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最終更新日:2025年7月10日
【需給動向:トウモロコシ】
25/26年度は消費量および輸出量の増加から期末在庫はやや減少
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2025年6月12日、2025/26年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表)。
これによると、同年度の世界のトウモロコシ生産量は12億6598万トン(前年度比3.5%増)と前月から100万トン上方修正され、過去最高の更新が見込まれている。主要生産国はいずれも据え置かれたが、インドでの上方修正などが反映された。
輸入量は、世界全体で1億8748万トン(同2.4%増)と前月から据え置かれた。
消費量は、世界全体で12億7579万トン(同1.7%増)と前月から136万トン上方修正され、過去最高の更新が見込まれている。また、3年連続で過去最高を更新する生産量を上回るとされる。主要国における消費量は、いずれも据え置かれたが、カナダでの上方修正などが反映された。
輸出量は、世界全体で1億9582万トン(同3.1%増)と前月から1万トン上方修正された。
この結果、期末在庫は、消費量および輸出量の伸びが生産量および輸入量を上回ったことで、2億7524万トン(同3.4%減)と前月から260万トン下方修正された。
【需給、価格動向:トウモロコシ】
米国は生産量の増加などから期末在庫は大幅に増加
USDA/WAOBは2025年6月12日、2025/26年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを公表し、期首在庫および期末在庫を除くすべての数値が前月から据え置かれた(表)。
米国内生産量は、158億2000万ブッシェル(4億184万トン(注)、前年度比6.4%増)と前年度からかなりの程度の増加が見込まれている。
米国内消費量は、127億8500万ブッシェル(3億2475万トン、同1.1%増)と前年度からわずかな増加が見込まれている。
輸出量は、26億7500万ブッシェル(6795万トン、同0.9%増)と前年度からわずかな増加が見込まれている。
期末在庫は、17億5000万ブッシェル(4445万トン、同28.2%増)と前年度から大幅な増加が見込まれている。
また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、11.3%(同2.4ポイント増)と、前年度を上回ると見込まれている。
生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり4.20米ドル(608円。1キログラム当たり24円、同3.4%安)と前年度からやや下落する見込みである。
(注)1ブッシェルを約25.401キログラムとして農畜産業振興機構が換算。
【貿易動向:トウモロコシ】
25年4月の輸出量は前月からかなりの程度増加、輸出価格は前月からやや下落
2025年4月の米国のトウモロコシ輸出量は、780万659トン(前年同月比21.0%増、前月比6.1%増)と前年同月を大幅に上回り、前月からかなりの程度増加した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FAS価格)は、1トン当たり230.3米ドル(3万3364円、同0.1%高、同3.8%安)と前年同月並みであり、前月からやや下落した。
【貿易動向:コーンスターチ】
25年4月の輸出量は前月からかなりの程度増加、輸出価格は前月からかなりの程度下落
2025年4月の米国のコーンスターチ輸出量は、1万9232トン(前年同月比11.3%増、前月比9.2%増)と前年同月をかなり大きく上回り、前月からかなりの程度増加した(表、図)。
同月の輸出価格(FAS価格)は、1トン当たり732.3米ドル(10万6088円、同6.9%安、同7.5%安)と前年同月をかなりの程度下回り、前月からかなりの程度下落した。
米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、25年5月の同国中西部市場におけるコーンスターチ価格は、1ポンド当たり16.51米セント(注)(23.9円、前年同月比4.6%高、前月比4.4%高)と前年同月をやや上回り、前月からやや上昇した(図)。
(注)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
【生産動向】
キャッサバ価格の下落により他作物への転作が懸念
ベトナムの民間調査会社(AgroMonitor)によると、北部地域ではキャッサバ価格の下落により作付面積が少なくとも30%減少すると予測されており、地域によっては、生産者がキャッサバに比べ収益性の高いトウモロコシやコーヒーなど他作物への転作を余儀なくされている。また、ソンラ省をはじめとする一部地域では、連続した雷雨により植え付けが遅れたことや生育期間中の干ばつが懸念されることから、同年度のキャッサバ生産量は減少する可能性がある。中部地域でも、キャッサバ価格の下落を踏まえて作付面積の減少が予測されており、キャッサバからサトウキビやトウモロコシなどの他作物へ転作されると見込まれている。南部地域のタイニン省では、5月時点の天候は比較的良好であったことから、24/25年度の冬春キャッサバの収穫が終了し、夏秋キャッサバの植え付けが加速している。同省でもキャッサバ価格下落の影響により、生産者は肥料や灌漑などへの投資に消極的であり、単収は前年を下回ると見込まれている。また、効果的な栽培と病虫害の最小化のために、同省政府はキャッサバモザイク病(注1)の耐性品種などの使用を推奨している。
同国全体のキャッサバモザイク病は25年5月8日現在、合計5万4314ヘクタール(前月比20.6%増)で発生が確認され、前月から大幅に増加した(注2)。
(注1)ウイルス感染により葉に黄化斑が発生する病気で、光合成が十分に行われず、最悪の場合には作物が枯死してしまうため、収穫量が大幅に減少する。ベトナムのほかに、近隣国のタイやカンボジアで流行が確認されている。
(注2)FAO統計によると同国のキャッサバ作付面積は、近年、おおむね50万ヘクタール程度で推移している。
【貿易動向】
25年5月の輸出量は前月からやや増加、輸出価格は前月からわずかに上昇
AgroMonitorによると、2025年5月のタピオカでん粉輸出量は、26万9106トン(前年同月比3.3倍、前月比5.9%増)と前年同月を大幅に上回り、前月からやや増加した(表、図)。
同月の輸出価格(CFR価格・中国向け)は、1トン当たり341米ドル(4万9401円、同31.3%安、同0.6%高)と前年同月を大幅に下回り、前月からわずかに上昇した。
【貿易動向】
25年3月の輸出量は前月からわずかに減少、輸出価格は前月からわずかに下落
2025年3月のばれいしょでん粉輸出量(注)は、3万8082トン(前年同月比16.6%減、前月比0.6%減)と前年同月を大幅に下回り、前月からわずかに減少した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり975.7ユーロ(16万1059円、同11.7%高、同0.6%安)と前年同月をかなり大きく上回り、前月からわずかに下落した。
(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。
【貿易動向】
25年3月の輸出量は前月からわずかに減少、輸出価格は前月からやや下落
2025年3月の化工でん粉の輸出量は、9万1666トン(前年同月比9.8%減、前月比1.0%減)と前年同月をかなりの程度下回り、前月からわずかに減少した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり807.6米ドル(11万6997円、同8.1%安、同4.8%安)と前年同月をかなりの程度下回り、前月からやや下落した。
【貿易動向】
25年3月の輸出量は前月からやや増加、輸出価格は前月からわずかに下落
2025年3月の化工でん粉の輸出量(注)は、4万7611トン(前年同月比2.1%減、前月比5.5%増)と前年同月をわずかに下回り、前月からやや増加した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1486.6ユーロ(24万5393円、同8.6%安、同1.1%安)と前年同月をかなりの程度下回り、前月からわずかに下落した。
(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。
【貿易動向】
25年3月の輸出量は前月から大幅に増加、輸出価格は前月からやや下落
2025年3月の化工でん粉の輸出量は、2万9631トン(前年同月比22.9%増、前月比38.5%増)と前年同月を大幅に上回り、前月から大幅に増加した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FAS価格)は、1トン当たり1665.0米ドル(24万1209円、同6.0%安、同3.9%安)と前年同月をかなりの程度下回り、前月からやや下落した。
【貿易動向】
25年4月の輸出量は前月からかなり大きく減少、輸出価格は前月からやや下落
2025年4月の化工でん粉の輸出量は、1万3479トン(前年同月比25.4%減、前月比11.0%減)と前年同月を大幅に下回り、前月からかなり大きく減少した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1225.1米ドル(17万7480円、同13.4%高、同4.9%安)と前年同月をかなり大きく上回り、前月からやや下落した。
【貿易動向】
25年3月の輸出量は前月からかなりの程度減少、輸出価格は前月からかなりの程度上昇
2025年3月の化工でん粉の輸出量は、3279トン(前年同月比29.8%減、前月比7.7%減)と前年同月を大幅に下回り、前月からかなりの程度減少した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1818.6米ドル(26万3461円、同6.9%高、同6.9%高)と前年同月をかなりの程度上回り、前月からかなりの程度上昇した。