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ラボバンクがタイ産生鮮鶏肉のEU輸入解禁の影響を公表

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 オランダの農業金融機関であるラボバンクは5月14日、EUのタイ産生鮮(加塩)鶏肉の輸入解禁に関する分析結果を発表した。
 EUは、タイにおける高病原性インフルエンザの発生に伴い2004年1月より同国からの生鮮鶏肉輸入を禁止していたところであるが、本年7月1日から8年ぶりの輸入再開を決定。タイは、再び生鮮(加塩)鶏肉クオータ92,610トンを利用することが可能となる。

EUに与える影響

 ラボバンクは、今回の解禁はEUの関係者にとってプラスになると分析している。EUにおける鶏肉市場は、生鮮が65%を占め、残り35%が冷凍である。また、EUで好まれる胸肉(White meat)市場のおよそ25%が輸入である。今回のタイ産生鮮鶏肉輸入解禁により、EU市場への最大の輸入量を誇るブラジル産生鮮鶏肉は一定のシェアを奪われるが、EUの地域鶏肉産業への影響はわずかだと予想している。それは、EUの生鮮鶏肉市場では、2010年に発令された再冷凍鶏肉流通販売の禁止措置および表示基準によりEU域内産鶏肉の差別化に成功していることから、タイ産が同分野に進出することは困難であるからだとしている。また、実需者にとっては、新たな選択肢にタイ産が加わることで、現在はブラジル産が約7割を占めいている市場に競合が発生し、買う側の交渉力強化がもたらされるとしている。競合の結果、輸入鶏肉価格は下落し、EUの輸入業者、加工業者および処理業者などは利益を受けると予想している。
 
 

EUに次いで日本が解禁を行った場合の影響

 ラボバンクは、EUに次いで日本がタイ産生鮮鶏肉を解禁した場合に、現在の国際鶏肉市場は大きく影響を受けると予測している。
 日本は、年間80万トンの鶏肉を輸入しており、もしタイ産生鮮鶏肉輸入が解禁した場合、この先2〜3年で生鮮鶏肉輸入は45万トンに達し、うちタイ産鶏肉は、輸入禁止となった2003年レベルの15万トンになると予想している。タイ産生鮮鶏肉の参入により、ブラジル産生鮮鶏肉の輸入量は、35万トンから25万トンに減少し、日本の輸入価格は競合が高まることから下落するとしている。また、現在輸入されている調理済み鶏肉などは生鮮鶏肉にシェアの一部を奪われ、輸入量は減少すると予想している。

タイ産鶏肉の今後の予測

 今回のEUへのタイ産生鮮鶏肉輸出解禁を受けて、タイの鶏肉生産量は、2015年までに8%から10%の増加が予想されている。さらに、もし日本がEUに引き続きタイ産生鮮鶏肉の輸入を解禁とした場合は、20%の増加が予想されている。
 また、ラボバンクは、タイの鶏肉産業にとっては、今が産業拡大の絶好の機会であり、生産および流通改善への投資が重要な成功の鍵としている。
 一方で、インフルエンザの将来的な発生に踏まえ、インフルエンザ発生の影響を受けない加工鶏肉産業もある一定規模を維持し、生鮮鶏肉とのバランスを取ることが重要であるとしている。
 また、タイ産鶏肉の輸出市場は、高品質市場である日本とEUで90%を占めるが、今後は、低品質市場である日本以外のアジア、アフリカなども視野に入れた輸出展開が必要であるとしている。
【参考】
「平成24年4月16日:8年ぶりに、タイ産鶏肉解禁へ(EU)
「平成23年9月29日:EUの家きん肉製品の輸出入状況
【矢野 麻未子 平成24年6月13日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9805



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