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2. 日本の品目別主要輸入先の動向

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最終更新日:2023年1月10日

2. 日本の品目別主要輸入先の動向

2023年1月

 本稿中の為替レートは2022年11月末日TTS相場(注)の値であり、1米ドル=139.87円、1タイバーツ=3.98円、1ユーロ=145.08円である。

(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の月末TTS相場。

トウモロコシ・コーンスターチ

世 界

【需給動向:トウモロコシ】
世界の期末在庫が5カ月連続下方修正され、3億トンを下回る見込み

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2022年12月9日、2022/23年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表2)。

 これによると、世界のトウモロコシ生産量は11億6186万トン(前年度比4.5%減)と前月から653万トン下方修正され、前年度をやや下回ると見込まれている。地域別に見ると、ウクライナやロシア、EUなどの生産量が前月から下方修正された。特に、ウクライナでは、ロシアによる侵攻や大雨の影響を受けて主要産地で収穫作業が遅れている。その結果、収穫面積および収量がともに減少し、前月から450万トン下方修正されて2700万トン(同35.9%減)と前年から大幅に減産すると予測されている。

 輸入量は、世界全体で1億7642万トン(同4.1%減)と前月から118万トン下方修正され、前年度からやや減少すると予測されている。地域別に見ると、米国からの輸出量が減少するカナダやメキシコ、フィリピンが前月から下方修正された。一方で、干ばつにより作柄の見通しが悪く世界最大の輸入先になると予測されるEUは、前月から150万トン上方修正され2150万トン(同8.7%増)とかなりの程度増加すると見込まれている。

 消費量は、世界全体で11億7055万トン(同2.6%減)と前月から475万トン下方修正され、前年度からわずかな減少が見込まれている。地域別に見ると、EUなどで前月から上方修正されたものの、ウクライナなどで下方修正されたことが影響した。なお、最大の消費国である中国は2億9500万トンと前月から据え置かれた。

 輸出量は、世界全体で1億8163万トン(同10.3%減)と前月から111万トン下方修正され、前年度からかなりの程度減少が見込まれている。地域別に見ると、ウクライナなどで前月から上方修正されたものの、減産の影響を受けたEUやロシアのほか、米国などは前月から下方修正された。
この結果、期末在庫は3億トン割れとなる2億9840万トン(同2.8%減)と前月から236万トン下方修正され、前年度からわずかな減少が見込まれている。

 

281

米 国

【需給、価格動向:トウモロコシ】
米国輸出量が下方修正され、期末在庫率は8.9%まで上昇

 USDA/WAOBは2022年12月9日、2022/23年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを更新した(表3)。

 生産量は、139億3000万ブッシェル(3億5384万トン(注)、前年度比7.6%減)と前月から据え置かれ、前年度からかなりの程度減少すると見込まれている。

 消費量は、120億2500万ブッシェル(3億545万トン、同3.7%減)と前月から据え置かれ、前年度からやや減少すると見込まれている。なお、用途別の内訳についても前月から据え置かれた。

 輸出量は、20億7500万ブッシェル(5271万トン、同16.0%減)と前月から7500万ブッシェル(191万トン)下方修正され、前年度から大幅に減少すると見込まれている。米国産は、他国産に比べて価格が高く、12月初旬までの販売や出荷が低調な状況にある。

 この結果、期末在庫は、輸出量の減少を背景に前月から7500万ブッシェル(191万トン)上方修正されたものの、12億5700万ブッシェル(3192万トン、同8.7%減)と、引き続き前年度をかなりの程度下回ると見込まれている。

 また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は8.9%(同0.3ポイント減)と、前月から上方修正されたものの、依然として前年度を下回ると予測されている。
生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり6.70米ドル(937円。1キログラム当たり36.9円)と前月から下方修正されたが、前年度からかなり大きく上昇し、高値が予測されている。

(注)1ブッシェルを約25.401キログラムとして農畜産業振興機構が換算。

 

291

【貿易動向:トウモロコシ】
輸出量は4カ月連続減少し、輸出価格は300米ドル台を推移

 2022年9月の米国のトウモロコシ輸出量は、264万2231トン(前年同月比6.7%増、前月比20.2%減)と前年同月からかなりの程度増加したものの、前月から大幅に減少した。同月の主要国・地域別輸出量は表4の通りである。

 また、同月の輸出価格(FAS(注))は、1トン当たり321.9米ドル(4万5024円、同15.7%高、同4.5%安)と6月以降下落傾向にあるものの300米ドル台を維持した。

(注)Free Alongside Shipの略。貨物を船側に付けた段階で支払われる(FOB※価格から横持ち料〈倉庫間の移動費〉、積み込み料、保険料などを差し引いた)価格。
※Free On Board:貨物を船に乗せた段階で支払われる取引条件。


 

301

302

【貿易動向:コーンスターチ】
輸出量は前月からかなりの程度増加し、価格は800米ドル割れ

 2022年9月の米国のコーンスターチ輸出量は、1万6704トン(前年同月比10.3%増、前月比7.5%増)と前年同月および前月からからかなりの程度増加した。同月の主要国・地域別輸出量は表5の通りである。

 同月の輸出価格(FAS)は、1トン当たり795.5米ドル(11万1267円、同26.8%高、同4.1%安)と6年8カ月ぶりに800米ドル台を記録した前月からやや下落し、700米ドル台となった。

 なお、米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、同国の代表的市場の一つである中西部市場における22年9月の製粉業者の純費用(Net Cost)は、1ポンド当たり11.39米セント(注)(15.9円、前年同月比26.8%高、前月比1.7%安)と前年同月から大幅に上昇したものの、前月からわずかに下落した。

(注)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。


 

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311

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タピオカでん粉

タ イ

【生産動向】
2022/23年度のキャッサバ生産量は前年度からわずかに増加する見込み

 タイ農業協同組合省農業経済局(OAE)の予測(2022年11月)によると、2022/23年度(10月〜翌9月)のキャッサバの収穫面積は1013万ライ(162万ヘクタール(注)、前年度比2.1%増、前月比2.5%減)、単収は1ライ当たり3.45トン(同0.6%増、前月同)と収穫面積が前月から下方修正されたことで、生産量も3495万トン(同2.8%増、前月比2.4%減)と前月から下方修正されたものの、前年度からはわずかに増加すると見込まれている(表6)。
 

(注)1ライを約0.16ヘクタールとして農畜産業振興機構が換算。

313

【価格動向】
国内価格は下落傾向も、高い水準を推移

 タイタピオカでん粉協会(TTSA)によると、2022年12月第2週のタピオカでん粉の国内価格は、1キログラム当たり16.7バーツ(66円、前年同期比12.1%高、前週同)と前年同期からかなり大きく上昇したものの、下落傾向で推移している(図3)。国内価格は22年4月以降、原料費や燃料費の上昇により急騰し、7月第3週を境に下落に転じたものの、依然として高い水準を維持している。

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【貿易動向】
輸出量は前月から増加し、輸出価格は7カ月ぶりに400米ドル台まで下落

 2022年10月のタピオカでん粉輸出量は、31万6499トン(前年同月比12.1%増、前月比0.9%増)と前年同月からかなり大きく、前月からわずかに増加した。同月の主要国・地域別輸出量は表7の通りである。

 同月の輸出価格(FOB・バンコク)は、1トン当たり497.5米ドル(6万9585円、同3.6%高、同2.0%安)と7カ月ぶりに400米ドル台まで下落した。
 

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ベトナム

【生産動向】
キャッサバの工場搬入、一部で遅滞が生じる

 ベトナムの民間調査会社(AgroMonitor)によると、各地で収穫されたキャッサバのでん粉工場への搬入が行われているが、地域により状況が異なっている。

 北部地域では断続的に降雨が続いたことなどから、でん粉工場への搬入量は依然少ない状況にあるとしている。また中部地域でも、同国で最も生産の盛んなザライ省において、トラックの過積載に対する取り締まりが強化されたことで、ダクラク省やフーイエン省といった周辺地域にあるでん粉工場へのザライ産の搬入が進んでいない。このような中、周辺地域の工場では1日分の処理量を確保するのに苦慮する一方で、ザライ省の工場では、前年比約2倍となる1日当たり1500トンのキャッサバが搬入されることもあるとしている。なお、南部地域では、作付面積が同国第2位のタイニン省でキャッサバの収穫・搬入がほぼ終わり、現在、でん粉工場では主に10月中旬以降に収穫のピークを迎えているカンボジアから輸入されたキャッサバを加工している。

 また、キャッサバモザイク病(注1)は10月末現在、同国では中央直轄5都市および58省のうち1市18省などの合計5万8707ヘクタールで感染が確認され、前月比で19.5%の減少となったものの、引き続き同病による被害の発生が懸念されている(注2)

(注1)ウイルスの感染によって葉に黄斑ができる病気で、光合成が十分に行われず、最悪の場合には作物自体が枯れてしまうことから、収穫量が大幅に減少する。ベトナムのほかに、近隣国のタイやカンボジアの一部で流行が確認されている。
(注2)同国のキャッサバ作付面積は、近年、おおむね50万ヘクタール程度で推移している。


【貿易動向】
10月の輸出量は前月からかなり大きく増加し、輸出価格は下落傾向

 AgroMonitorによると、2022年10月のタピオカでん粉輸出量は、19万2055トン(前年同月比25.2%増、前月比11.8%増)と前年同月から大幅に、前月からかなり大きく増加した。同国の主要国・地域別輸出量は表8の通りである。

 同月の輸出価格(CFR(注)・中国向け)は、1トン当たり468米ドル(6万5459円、同4.5%安、同4.7%安)と7月以降4カ月続けて下落傾向を示した。

(注)Cost and Freightの略。輸入港までの海上運賃を売主が負担し、危険負担は物品を引き渡した際に売主から買主に移転される取引条件であり、コンテナ輸送貨物に使われることが多い。

 

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ばれいしょでん粉

E U

【貿易動向】
輸出量は前月からわずかに増加し、価格は800ユーロ台を維持

 2022年9月のばれいしょでん粉輸出量(注)は、2万8563トン(前年同月比14.7%減、前月比2.1%増)と前年同月からかなり大きく減少したものの、前月からわずかに増加した。同月の主要国・地域別輸出量は表9の通りである。

 また、同月の輸出価格(FOB)は、1トン当たり804ユーロ(11万6644円、同44.9%高、同3.0%安)と前月からやや下落したものの、19年12月から2年8カ月ぶりに800ユーロ台に達した前月に引き続き800ユーロ台を維持した。

(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。
 

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コラム 欧州主要国のでん粉生産動向−フランスの小麦でん粉−

 フランスでん粉協会(USIPA)によると、2019年の同国のでん粉生産量は310万トンであった(コラム−図1)。内訳は、小麦でん粉が5割弱(145万7000トン)を占め、次いでコーンスターチが4割強(136万4000トン)、ばれいしょでん粉が1割弱(24万8000トン)などとなっている。なお、21年の小麦でん粉生産量は約145万トンと推定される(注)

(注)USIPAによると、歩留まり率52.6%(1トンの小麦でん粉生産のために、約1.9トンの小麦を投入)であることから、フランス農水省の関連団体であるFranceAgriMerが公表する小麦のでん粉仕向け量から農畜産業振興機構が試算。
 
    
 
 
 同国で生産される小麦には、パン小麦およびスパゲッティなどのパスタに使用されるデュラム小麦の2種類があるが、一般的に、パン小麦のほうがデュラム小麦よりもでん粉含有率が高いとされている。また、FranceAgriMerの公表データにおいても、パン小麦の用途にでん粉(グルテンを含む)が含まれる一方、デュラム小麦の用途にでん粉は含まれていない。でん粉用途のあるパン小麦について紹介すると、21/22年度(7月〜翌6月)の作付面積は北部のオー・ド・フランス地域圏が最も大きく、全体の17%を占め、次いで北東部のグラン・テスト地域圏が15%を占めた。

 現地報道によると、今年度は地域により収量に大きな差が出ており、北西部の地域では平均以上の収量を記録し、北部に行くほど豊作となっている。一方で、南部では、多くの地域で過去5年間の平均収量と比較して10%以上収量が減少するとされている。また、22年に欧州を襲った熱波による影響で、同国では7月上旬以降全国的に極端な乾燥状態が続き、国土の大部分で降水量が過去30年で最低水準となった。このような悪条件により、トウモロコシやヒマワリなどの夏作物は大きな影響を受けているものの、小麦は7月に収穫が行われたことで、干ばつによる影響は限定的とみられている。このような状況のもと、FranceAgriMerによると、22/23年度の同国のパン小麦生産量は前年の3543万トンから3387万トンに減少すると見込まれている(コラム−表)。
 

 

 また、現地報道によると、世界的な小麦生産国であるウクライナからの輸出(注)が減少していることで、フランス産小麦の生産量は減少するものの、輸出量が増加すると見込まれている。特に、アフリカ、イエメン、エジプトといった欧州域外へのパン小麦の輸出量が前年から17%増加すると予測されている。背景には、フランスがアルゼンチンやオーストラリア、米国といった小麦生産国よりも上記の国々と地理的に近いことや、米ドルに対するユーロの為替レートの下落により、フランス産小麦の競争力が高まったことなどがあると考えられる。

(注)ウクライナの穀物輸出や収穫の状況について、海外情報「ウクライナ産トウモロコシを巡る情勢(その11)〜黒海ルートの動向〜」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_003386.html)を参照されたい。

 USIPAによると、同国の小麦でん粉製造工場は、パン小麦の主要な生産地が集中している北東部に集中しており、グラン・テスト地域圏およびオー・ド・フランス地域圏を中心に、ADM CHAMTOR社、Roquette社およびTereos社の3社6工場が小麦でん粉の製造を行っている(コラム−図2)。
 

 ADM CHAMTOR社(Bazancourt工場)は、米国の穀物加工メーカーでコーンスターチなども製造しているが、フランスでは小麦でん粉のみを製造しており、食品のほか、飼料などに使用されるでん粉ベースの商品を製造している。フランスの植物性原料のメーカーであるRoquette社(Lestrem工場、Beinheim工場)は、小麦でん粉、ばれいしょでん粉、コーンスターチおよび豆でん粉を製造しており、フランスの穀物加工処理メーカーであるTereos社(Marckolsheim工場、Nesle工場、Lillebonne工場)は、でん粉のほかにアルコールなども製造している。なお、同社は、21/22年次報告書の中で、欧州のでん粉・甘味料事業における原料加工量が前年度から増加して337万トンに達したものの、小麦のでん粉含有量が低く、品質が悪かったと報告している。
 

化工でん粉

タ イ

【貿易動向】
10月の輸出量は前年同月および前月からやや増加

 2022年10月の化工でん粉の輸出量は、9万903トン(前年同月比3.0%増、前月比3.0%増)と前年同月および前月からやや増加した。同月の主要輸出国・地域別の輸出量は表10の通りである。

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米 国

【貿易動向】
9月の輸出量は前年同月から大幅に、前月からやや減少

 2022年9月の化工でん粉の輸出量は、2万4302トン(前年同月比19.1%減、前月比3.8%減)と前年同月から大幅に、前月からやや減少した。同月の主要国・地域別輸出量は表11の通りである。

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中 国

【貿易動向】
輸出量は5カ月連続1万トンを超過

 2022年10月の化工でん粉の輸出量は、1万3104トン(前年同月比98.5%増、前月比9.8%減)と、前月からかなりの程度減少したものの、2年10カ月ぶりに1万トンを超過した6月から5カ月連続で1万トン台を維持した。同月の主要輸出国・地域別の輸出量は表12の通りである。

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E U

【貿易動向】
9月の輸出量は前年同月および前月から大幅に減少

 2022年9月の化工でん粉の輸出量(注)は、4万35トン(前年同月比28.7%減、前月比18.1%減)と前年同月および前月から大幅に減少した。同月の主要輸出国・地域別の輸出量は表13の通りである。

(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。

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豪 州

【貿易動向】
9月の日本向け輸出量は前月から大幅に増加

 2022年9月の化工でん粉の輸出量は、3994トン(前年同月比8.0%増、前月比16.1%減)と前月から大幅に減少したものの、日本向けは総輸出量の5割近くを占める1934トン(同2.1倍、同2.8倍)と前月から大幅に増加した。同月の主要輸出国・地域別の輸出量は表14の通りである。

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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272