減少した。同月の主要国別輸出量は、表11の通りである。

表11

図 米国の化工でんぷん

中国

【貿易動向】
11月の輸出量、前年同月および前月から大幅に増加

 2021年11月の化工でん粉の輸出量は、8084トン(前年同月比45.7%増、前月比22.5%増)と前年同月および前月から大幅に増加した。同月の主要輸出先国別の輸出量は、表12の通りである。

表12

図 中国の化工でん粉

EU

【貿易動向】
10月の輸出量、前年同月からはわずかに、前月からはかなりの程度減少

 2021年10月の化工でん粉の輸出量(注)は、5万844トン(前年同月比2.1%減、前月比9.5%減)と、前年同月からはわずかに、前月からはかなりの程度減少した。同月の主要輸出先国別の輸出量は、表13の通りである。

(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。

表13

図 EUのでん粉

豪州

【貿易動向】 
10月の輸出量、前年同月からはやや、前月からはかなりの程度減少

 2021年10月の化工でん粉の輸出量は、3338トン(前年同月比3.8%減、前月比9.7%減)と前年同月からはやや、前月からはかなりの程度減少した。同月の主要輸出先国別の輸出量は、表14の通りである。

表14

図 豪州の化工でん粉

このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構  調査情報部  (担当:企画情報グループ)
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