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でん粉の国内需給

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最終更新日:2014年8月11日

でん粉の国内需給

2014年8月

調査情報部

1.需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第 109号)により、でん粉に関して適切な価格調整を図るため、半期ごとにでん粉の需給の見通しを公表している。7月に公表したでん粉の需給見通しの概要は、以下のとおり。
 
 
 

(1)でん粉の需要量の見通し

 用途ごとのでん粉の需要量の見通しは以下のとおり。

【糖化用向けでん粉の需要量】
25でん粉年度の需要量は、前年度比減と見込まれる

 平成24でん粉年度の糖化用向け需要は、前年度を7000トン上回る、180万3000トンとなった。これは、発泡酒向け水あめの需要が低下した一方、清涼飲料を中心とした異性化糖の需要が、記録的な猛暑により、過去最高の出荷量となったことなどによるものである。

 25でん粉年度は、前年度を1万2000トン下回る、179万1000トンと見込まれる。上期は、異性化糖の需要は堅調であったものの、発泡酒向けの水あめ需要が伸び悩んだことから、前年度を1万1000トン下回る、82万8000トンとなった。下期は、異性化糖の需要期である夏場の天候が特異なものとならない限りは、ほぼ前年並みの96万3000トンと見込まれる。

 26でん粉年度は、毎年の気象変動はあるものの、主要製品である異性化糖は、近年販売が好調な低アルコール飲料など向けで、需要が伸びるものと見込まれることから、前年度を2万1000トン上回る、181万2000トンの見通しとなった。

【化工でん粉用向けでん粉の需要量】
25でん粉年度の需要量は、前年度比増と見込まれる

 24でん粉年度の化工でん粉用向け需要は、前年度を2万3000トン下回る、29万6000トンとなった。これは、製紙向けの需要のうち、コーンスターチから製造する化工でん粉で供給されているものについては、安価なタピオカでん粉誘導体に置き換わったことなどによるものである。

 25でん粉年度は、前年度を2万7000トン上回る、32万3000トンと見込まれる。昨今の景気回復の兆しや円安傾向による輸入紙の減少などで国内製紙需要が上向く中、割安感が出てきたコーンスターチを原料とする化工でん粉がタピオカでん粉誘導体から製紙需要の一部を取り戻している。また、冷凍食品の需要も堅調である。

 なお、26でん粉年度は、前年度を8000トン上回る、33万1000トンの見通しとなった。

【その他用途向けでん粉の需要量】
25でん粉年度の需要量は、前年度比増と見込まれる

 24でん粉年度のその他用途向け需要は、前年度を4万4000トン下回る、52万5000トンとなった。製紙向け需要において、化工でん粉用と同様に安価なタピオカでん粉誘導体への置き換わりが進んだことなどから、前年度を下回った。

 25でん粉年度は、前年度を1万6000トン上回る、54万1000トンと見込まれる。昨今の円安傾向や米国トウモロコシの生産見通しなどから、コーンスターチがタピオカでん粉誘導体から製紙需要の一部を取り戻し、また、ビール需要も増加傾向にある。

 26でん粉年度は、前年度を3万9000トン上回る、58万トンの見通しとなった。

(2)でん粉の供給量の見通し

 各種でん粉の供給量の見通しは以下のとおり。

【かんしょでん粉の生産量】
25年産の生産量は、前年度比増と見込まれる

 25年産のかんしょでん粉の生産量は、前年を4000トン上回る、4万2000トンとなった。生育期に台風や干ばつによる大きな被害もなく、平年並みの作柄となった。前年のような焼酎用途との競合も緩和されたことから、原料集荷量は前年を1万トン上回る、13万6000トンとなった。

 26年産は、前年を2000トン下回る、4万トンの見通しとなった。

【ばれいしょでん粉の生産量】
25年産の生産量は、前年度比減と見込まれる

 25年産のばれいしょでん粉の生産量は、前年を5000トン下回る、18万4000トンとなった。特にオホーツク地区で、春先の断続的な降雨の影響による植え付けの大幅な遅れや7月の干ばつにより、生育が遅れたことにより原料集荷量は前年を下回った。

 26年産は、前年と同水準の18万4000トンの見通しとなった。

【コーンスターチの供給量】
25でん粉年度の供給量は、前年度比増と見込まれる

 コーンスターチの原料となるトウモロコシ(26年産(2014年産))は、必要量が安定的に供給されるものと見込まれる。

 25でん粉年度のコーンスターチ供給量は、でん粉ベースで前年度を9000トン上回る、226万7000トンと見込まれる。

 26でん粉年度は、前年度を3万9000トン上回る、230万6000トンの見通しとなった。

【輸入でん粉の供給量】(糖化製品、化工でん粉用)
25でん粉年度の供給量は、前年度比増と見込まれる

 25でん粉年度の糖化製品、化工でん粉用輸入でん粉の供給量は、タピオカでん粉が安定的に輸入されたことから、前年度を6000トン上回る、13万8000トンと見込まれる。

 26でん粉年度は、前年度を1万1000トン上回る、14万9000トンの見通しとなった。

【輸入でん粉の供給量】(その他用)
25でん粉年度の供給量は、前年度比増と見込まれる
 25でん粉年度のその他用輸入でん粉の供給量は、前年を4000トン上回る、1万4000トンと見込まれる。

 26でん粉年度は、前年度を4000トン上回る、1万8000トンの見通しとなった。

【小麦でん粉の供給量】
25でん粉年度の供給量は、前年度比減と見込まれる

 小麦でん粉は、主に畜水産練製品向けとして供給されている。

 25でん粉年度の小麦でん粉の供給量は、直近までの輸入実績の傾向から、前年度を1000トン下回る、1万7000トンと見込まれる。

 26でん粉年度は、前年度同の1万7000トンの見通しとなった。

2. 輸入動向

【天然でん粉の輸入動向】
5月の天然でん粉の輸入量は、前月を大幅に上回る

 財務省「貿易統計」によると、2014年5月の天然でん粉の輸入量は、1万4371トン(前年同月比13.5%減、前月比118.9%増)となった(図1)。

 品目別の輸入量は、以下のとおりであった。

タピオカでん粉 1万2059トン (前年同月比5.1%減、前月比137.1%増)
サゴでん粉 1664トン (同10.6%減、同88.7%増)
ばれいしょでん粉 494トン (同73.5%減、同5.9%減)
その他のでん粉 155トン (同20.6%減、同108.9%増)

 前月比をみると、ばれいしょを除き、いずれも大幅に増加している。これは、4月の輸入が、とうもろこし等の関税割当制度に関する省令(昭和40年農林省令第13号)第6条の規定に基づく年度上期の関税割当公表(平成26年4月1日公表)を参考に行われたためであり、例年同様の傾向となっている。

 品目別の国別の輸入量は以下のとおりであった。

タピオカでん粉
 タイ 1万2036トン(シェア100%)
 ベトナム 17トン(同0%)
 台湾 6トン(同0%)

サゴでん粉
 マレーシア 1484トン(同89%)
 インドネシア 180トン(同11%)

ばれいしょでん粉
 デンマーク 480トン(同97%)
 ドイツ 12トン(同3%)
 米国 900キログラム(同0%)
 オランダ 500キログラム(同0%)
 
 2014年5月の品目別の1トン当たり輸入価格は、以下のとおりであった(図2)。

タピオカでん粉 4万5908円 (前年同月比1.1%安、前月比1.2%安)
サゴでん粉 6万5422円 (同4.0%高、同2.9%高)
ばれいしょでん粉 11万7846円 (同26.2%高、同15.5%高)

 タピオカでん粉の輸入価格は、2012年11月以降前年同月を上回る水準で推移していたが、2014年3、5月と前年同月を下回り、価格上昇も落ち着いてきていることがうかがえる。

 サゴでん粉は、2013年4月以降前年同月を上回る水準で推移しており、2014年4月は13カ月ぶりに前年同月を下回ったものの、5月は再び上昇に転じた。

 ばれいしょでん粉は、2013年5月以降、前年同月を上回る水準で推移している。
 
【化工でん粉の輸入動向】
5月のでん粉誘導体の輸入価格は、再び1トン当たり8万円台に

 財務省「貿易統計」によると、2014年5月の化工でん粉の輸入量は、3万9426トン(前年同月比6.3%減、前月比29.4%減)となった(図3)。

 品目別の輸入量は、以下のとおりであった。

でん粉誘導体 3万8423トン (前年同月比5.6%減、前月比28.8%減)
デキストリン 1003トン (同26.0%減、同47.5%減)

 でん粉誘導体の最大の輸入先国は、タイである。主要輸入先国からの輸入量は以下のとおりで、上位4カ国で輸入量の8割以上を占めている。

タイ 2万4779トン(シェア64%)
ベトナム 2876トン(同7%)
米国 2666トン(同7%)
中国 1968トン(同5%)

 デキストリンの輸入量は、上位輸入先国の数量および各国のシェアも含め、月ごとの増減が大きい。主要輸入先国からの輸入量は以下のとおりで、上位5カ国で輸入量の8割近くを占めている。

タイ 419トン(シェア42%)
ベトナム 166トン(同17%)
フランス 76トン(同8%)
ベルギー 65トン(同6%)
中国 65トン(同6%)

 5月の1トン当たり輸入価格は、以下のとおりであった(図3)。

でん粉誘導体 8万4633円 (前年同月比1.6%高、前月比9.4%高)
デキストリン 10万7845円 (同13.6%高、同26.6%高)

 でん粉誘導体の輸入価格は、2013年5月以降、月により上昇・下落はあるものの、1トン当たり8万円台と高値で推移していた。2014年4月は12カ月ぶりに同7万円台まで下落したが、5月は再び同8万円台となった。
 
【コーンスターチ用トウモロコシの輸入動向】
輸入価格は、8カ月ぶりに前月を上回る

 財務省「貿易統計」によると、2014年5月のコーンスターチ用トウモロコシの輸入量は、36万7469トン(前年同月比15.4%増、前月比87.1%増)(図4)となり、輸入先国は米国のみとなった。

 5月の1トン当たり輸入価格は、2万8826円(前年同月比22.9%安、前月比4.6%高)となった。輸入価格は、2013年4月をピークに下落が続いていたが、2014年5月は8カ月ぶりに前月を上回った。
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713



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