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2. 日本の品目別主要輸入先国の動向

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最終更新日:2022年5月10日

2. 日本の品目別主要輸入先国の動向

2022年5月

 本稿中の為替レートは2022年3月末日TTS相場(注)の値であり、1米ドル=123.39円、1タイバーツ=3.76円、1ユーロ=138.20円である。

(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の月末TTS相場。

トウモロコシ・コーンスターチ

世界

【需給動向:トウモロコシ】
ブラジルなどの上方修正で、世界のトウモロコシ生産量は引き続き過去最高の見通し

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2022年4月8日、2021/22年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表2)。

 これによると、世界のトウモロコシ生産量は12億1045万トン(前年度比7.5%増)と前月から431万トン上方修正され、引き続き過去最高の生産が見込まれている。最大の生産国である米国、第2位の中国は、いずれも前月から据え置かれたが、第3位のブラジルは、第2期作の作付面積の拡大を受けて200万トン上方修正され、過去最高の生産量が見込まれている。第4位のEUも、ドイツ、ルーマニア、チェコでの生産量増加により、70万トン上方修正され、同5.0%増と見込まれている。なお、第5位のウクライナは、前月から据え置かれたものの、同38.3%増と見込まれている。

 輸出量は、世界全体で1億9700万トン(同8.2%増)とかなりの程度増加が見込まれているが、前月から290万トン下方修正された。うち、ウクライナは黒海沿岸の穀物積出港の港湾機能停止の影響などから450万トン引き下げられ、2カ月連続の下方修正となった。一方で、ブラジルは主に第2期作の増産を背景とした輸出余力の増加により150万トン上方修正された。

 輸入量は、世界全体で1億8211万トン(同1.9%減)と前月から352万トン下方修正された。うち、最大の輸入国である中国は、主要輸入先国であるウクライナの状況を受けて前月から300万トン下方修正され、2300万トン(同22.1%減)と大幅な減少が見込まれている。

 消費量は、世界全体で11億9715万トン(同5.0%増)と前月から53万トン上方修正され、引き続き前年度を上回ると見込まれている。うち、最大の消費国である中国は2億9100万トン(同2.1%増)と前月から300万トン下方修正された。

 この結果、期末在庫は3億546万トン(同4.6%増)と前月から449万トン上方修正され、前年度をやや上回ると見込まれている。

  

米国

【需給、価格動向:トウモロコシ】
米国のトウモロコシ期末在庫率、引き続き9%台に据え置き

 USDA/WAOBは2022年4月8日、2021/22年度(9月〜翌8月)の米国の主要農作物需給予測値を更新した。このうち、同国のトウモロコシ需給見通しは次の通りである(表3)。

 生産量は、前月から据え置かれ、151億1500万ブッシェル(3億8394万トン(注)、前年度比7.1%増)と、これまでの統計で最も生産量の多かった16/17年度の151億4800万ブッシェル(3億8477万トン)に近い水準となっている。

 消費量は、飼料など向けが2500万ブッシェル下方修正されたものの、エタノール向けが前月から2500万ブッシェル上方修正されたため、全体では124億3500万ブッシェル(3億1586万トン、同3.0%増)と前月から据え置かれた。引き続き、原油高を背景にエタノール向け需要の増加(同6.8%増)が消費をけん引すると見込まれている。

 輸出量は、前月と同様、米国がウクライナの輸出減を補うとの見込みから25億ブッシェル(6350万トン、同9.2%減)と据え置かれ、記録的な輸出量となった前年度からは、かなりの程度の減少が見込まれている。

 この結果、期末在庫は、14億4000万ブッシェル(3657万トン、同16.6%増)と前月から据え置かれた。

 また期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)も9.6%(同1.3ポイント増)と前月と変わらず10%台を割り込んだ。

 生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり5.80米ドル(716円。1キログラム当たり28.2円)と前月からやや上方修正された。

 なお、米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が3月31日に公表した穀物の作付け予想によると、22年のトウモロコシの作付面積は8949万エーカー(3622万ヘクタール、前年比4.1%減)で、大豆の作付面積9096万エーカー(3681万ヘクタール、同4.3%増)を下回ると見込まれている。サウスダコタ州やネバダ州では過去最高の作付面積が見込まれるものの、48州中43州の作付面積は据え置きまたは縮小すると予想されている。

(注)1ブッシェルを約25.401キログラムとして農畜産業振興機構が換算。

 

【貿易動向:トウモロコシ】
1月の輸出量は前年同月からわずかに、前月から大幅に増加し、価格は前月並み

 米国のトウモロコシ輸出量は2021年10月から増加傾向が続き、22年1月は590万9695トン(前年同月比1.5%増、前月比18.2%増)と前年同月からわずかに、前月から大幅に増加した。同月の主要国別輸出量は表4の通りである。

 また、同月の輸出価格(FAS(注))は、1トン当たり269.1米ドル(3万3204円、同15.5%高、同0.3%安)と前年同月からかなり大きく上昇し、前月並みとなった。

(注)Free Alongside Shipの略。貨物を船側に付けた段階で支払われる(FOB価格から横持ち料〈倉庫間の移動費〉、積み込み料、保険料などを差し引いた)価格。
※ Free On Board:貨物を船に乗せた段階で支払われる取引条件。

 

 

【貿易動向:コーンスターチ】
1月の輸出量は前年同月からかなりの程度、前月からやや増加

 2022年1月の米国のコーンスターチ輸出量は、1万4883トン(前年同月比6.6%増、前月比4.0%増)と前年同月からかなりの程度、前月からやや増加した。同月の主要国別輸出量は表5の通りである。

 同月の輸出価格(FAS)は、1トン当たり677.4米ドル(8万3584円、同9.2%高、同3.0%高)と前年同月からかなりの程度、前月からやや上昇した。

 なお、米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、同国の代表的市場の一つである中西部市場における22年1月の製粉業者の純費用(Net Cost)は、1ポンド(注)当たり10.15セント(12.5円、前年同月比19.5%高、前月比1.5%高)と依然として前年同月比では大幅に、前月からわずかに上昇し、高い水準となった。

(注)1ポンドは約0.45キログラム。

 

 

 

タピオカでん粉

タイ

【生産動向】
2021/22年度のキャッサバ生産量は前年度からわずかに増加する見込み

 タイ農業協同組合省農業経済局(OAE)の予測(2022年3月現在)によると、2021/22年度(10月〜翌9月)のキャッサバの収穫面積は966万ライ(155万ヘクタール(注)、前年度比1.4%減、前月同)、単収は1ライ当たり3.39トン(同2.1%増、前月同)、生産量は3273万トン(同0.7%増、前月同)と、21年12月予測からいずれも同量が見込まれている(表6)。

(注)1ライを約0.16ヘクタールとして農畜産業振興機構が換算。

 

【価格動向】
国内価格は上昇基調が持続し、1キログラム当たり15バーツ台後半まで上昇

 タイタピオカでん粉協会(TTSA)によると、22年4月第2週のタピオカでん粉の国内価格は、1キログラム当たり15.60バーツ(59円、前年同期比12.2%高、前週比0.6%高)と前年同期からかなり大きく上昇し、18年以来となる15バーツ台後半に達した(図3)。タイ農業・農業協同組合銀行(BAAC)研究・イノベーション開発センターによると、輸出需要が引き続き高いことから、キャッサバ製品の価格は高い水準で推移すると予測されている。

 

【貿易動向】
2月の輸出量、前年同月からわずかに減少するも、前月から大幅に増加

 22年2月のタピオカでん粉輸出量は、35万4339トン(前年同月比0.7%減、前月比16.2%増)と前年同月からわずかに減少したものの、前月からは大幅に増加した。同月の主要国別輸出量は表7の通りである。

 同月の輸出価格(FOB・バンコク)は、1トン当たり492.5米ドル(6万770円、同2.6%高、同0.5%高)と前年同月、前月からいずれもわずかに上昇した。
 

 

 

ベトナム

【生産動向】
2021/22年度キャッサバ収穫が終盤を迎える

 ベトナムの調査会社(AgroMonitor)によると、2021/22年度(8月〜翌7月)のキャッサバ収穫は、2022年2月現在、北部地域で終盤に差し掛かっている。次期作の作付面積を確保するために収穫が急がれる一方で、北部内陸山岳地域の主産地であるソンラ省では、21/22年度作付面積が前年度比20%増と大幅に増加し、収穫は4月下旬まで続くと見込まれている。

 なお、キャッサバモザイク病(注1)は、2月27日現在、中央直轄5都市および58省のうち1市15省(前月から2省減少)などの合計4万8298ヘクタール(1月1日比15.7%増)で感染が確認されている(注2)

(注1)ウイルスの感染によって葉に黄化斑ができる病気で、光合成が十分に行われず、最悪の場合には作物自体が枯れてしまうことから、収穫量が大幅に減少する。ベトナムのほかに、近隣国のタイやカンボジアの一部で流行が確認されている。
(注2)同国のキャッサバ作付面積は、近年、おおむね50万ヘクタール程度で推移している。


【貿易動向】
2月の輸出量は前年同月から大幅に増加するも、前月から大幅に減少

 AgroMonitorによると、22年2月のタピオカでん粉輸出量は、14万2147トン(前年同月比21.3%増、前月比16.9%減)と前年同月から大幅に増加したものの、前月から大幅に減少した。同国の主要国別輸出量は表8の通りである。

 同月の輸出価格(CFR(注)・中国向け)は、1トン当たり502米ドル(6万1942円、同4.8%高、同1.2%安)と前年同月からはやや上昇したものの、前月からはわずかに下落した。

(注)Cost and Freightの略。輸入港までの海上運賃を売主が負担し、危険負担は物品を引き渡した際に売主から買主に移転される取引条件であり、コンテナ輸送貨物に使われることが多い。

 

 

ばれいしょでん粉

EU

【貿易動向】
1月の輸出量、前年同月からはかなりの程度増加し、前月からはかなりの程度減少

 2022年1月のばれいしょでん粉輸出量(注)は、2万8860トン(前年同月比7.6%増、前月比6.4%減)と前年同月からはかなりの程度増加したものの、前月からはかなりの程度減少した。同月の主要国別輸出量は表9の通りである。

 また、同月の輸出価格(FOB)は、1トン当たり685ユーロ(9万4667円、同10.5%高、同10.7%高)と前年同月および前月からかなり大きく上昇した。

(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。

 

 

コラム フィンランドのばれいしょ、ばれいしょでん粉の需給動向について


 フィンランドは欧州北部に位置し、国土面積は33.8万平方キロメートルと日本よりやや小さいが、その約25%が北極圏に属している。気象条件により農業に適した地域は限られているが、ばれいしょの生産などが行われ、また、豊かな森林資源を生かした製紙、パルプ、木材産業が盛んな国である。

 近年、同国で生産されるばれいしょの3分の1に当たる約20万トンがでん粉原料用ばれいしょであった(コラム−表1)。作付面積に大きな変化がみられない中で、生産量はこの5年間で15.1%増とかなり大きく増加し、単収も1ヘクタール当たり30トンを上回る状況にある。また、2020年産でん粉原料用ばれいしょの約6%が有機でん粉用であった。ばれいしょ生産全体に占める有機ばれいしょの割合が2.5%であることと比較すると、でん粉原料用ばれいしょに占める有機ばれいしょの割合はやや高くなっている。
 

 フィンランドのばれいしょでん粉の製造企業は、Finnamyl社およびその子会社であるLapuan Peruna社であり、近年、同国で約4万トンのばれいしょでん粉が製造されている(コラム−表2)。

 Finnamyl社は、主にばれいしょでん粉と関連食品を加工・販売しているほか、一部を製紙業界にも販売している。また、2000年以降は、有機ばれいしょでん粉も製造しており、国内の主要スーパーマーケットを通じての販売から輸出へと拡大し、11年からは新たな有機ばれいしょ生産農家との契約栽培が開始されたことで、有機ばれいしょでん粉の生産量が増加している。

 Lapuan Peruna社は、同国西海岸中部にある140の契約農家から年間約7万トンのでん粉原料用ばれいしょを購入している。主にばれいしょでん粉を製造しているが、そのほかにも、製紙用原料や家畜飼料、肥料原料なども製造している。
 
 
 なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響については、家庭向け生食用ばれいしょの需要が増加したものの、業務用ばれいしょの需要は、20年の春に例年に比べ50〜80%減少した。その後、夏から秋にかけて状況は改善したといわれているが、依然としてCOVID-19の拡大やロックダウンの厳格化などにより、業務用ばれいしょの需要は完全には回復していないとされている。一方で、ばれいしょでん粉の需要は平年並みで推移しており、市場価格にもCOVID-19の影響は出ていないとみられる。

化工でん粉

 デキストリンおよびその他の化工でん粉(以下「化工でん粉」という)の主要輸出国による主要仕向け先国別輸出量および輸出価格は、以下の通りである。

タイ

【貿易動向】
2月の輸出量、前年同月から大幅に減少するも、前月からはわずかに増加

 2022年2月の化工でん粉の輸出量は、9万4298トン(前年同月比34.7%減、前月比2.5%増)と前年同月から大幅に減少したものの、前月からはわずかに増加した。同月の主要輸出先別の輸出量は表10の通りである。

 

 

米国

【貿易動向】
1月の輸出量、前年同月からは大幅に、前月からはかなりの程度増加

 2022年1月の化工でん粉の輸出量は、2万8564トン(前年同月比18.7%増、前月比8.2%増)と前年同月からは大幅に、前月からはかなりの程度増加した。同月の主要国別輸出量は表11の通りである。

 

 

中国

【貿易動向】
2月の輸出量、前年同月からは大幅に、前月からはかなりの程度増加

 2022年2月の化工でん粉の輸出量は、7825トン(前年同月比65.2%増、前月比6.0%増)と前年同月からは大幅に、前月からはかなりの程度増加した。同月の主要輸出先別の輸出量は表12の通りである。

 

 

EU

【貿易動向】
1月の輸出量、前年同月からはわずかに増加するも、前月からはかなり大きく減少

 2022年1月の化工でん粉の輸出量(注)は、4万8091トン(前年同月比1.7%増、前月比11.7%減)と、前年同月からはわずかに増加したものの、前月からはかなり大きく減少した。同月の主要輸出先別の輸出量は、表13の通りである。

(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。

 

 

豪州

【貿易動向】
1月の輸出量、前年同月から大幅に、前月からはかなりの程度増加

 2022年1月の化工でん粉の輸出量は、3038トン(前年同月比2.2倍、前月比6.0%増)と前年同月から大幅に、前月からはかなりの程度増加した。同月の主要輸出先別の輸出量は表14の通りである。

 

 

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