牛舎を見学しながら意見交換している様子
講師の平川さんが説明している様子
alicでは、将来の畜産農家の育成に向けたPR活動やイベントの開催、また新規就農者向けの研修会の実施などの取組に支援をしています。今回は事業を活用して、9月に大分県で開催された多様な担い手育成支援事業の研修会を取材しました。
肉用牛農家の生産現場では、どのような課題があり、またそれをどのように解決していくのか。肉用牛農家への就農に関心がある農業高校、農業大学校の学生など50名が参加し、実際の農場で開催された研修会(バーンミーティング)の内容を紹介します。
バーンミーティングは、大分県内の生産者ネットワーク組織である「大分畜産Net“鼓動”」(以下「鼓動」という。)のベテラン生産者を講師に、会員である「長野ファーム」の経営主を中心に、鼓動会員、賛助会員、行政とともに農業高校生、農業大学校生に加え、飼料メーカーや農業機械メーカーの担当者など50名が参加して行われました。
残暑の中、鼓動の理事で今回の研修会の講師である平川修さんが、長野ファーム代表の長野由治さんに確認しながら、牛や牛舎の状況を説明し、それに対する意見やアドバイスを、参加者に求める形で進みました。
長野ファームは、稲作を中心とした経営ですが、祖父の代に肉用牛繁殖雌牛を飼養していた背景もあり、平成28年から兼業として、肉用牛繁殖経営を開始しました。その後、alicの肉用牛経営安定対策補完事業の簡易牛舎の事業などさまざまな事業を活用して、規模拡大し、現在は繁殖母牛72頭規模の経営となっています。
研修会の中での代表の長野さんの飼養管理の課題は、田植えや稲刈り等の稲作の繁忙期は人手不足となるため、繁殖雌牛の発情期の見逃しをしてしまうことでした。このことについては、他の参加者から具体的な有効事例を出してもらうなど、活発に意見を交わしていました。
また、飼料会社からの牛の成長段階による給餌管理や自社製品の説明には、農業学生も興味を持って耳を傾けている様子でした。
今回の研修会の事務局である(公社)大分県畜産協会の担当者によると、「学生には技術的な勉強の機会としてほしいが、それ以外にも農家や畜産関連会社と顔見知りになっておくという、地域内の『つながり』をつくることを重視している。」とのことでした。
参加した学生からは「遠方にある実家が畜産農家だが、地元では、各々で経営しており、このような生産者同士が学び合う組織はなく、新鮮に感じた。」というコメントがありました。
最後に、講師の平川さんから「現場はこのように現実と向き合い、もがきながらも夢と希望を持ってやっている。正解はないが、今回の研修のように刺激を受け合いながら、農家の先輩である我々は日々の作業を見直し、また頑張ろうという思いになる。学生のみなさんも、現場を見る中で、勉強していることを、どのように生かすのかを考えて、自分の将来を描いてほしい。」との挨拶で、バーンミーティングは閉会となりました。