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公益社団法人沖縄県糖業振興協会平成30年度定時総会の開催について

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最終更新日:2018年7月19日

那覇事務所 針ヶ谷 敦子

 6月19日(火)に、沖縄県島尻郡南風原町の土地改良会館において、公益社団法人沖縄県糖業振興協会(以下「協会」という。)の平成30年度定時総会が開催された。
 協会は昭和49年に設立され、さとうきびの生産振興、分蜜糖及び含蜜糖の振興対策を推進するとともに、さとうきび品質取引制度の円滑な運営を推進することにより、さとうきび生産者及び製糖事業者の経営安定に資することを目的とするものである。
 今回の総会では、協会の長嶺理事長の議事進行により、平成29年度計算書類等について承認され、平成29年度の事業報告や平成30年度の事業計画が報告された。
開会あいさつの様子
開会あいさつの様子
1.平成29年度事業報告
(1)平成29年産さとうきび生産概況
 協会は、各製糖事業者や糖業関係団体からの速報値を基に平成29年産のさとうきび生産概況(速報)を以下のとおり取りまとめた。括弧内は平成28年産と比較した増減である。
 
〔沖縄県さとうきび生産量〕
 県全体 76万8,675トン(16万8,848トン減)
 うち分蜜糖生産地域  69万8,534トン(16万8,680トン減)
 含蜜糖生産地域   7万141トン(168トン減)
 
〔地域ごとの生産量〕
 沖縄本島  14万9,750トン(2万5,577トン減)
 沖縄周辺離島  16万2,356トン(5万7,658トン減)
 宮古地域  32万1,893トン(11万3,671トン減)
 八重山地域  13万4,675トン(2万8,057トン増)

(2)事業概要
 さとうきびは沖縄県の基幹作物であり、甘しゃ糖企業を始め輸送業など地域の関連産業への経済波及効果及び地域貢献度は高い。協会は、県、市町村、関係団体などと連携してさまざまな事業を実施し、さとうきび増産に向けた支援に取り組んでいる。
 報告のあった平成29年度事業内容は以下のとおり。

ア さとうきび自然災害被害対策事業(セーフティネット基金)
 同事業の発動要件である病害虫発生予察注意報が県内全域に発令され、一部地域では梅雨明け後の少雨傾向により干ばつの要件が発動したため、各種被害からの回復に向けて、県内18の事業実施主体からの発動要件に該当する申請に対して、薬剤購入費、堆肥施用費、種苗の確保、かん水及び株出等管理作業の委託料等の助成を実施。

イ 品質取引対策
 さとうきび品質取引が公正かつ確実に実施されるよう製糖工場、JA、生産者、品質取引立会人を対象とした各種研修会を実施。また、平成28/29年期の搬入データを取りまとめ、「さとうきび品質・生産実績」を作成し関係先へと配布。
 導入後10年を経た測定システム機器の更新検討を行い、細裂装置の試作機開発及びその導入評価試験を実施。

ウ 糖業振興対策
 製糖事業者に対して生産条件格差の不利を補正するための助成措置と、経営改善計画に基づいた設備設置に伴う経費の一部助成措置を実施。

2.平成30年度事業計画
 平成29年産は梅雨明け後の干ばつ傾向や台風の影響はあったが、各種増産対策による生産回復の効果が得られている状況である。平成30年度の事業計画では、協会は、今後も関係機関・団体と一体となったさとうきびの生産振興を図るため、生産産意欲の高揚・栽培技術の向上につながる競作会の実施や、台風等被害を受けた際の生産回復に向けた取組を継続して強化すると報告された。報告内容は以下のとおり。
 
(1)さとうきび生産振興対策
 ア さとうきび増産対策
 「さとうきび自然災害被害対策事業(セーフティネット基金)」
 病害虫、干ばつ、台風被害等による自然災害からの回復のため、要件発動後の対策を実施する事業実施主体の適正・迅速な執行を支援する。

 イ さとうきび競作会の開催
 農家の生産意欲の高揚による生産振興を進めるため、創意工夫により高い生産実績をあげ、地域の規範となる優良農家及び生産法人等を調査し、その生産技術や経営改善内容の普及啓発を図る。また、調査によって選定したさとうきび優良農家・団体を表彰し、その業績を関係機関や県民に広く紹介し、沖縄県におけるさとうきび生産の重要性について共有する。
 
(2)さとうきび品質取引対策の推進
 公正かつ円滑な品質取引が運営されるよう品質測定システムの管理を行い、運営に必要な事項について協議・検討を行う。また、分蜜糖工場の品取機器の更新に向けて関係団体と協力し進めていく。

(3)糖業振興対策の推進
 「分蜜糖振興対策事業」
 「含蜜糖振興対策事業」
 製糖業及びさとうきびの生産の安定化を図るため、製造事業者に対して生産条件格差の不利を補正する助成措置を行い、併せて製糖設備の整備を支援する。また、気象災害等による原料処理量の減少や原料の品質劣化等により、製品重量当たりの製造コストが上昇した場合に、気象災害等影響緩和対策補助金を交付する。
 
 以上のように、協会では県、市町村、関係団体等と一体となり、さとうきび増産に向けた各種支援を実施しており、当機構としても、引き続き協会と情報交換を行い、沖縄県のさとうきび生産及び甘しゃ糖業の発展に寄与してまいりたい。
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農畜産業振興機構 地方事務所 (担当:那覇事務所)
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