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平年29年度沖縄県「防風林の日」関連行事が開催された

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最終更新日:2017年12月8日

平成29年12月

那覇事務所 寺西 徹能

はじめに
 平成29年9月の台風18号は、さとうきびをはじめとする農作物や農業用施設等への被害を宮古島などにもたらした。これらの被害を低減するためにも、防風・防潮林の整備をより一層推進することが必要であり、これまでも、その整備は進められてきているが、植樹を行ってから防風林としての効果を発揮するまでに時間を要することなどから、今なお十分とはいえない状況である。このため沖縄県では、農家はもとより広く県民に防風・防潮林整備の重要性を理解してもらうことを目的とし、11月の第4木曜日を「防風林の日」と定め、防風・防潮林の普及活動に取り組み、表彰、講演会、植樹活動などを行っている。
 今年度は、11月22日に沖縄本島の恩納村役場において、沖縄県防災農業推進会議の主催により「防風林の日」関連行事が以下の3部構成で開催され、生産者や行政などの農業関係者約80人が出席した。

第1部 沖縄県防災農業賞表彰式

 防風・防潮林を積極的に整備し、また、他の地域の模範となる取り組みを行っている次の団体に沖縄県防災農業賞の表彰が行われた。
団体の部:恩納村地域農業振興推進連絡協議会(代表:吉田兼師氏)
 同団体は、平成3年に設立され、地域農業の振興や農業経営の改善、会員相互の地位向上などを図るほか、農地防風林帯の下草刈りや補植・植林、土壌保全に取り組んでいる。
表彰された吉田代表
表彰された吉田代表

第2部 防災農業推進講演会

 沖縄県営農支援課副参事の伊志嶺正人氏と、北部農林水産振興センター農業改良普及課主任技師の外間康洋氏を講師に迎え、両氏による講演が行われた。

・「防風林帯を作ろう―農作物を守るため―」
 伊志嶺副参事から、防風林の主な機能を説明し、主防風林と副防風林などの有効な設置方向、防風林に適した樹種とその特徴、南大東村などの防風林帯を紹介するとともに、テリハボクの成長が比較的早く、1種類でも効果があることや、ドローンを活用した農地の防風林効果の確認などについて説明された。

・「本島北部地域の防風林優良事例」
 外間主任技師から、果樹生産者3名の優良事例として、防風林の防除や剪定などの管理や立派になるまでに20〜25年を要すること、親が植えた防風林を大事に育てて後継者のために植えていることなど生産者3名の共通する取り組みを紹介するとともに、沖縄の農業には防風林は不可欠であること、防風林を植えてから後継者へと引き継いでいくことの重要性について説明された。
伊志嶺副参事の講演
伊志嶺副参事の講演
外間主任技師の講演
外間主任技師の講演

第3部 植樹大会

 開催地である恩納村の長浜善巳村長からの挨拶、当機構の宮坂理事長からの挨拶、生産者代表からのスローガン・がんばろう三唱、小学生が描いたポスター原画コンクール表彰式、次年度開催地である久米島町への引き継ぎセレモニーと進み、最後に、フクギなどの苗木の植樹を関係者や恩納村の児童ら参加者全員で行った。
引き継ぎセレモニーの様子
引き継ぎセレモニーの様子
記念植樹の様子
記念植樹の様子

おわりに

 防風・防潮林として機能するには時間を要することから継続的な植樹活動や維持・管理が重要である。そして、「防風林の日」の関連行事は、多くの方にその重要性を伝えることができる貴重な機会となっている。  当機構としても、生産者や県民に防風・防潮林への理解がより深まるよう、情報提供に努めてまいりたい。
恩納村の小学生が描いたポスター原画展
恩納村の小学生が描いたポスター原画展
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 地方事務所 (担当:那覇事務所)
Tel:098-866-1033