
ホーム > でん粉 > でん粉の国際需給 > 2 日本の品目別主要輸入先の動向
最終更新日:2025年10月10日
【需給、価格動向:トウモロコシ】
米国は生産量の増加などから期末在庫は大幅に増加
USDA/WAOBは2025年9月12日、2025/26年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを公表した(表)。
米国内生産量は、収穫面積が上方修正により1933年以来の最高値となったことで、168億1400万ブッシェル(4億2709万トン(注)、前年度比13.1%増)と前年度からかなり大きく増加し、過去最大の生産量が見込まれている。
米国内消費量は、130億8000万ブッシェル(3億3225万トン、同4.7%増)と前年度からやや増加が見込まれている。
輸出量は、29億7500万ブッシェル(7557万トン、同5.1%増)と前年度からやや増加が見込まれている。
期末在庫は、21億1000万ブッシェル(5360万トン、同59.2%増)と前年度から大幅な増加が見込まれている。
また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、13.1%(同4.5ポイント増)と、前年度を上回ると見込まれている。
生産者平均販売価格は、前月に続き1ブッシェル当たり3.90米ドル(577円。1キログラム当たり23円、同9.3%安)と前年度からかなりの程度下落が見込まれている。
(注)1ブッシェルを約25.401キログラムとして農畜産業振興機構が換算。
【貿易動向:トウモロコシ】
25年7月の輸出量は前月からかなりの程度減少、輸出価格は前月からわずかに下落
2025年7月の米国のトウモロコシ輸出量は、623万7404トン(前年同月比16.8%増、前月比7.7%減)と前年同月を大幅に上回り、前月からかなりの程度減少した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FAS価格)は、1トン当たり221.2米ドル(3万2720円、同1.6%高、同1.2%安)と前年同月をわずかに上回り、前月からわずかに下落した。
【貿易動向:コーンスターチ】
25年7月の輸出量は前月からかなりの程度増加、輸出価格は前月からかなりの程度下落
2025年7月の米国のコーンスターチ輸出量は、1万6692トン(前年同月比2.9%減、前月比9.8%増)と前年同月をわずかに下回り、前月からかなりの程度増加した(表、図)。
同月の輸出価格(FAS価格)は、1トン当たり689.7米ドル(10万2020円、同11.1%安、同10.0%安)と前年同月をかなり大きく下回り、前月からかなりの程度下落した。
米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、25年8月の同国中西部市場におけるコーンスターチ価格は、1ポンド当たり15.19米セント(注)(22.5円、前年同月比2.8%高、前月比4.5%安)と前年同月をわずかに上回り、前月からやや下落した(図)。
(注)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
【生産動向】
24/25年度のキャッサバ生産量は減少の見込み
タイ農業協同組合省農業経済局(OAE)が公表した「農業経済2025年8月」によると、2024/25年度(10月〜翌9月)のキャッサバ収穫面積は、864万ライ(138万ヘクタール(注1)、前年度比2.6%減)とわずかに減少し、単収は1ライ当たり3.12トン(1ヘクタール当たり19.53トン、同3.2%減)とやや減少が見込まれている(表)。この結果、生産量は2698万トン(同5.7%減)とやや減少が見込まれている。
タイでは、18/19年度からキャッサバモザイク病(注2)の感染が拡大しており、農業普及局によると、25年9月15日現在の感染面積は、39県で109万9364ライ(17万5898ヘクタール、前月比20.2%増)と大幅に増加している。同局は、近隣国から流入する感染苗の監視強化や生産者に対する抵抗性品種栽培の推奨などを継続しており、でん粉団体と協力し生産者の収入安定と産業の持続可能性を支えることを目指している。
タイの主要研究機関であるタイ開発研究所(TDRI)は、タイのキャッサバ産業の課題と政策提言を公表した。キャッサバモザイク病のまん延や輸出先としての中国への依存などを解決するため、抵抗性品種栽培の推奨や取引相手先の多様化が不可欠としている。また、タイのキャッサバ産業の持続可能性と競争力を確保するためには、政府や民間、農家などが連携し、政策の再構築と戦略的投資が急務であるとした。
(注1)1ライを0.16ヘクタールとして農畜産業振興機構が換算。
(注2)ウイルス感染により葉に黄化斑が発生する病気で、光合成機能が低下し、枯死することもあるため収穫量が大幅に減少する。タイのほかに、近隣国のベトナムやカンボジアで流行が確認されている。
【価格動向】
国内価格は前月からわずかに下落
タイ・タピオカでん粉協会(TTSA)によると、2025年9月第2週のタピオカでん粉の国内価格は、1キログラム当たり13.40バーツ(62.0円、前年同期比22.1%安、前月同週比0.7%安)と前年同期を大幅に下回り、前月からわずかに下落した(図)。
【貿易動向】
25年6月の輸出量は前月から大幅に減少、輸出価格は前月からわずかに上昇
2025年6月のタピオカでん粉輸出量は、21万8960トン(前年同月比3.1%減、前月比19.4%減)と前年同月をやや下回り、前月から大幅に減少した(表、図)。
同月の輸出価格(FOB価格・バンコク)は、1トン当たり436.7米ドル(6万4597円、同20.2%安、同2.1%高)と、前年同月を大幅に下回り、前月からわずかに上昇した。
【貿易動向】
25年6月の輸出量は前月からかなりの程度減少、輸出価格は前月からわずかに上昇
2025年6月のばれいしょでん粉輸出量(注)は、3万2703トン(前年同月比23.5%減、前月比7.5%減)と前年同月を大幅に下回り、前月からかなりの程度減少した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり966.7ユーロ(16万7210円、同7.5%高、同1.0%高)と前年同月をかなりの程度上回り、前月からわずかに上昇した。
(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。
【貿易動向】
25年6月の輸出量は前月からわずかに増加、輸出価格は前月からやや下落
2025年6月の化工でん粉の輸出量は、8万9440トン(前年同月比12.0%増、前月比0.5%増)と前年同月をかなり大きく上回り、前月からわずかに増加した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり797.8米ドル(11万8011円、同8.8%安、同3.5%安)と前年同月をかなりの程度下回り、前月からやや下落した。
【貿易動向】
25年6月の輸出量は前月からかなり大きく減少、輸出価格は前月からわずかに下落
2025年6月の化工でん粉の輸出量(注)は、4万81トン(前年同月比4.9%減、前月比14.4%減)と前年同月をやや下回り、前月からかなり大きく減少した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1460.2ユーロ(25万2571円、同5.4%安、同2.1%安)と前年同月をやや下回り、前月からわずかに下落した。
(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。
【貿易動向】
25年6月の輸出量は前月からやや減少、輸出価格は前月からわずかに上昇
2025年6月の化工でん粉の輸出量は、2万3704トン(前年同月比9.2%増、前月比3.9%減)と前年同月をかなりの程度上回り、前月からやや減少した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FAS価格)は、1トン当たり1689.1米ドル(24万9852円、同2.5%安、同2.5%高)と前年同月をわずかに下回り、前月からわずかに上昇した。
【貿易動向】
25年7月の輸出量は前月からかなり大きく増加、輸出価格は前月からやや下落
2025年7月の化工でん粉の輸出量は、1万5511トン(前年同月比2.2%減、前月比13.3%増)と前年同月をわずかに下回り、前月からかなり大きく増加した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1159.2米ドル(17万1469円、同5.9%安、同4.2%安)と前年同月をやや下回り、前月からやや下落した。
【貿易動向】
25年6月の輸出量は前月からかなり大きく減少、輸出価格は前月からやや下落
2025年6月の化工でん粉の輸出量は、3341トン(前年同月比29.8%増、前月比14.6%減)と前年同月を大幅に上回り、前月からかなり大きく減少した(表、図)。
また、同月の輸出価格(FOB価格)は、1トン当たり1620.2米ドル(23万9660円、同0.9%高、同4.3%安)と前年同月をわずかに上回り、前月からやや下落した。