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砂糖の出前講座を開催(札幌消費者協会)

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最終更新日:2017年3月17日

平成29年3月

札幌事務所 黒澤 和寛  

 当機構は、砂糖の価格調整制度などの周知・浸透を図る取り組みの一環として、砂糖に関する講義を行う「砂糖の出前講座」(以下「出前講座」という)を実施している。
 平成29年2月23日、公益社団法人札幌消費者協会の協力を得て、札幌市の札幌エルプラザにおいて、出前講座を開催した。本出前講座では、当機構札幌事務所職員による講義や砂糖に関する理解や知見を深めてもらうための体験講座に加えて、当機構の取り組みの趣旨に賛同して参画いただいた、日本甜菜製糖株式会社、北海道糖業株式会社、ホクレン農業協同組合連合会の各製糖企業担当者からも説明を行った。
 当日は、同協会の研究グループ「食と健康を考える会」の会員を中心に一般消費者36名の参加があった。

 はじめに、当事務所の黒澤から「砂糖の価格調整制度について」と題した講義を行い、日本における砂糖の位置付けや流通構造、砂糖生産とその重要性について説明したうえで、日本の砂糖を支える仕組みである価格調整制度について説明を行った。
 つぎに、当事務所の平石所長から「砂糖の持つ特性や働きについて」と題した講義を行い、砂糖は脳のエネルギー源であることなど砂糖と健康との関係や、防腐効果や肉の柔軟効果など食品を甘くする以外の砂糖の働きについて説明を行った。
砂糖の持つ特性や働きについて説明する当事務所の平石所長
砂糖の持つ特性や働きについて説明する当事務所の平石所長
 その後、体験講座として、てん菜糖の製糖工場で一般的に用いられているイオン交換樹脂を活用して、原料糖を水に溶解した褐色の糖液を脱色する体験を行った。
体験講座の様子
体験講座の様子
 最後に、ホクレン農業協同組合連合会砂糖類販売課の阿部氏から北海道の製糖状況について、日本甜菜製糖株式会社札幌営業所の古池所長からてん菜糖の歴史について、それぞれ専門的な立場からわかりやすく説明を行っていただいた。
北海道の製糖状況について説明するホクレンの阿部氏
北海道の製糖状況について説明するホクレンの阿部氏
てん菜糖の歴史について説明する日本甜菜製糖の古池所長
てん菜糖の歴史について説明する日本甜菜製糖の古池所長
 参加者からは「上白糖とグラニュー糖の違いは何か」「砂糖は温度により形状変化が起きるが、どのように変化しているのか」「オリゴ糖と砂糖との関係が知りたい」など多くの質問が寄せられ、身近な食品である砂糖に対する関心の高さがうかがわれた。
 参加者からの質問に対しては、当事務所のほか、北海道糖業株式会社札幌営業課の吉富課長をはじめ製糖企業の担当者から丁寧に回答を行った。
参加者からの質問に回答する北海道糖業の吉富課長
参加者からの質問に回答する北海道糖業の吉富課長
 終了後に行ったアンケートでは、出前講座のいずれの内容についても、8割が「分かりやすかった」としたほか、「誤解していたことや知らなかったことが多くあり、新たな気付きと知識が得られた」「道内における砂糖の重要性について認識を新たにした」などといった感想が寄せられた。
 本出前講座では、実際に北海道でてん菜糖を製造している製糖企業の担当者にも参画していただいたことで、より専門的な内容を提供する場になり、参加者の満足度を向上させたと思われる。

 当事務所は、今後も、砂糖の価格調整制度などの周知・浸透を図る取り組みについて、関係者との連携も図りながら進めてまいりたい。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 地方事務所 (担当:札幌事務所)
Tel:011-221-0786