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最終更新日:2025年9月10日
【需給動向:トウモロコシ】
25/26年度は生産量の上方修正から期末在庫は上方修正
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2025年8月12日、2025/26年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表)。
これによると、同年度の世界のトウモロコシ生産量は12億8858万トン(前年度比5.1%増)と前月から2492万トン上方修正された。主要生産国である米国の収穫面積や単収の引き上げに伴う生産量の上方修正などが反映された。
輸入量は、世界全体で1億9216万トン(同4.7%増)と前月から440万トン上方修正された。EUの輸入量は2200万トンと、高温干ばつ傾向による減産見込みのため、前月から150万トン上方修正されたことなどが反映された。
消費量は、世界全体で12億8915万トン(同2.4%増)と前月から1339万トン上方修正され、引き続き高水準を維持している。米国やEUの上方修正が反映された。
輸出量は、世界全体で2億86万トン(同3.7%増)と前月から505万トン上方修正された。
これらの結果、期末在庫は、生産量の上方修正が反映され、2億8254万トン(同0.2%減)と前月から1046万トン上方修正された。
【貿易動向:トウモロコシ】
25年6月の輸出量は前月からかなりの程度減少、輸出価格は前月からわずかに下落
2025年6月の米国のトウモロコシ輸出量は、675万8306トン(前年同月比25.7%増、前月比7.4%減)と前年同月を大幅に上回り、前月からかなりの程度減少した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FAS価格)は、1トン当たり223.9米ドル(3万3672円、同0.4%高、同1.1%安)と前年同月をわずかに上回り、前月からわずかに下落した。
【貿易動向:コーンスターチ】
25年6月の輸出量は前月からかなり大きく減少、輸出価格は前月からわずかに上昇
2025年6月の米国のコーンスターチ輸出量は、1万5201トン(前年同月比19.2%減、前月比13.2%減)と前年同月を大幅に下回り、前月からかなり大きく減少した(表、図)。
同月の輸出価格(FAS価格)は、1トン当たり766.1米ドル(11万5214円、同0.6%高、同2.5%高)と前年同月をわずかに上回り、前月からわずかに上昇した。
米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、25年7月の同国中西部市場におけるコーンスターチ価格は、1ポンド当たり15.91米セント(注)(23.9円、前年同月比1.3%安、前月比2.4%安)と前年同月をわずかに下回り、前月からわずかに下落した(図)。
(注)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
【生産動向】
キャッサバ価格の下落により他作物への転作が懸念
ベトナムの民間調査会社(AgroMonitor)によると、北部地域ではキャッサバ価格の下落により25/26年度の作付面積が少なくとも30%減少すると予測されており、生産者はキャッサバに比べ収益性の高いトウモロコシやコーヒーなど他作物への転作を余儀なくされている。また、同地域の一部では長期的な洪水が発生していることから、同年度のキャッサバのでん粉含有量は減少する可能性がある。中部地域でも、キャッサバ価格の下落と生産コストの上昇により、キャッサバからサトウキビやトウモロコシなどの他作物への転作が進み、作付面積の減少が予測されている。南部地域のタイニン省では、効果的な栽培と病虫害リスク軽減のために、同省政府はキャッサバモザイク病(注)の耐性品種などの使用を推奨している。
(注)ウイルス感染により葉に黄化斑が発生する病気で、光合成が十分に行われず、最悪の場合には作物が枯死してしまうため、収穫量が大幅に減少する。ベトナムのほかに、近隣国のタイやカンボジアで流行が確認されている。
【貿易動向】
25年7月の輸出量は前月から大幅に減少、輸出価格は前月からわずかに下落
AgroMonitorによると、2025年7月のタピオカでん粉輸出量は、14万7023トン(前年同月比29.4%減、前月比24.1%減)と前年同月を大幅に下回り、前月から大幅に減少した(表、図)。
同月の輸出価格(CFR価格・中国向け)は、1トン当たり345米ドル(5万1885円、同29.4%安、同2.0%安)と前年同月を大幅に下回り、前月からわずかに下落した。
【貿易動向】
25年5月の輸出量は前月からかなりの程度減少、輸出価格は前月並み
2025年5月のばれいしょでん粉輸出量(注)は、3万5340トン(前年同月比15.8%減、前月比9.4%減)と前年同月をかなり大きく下回り、前月からかなりの程度減少した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり956.7ユーロ(16万4792円、同6.9%高、同0.1%安)と前年同月をかなりの程度上回り、前月並みであった。
(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。
【貿易動向】
25年5月の輸出量は前月からかなりの程度増加、輸出価格は前月からわずかに上昇
2025年5月の化工でん粉の輸出量は、8万8980トン(前年同月比3.2%増、前月比6.9%増)と前年同月をやや上回り、前月からかなりの程度増加した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり826.3米ドル(12万4267円、同9.1%安、同0.5%高)と前年同月をかなりの程度下回り、前月からわずかに上昇した。
【貿易動向】
25年5月の輸出量は前月からわずかに減少、輸出価格は前月からやや下落
2025年5月の化工でん粉の輸出量(注)は、4万6442トン(前年同月比4.4%減、前月比2.2%減)と前年同月をやや下回り、前月からわずかに減少した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1500.5ユーロ(25万8461円、同6.1%安、同3.4%安)と前年同月をかなりの程度下回り、前月からやや下落した。
(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。
【貿易動向】
25年5月の輸出量は前月からかなりの程度増加、輸出価格は前月からやや下落
2025年5月の化工でん粉の輸出量は、2万4663トン(前年同月比2.5%増、前月比9.3%増)と前年同月をわずかに上回り、前月からかなりの程度増加した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FAS価格)は、1トン当たり1648.3米ドル(24万7888円、同3.2%安、同3.9%安)と前年同月をやや下回り、前月からやや下落した。
【貿易動向】
25年6月の輸出量は前月からかなり大きく減少、輸出価格は前月からやや下落
2025年6月の化工でん粉の輸出量は、1万3693トン(前年同月比24.3%減、前月比11.2%減)と前年同月を大幅に下回り、前月からかなり大きく減少した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1209.7米ドル(18万1927円、同2.0%高、同5.1%安)と前年同月をわずかに上回り、前月からやや下落した。
【貿易動向】
25年5月の輸出量は前月から大幅に増加、輸出価格は前月からわずかに上昇
2025年5月の化工でん粉の輸出量は、3910トン(前年同月比21.8%増、前月比27.9%増)と前年同月を大幅に上回り、前月から大幅に増加した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1692.4米ドル(25万4520円、同10.0%高、同2.8%高)と前年同月をかなりの程度上回り、前月からわずかに上昇した。