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平成19年度でん粉に関する地域情報交換会の開催

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最終更新日:2010年3月6日

でん粉情報

札幌事務所


平成日(金)、当機構札幌事務所は、斜里町公民館「ゆめホール知床」において、でん粉に関する地域情報交換会を開催した。

 同交換会は、でん粉・でん粉原料用ばれいしょに関する生産、流通、消費、制度等に係る課題・取組等について、地域のニーズに応じた参集およびテーマを得て、生産者、生産者団体、でん粉製造事業者、流通業者、実需者、行政等の関係者間による情報提供・意見交換を促すことにより、関係者の課題に対する取組に資することを目的として、今回、当機構として初めて開催するものである。

 

 今回の地域情報交換会では、情報業務の一環として実施したタイにおけるタピオカでん粉産業の現地調査の結果の共有化を図るため、当機構の加藤調査情報部長より「タイのタピオカでん粉の生産とバイオエタノール利用について」と題して講演を行い、続いて、参加者との意見交換を行った。

会場には、でん粉製造事業者を中心に、斜里町農業協同組合、小清水町農業協同組合、清里町農業協同組合、生産者、生産者団体、行政、国内産糖製造事業者などの幅広い参集で、名の参加をいただいた。

 

 参加者からは、でん粉工場の現地での具体的な課題や国内産いもでん粉の需要拡大のための取組について意見交換していきたいとの意見もあり、今後も、でん粉に関する地域情報交換会を開催して参りたい。(戸田)

 

意見交換における主な意見等は次のとおりである。

・講演を聴いて、国内産いもでん粉の需要拡大を進める中、競争相手であるタイのタピオカでん粉生産の実情について理解を深めることができた。

・キャッサバがバイオエタノール向けとして利用されることにより、自分たちの生産しているばれいしょでん粉に何らかの好い影響が表われることに期待したい。

・タイでのバイオエタノールの普及が日本より格段に進んでいるとの報告が興味深かった。

・でん粉原料の種類(キャッサバ等)、バイオエタノール、バイオガスなどの基本を知ることができた。

・タイ全体での農業者の経営実態について詳しく知りたかった。

・ばれいしょでん粉のEU、ロシア、中国における状況について把握できた。

・燃料高騰を考えると、今後のバイオエタノールの動きには注意する必要があるだろう。

・ブラジル、アメリカ、中国のバイオエネルギーの状況、今後の見通しについて知りたい。

・でん粉工場の中で熱カロリーの転換および廃棄物の利用の説明があったが、製糖工場も同様の問題があり、コスト削減と共に次回のヨーロッパでの調査でオランダ(アベベ社)含む工場群の取組を調べて欲しい。

・消費者はBSEやひき肉の偽装問題などで“安ければいい”という思いから変化しているはずだが、新政度下で経営を考えた時、「国内産のでん粉や砂糖は必要とされていないのか」と思ってしまう。生産者も加工原料の生産だけをすればいいという考えだけではいけないとの状況認識を持つことが大事だが、地域経済を考えた時、でん粉原料用ばれいしょやてん菜が重要な作物であることには変わらない。

・国内産ばれいしょでん粉の有利性を再検索し、利用用途に合った特徴の再認識を含めて意見交換できれば、何か新しい道のヒントが見えるのかと思った。

・でん粉工場の現地での具体的な課題について情報交換できる場ができたと思う。

・国内産いもでん粉の需要拡大のためにどんな取組が必要か、これからも意見交換していきたい。

・抱き合せ制度がなくなったことから、農家が安心して生産できる環境が必要。

・斜里町における工場および原料生産は、全国的にほとんど知られていないことが分かったので、生産現場からの情報発信の必要性を感じた。 


写真1:地域情報交換会の様子
写真2:講演中の当機構加藤調査情報部長


写真3:会場近くのばれいしょ畑