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平年30年度与論町さとうきび生産振興大会の開催について 〜増産への決意を新たに〜

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最終更新日:2018年6月7日

鹿児島事務所 小笠原 健人

 9月12日(木)、日置市の鹿児島県立農業大学校において、令和元年度起業活動リーダー研修(以下、「研修」という。)が開催された。
 この研修は、県下で起業活動に取り組む組織等の更なる地域農産物の有効活用と農業・農村の活性化を図るために、その活動の中核となるリーダー等の加工技術の向上と情報交換を目的として実施されており、当日は、農産加工品の製造・販売を行っている生活研究グループ員などを中心とした27名が研修に出席した。
 
 今回の研修では、農産物の加工に関連した複数の講演が行われ、当機構からも情報提供の一つとして、北原所長代理より「砂糖の種類と特徴、製造法、砂糖をめぐる事情等について」と題した講演を行った。
 講演では、国民の食生活上での砂糖の位置付けや、国内における砂糖の生産状況のほか、国内に流通する砂糖の種類や、その種類ごとの特性と製造方法の違いに加え、糖価調整制度の役割と仕組みなどについても説明がなされた。講演後の質疑応答やアンケートでは、「製造方法や製造工程で名称が異なることを知り、勉強になった」、「白砂糖は漂白されており、体に悪いと聞いていたが、それは間違いであることがわかった」、「普段何気なく活用していたので、製造する加工食品に合わせて活用したい」といった意見が多くみられ、砂糖の安全性や砂糖の種類ごとの特徴などに対する関心の高さが伺えた。また、糖価調整制度については、今回の講演を通じて、初めて制度の存在を知ったという声が多く聞かれた。
 
 当機構としては引き続きこのような機会を通じて、砂糖に関する正しい知識の普及および価格調整制度の周知・浸透に努めてまいりたい。
写真1 原田新一郎会長のあいさつ
写真1 原田新一郎会長のあいさつ
 続いて、当機構鹿児島事務所の石井所長から業務運営に際しての謝辞の後、「当機構は、糖価調整制度の実施機関として、サトウキビの生産者の皆様や国内産糖製造事業者に交付金を交付することにより、生産者の経営安定や関連産業の健全な発展を通じて、砂糖の安定的な供給を図っています。また、これまで認められていた特例要件が平成30年産をもって終了するため、A3、A4の要件で加入している方は本則で加入できるよう準備してほしい。引き続きサトウキビの生産が安定的に行われ、消費者・国民の皆様に対して糖価調整制度における理解の醸成が図られるよう努力していきたい。」とあいさつした。
写真2 石垣理事によるあいさつ
写真2 石垣理事によるあいさつ
 また、機構調査情報部坂上大樹から「オーガニックシュガーをめぐる情勢」と題して講演を行った。講演では、欧米を中心とした健康食ブームを背景として、輸出向けのオーガニックシュガーの生産量が増加し続けている、世界最大の生産国であるブラジルにおける、サトウキビの生産現場やオーガニックシュガーの製造工程、輸出戦略などが紹介された。

 その後、鹿児島県農業開発総合センター徳之島支場 黒木栄一研究専門員から「さとうきびで儲けるためのポイント!!」と題し、講演が行われた。講演では、同氏が開発した株出し管理機「スクープ」の紹介と併せて、梅雨明け前の灌水の重要性や株出し管理のポイント、各品種の特徴など、収量をアップさせるためのポイントが説明された。
 講演後、サトウキビ生産者である徳之島の大竹勝人氏および沖永良部島の瀬川静一郎氏、参加者間でのパネルディスカッションが行われ、収量をアップさせるための栽培管理方法などについて活発な議論が行われた。
 最後に、関係者が一体となってがんばろう三唱を行い、JAあまみ与論地区さとうきび部会 町繁一副会長のあいさつをもって閉会となった。
 
写真3 参加者によるがんばろう三唱
写真3 参加者によるがんばろう三唱
 当機構は、引き続き、サトウキビの生産農家の方々が再生産を可能とするよう価格調整制度の周知・浸透の取組みを行い、交付金の交付業務の適切な運営に努めてまいりたい。
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 地方事務所 (担当:鹿児島事務所)
Tel:099-226-4741