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でん粉の国内需給

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最終更新日:2015年8月10日

でん粉の国内需給

2015年8月

調査情報部

1. 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、でん粉に関して適切な価格調整を図るため、半期ごとにでん粉の需給見通しを公表している。7月に公表したでん粉の需給見通しの概要は、次の通り。
 
 
(1)でん粉の需要量の見通し
 用途ごとのでん粉の需要量の見通しは以下の通り。

【糖化用向けでん粉の需要量】
平成26でん粉年度は、前年度からわずかに減少すると見込まれる

 25でん粉年度は、前年度を1万1000トン下回る、179万2000トンとなった。これは、発泡酒向け水あめの需要が低下した一方、清涼飲料を中心とした異性化糖の需要が過去最高の出荷量となった24でん粉年度を下回ったことによるものである。

 26でん粉年度は、前年度を2万トン下回る、177万2000トンと見込まれる。上期は、飲料メーカーの製品在庫調整に伴う異性化糖の需要減により、前年度を3万トン下回る、79万8000トンとなった。下期は、異性化糖の需要期である夏場の天候が平年並みと予想されることから、平年並みの97万4000トンと見込まれる。

 27でん粉年度は、毎年の気象変動はあるものの、平年並みの需要があると考えられ、前年度を4万トン上回る、181万2000トンの見通しとなった。

【化工でん粉用向けでん粉の需要量】
平成26でん粉年度は、前年度からわずかに増加すると見込まれる

 25でん粉年度は、前年度を1万6000トン上回る、31万2000トンとなった。用途別に見ると、主要用途である製紙・段ボール用の需要は、円安やトウモロコシの豊作による国際相場の低落により、輸入化工でん粉(タピオカでん粉誘導体)から割安感があるコーンスターチを原料とする化工でん粉への回帰が進んだ。また、冷凍食品をはじめとする食品用の需要は、円安やEUにおけるばれいしょの不作などにより割高となったEU産ばれいしょでん粉から国内産ばれいしょでん粉への原料の切り替えが見られた。

 26でん粉年度は、前年度を3000トン上回る、31万5000トンと見込まれる。円安傾向による輸入紙の減少や製紙・段ボール向け需要におけるコーンスターチを原料とする化工でん粉への回帰が引き続き進むものと考えられる。

 なお、27でん粉年度についても、製紙・段ボール向けの需要回帰が続くものと考えられ、前年度を8000トン上回る、32万3000トンの見通しとなった。

【その他用途向けでん粉の需要量】
平成26でん粉年度は、前年度からやや増加すると見込まれる

 25でん粉年度は、前年度を8000トン上回る、53万3000トンとなった。用途別に見ると、ビール向け需要は、コーンスターチを使用した製品需要はほぼ前年並みとなった。また、製紙・段ボール向け需要は、化工でん粉用と同様にコーンスターチへの回帰が進んだ。

 26でん粉年度は、前年度を2万5000トン上回る、55万8000トンと見込まれる。ビール向け需要は、昨今の需要動向を踏まえ、前年度から微増すると見込まれ、製紙・段ボール向け需要では、円安傾向による輸入紙の減少やコーンスターチへの回帰が引き続き進むものと考えられる。

 なお、27でん粉年度についても、製紙・段ボール向けの需要回帰が続くものと考えられ、前年度を8000トン上回る、56万6000トンの見通しとなった。
(2)でん粉の供給量の見通し
 各種でん粉の供給量の見通しは以下の通り。

【かんしょでん粉の生産量】
平成26年産は、前年からかなり減少すると見込まれる

 26年産は、前年を5000トン下回る、3万7000トンとなった。原料かんしょについては、低温により植え付けが遅れたものの初期生育が良好であったため、総いも個数は前年並となったが、生育期間を通じ気温が低かったことから、いもの肥大が進まず原料集荷量は、前年を1万1000トン下回る、12万5000トンとなった。

 27年産は、作付面積や生産状況を基に推計した結果、ほぼ平年並みの4万2000トンと見込まれる。

【ばれいしょでん粉の生産量】
平成26年産は、前年からやや増加すると見込まれる

 26年産は、前年を8000トン上回る、19万3000トンとなった。原料ばれいしょについては、春先の良好な天候から植え付けは順調に進み、その後も好天に恵まれ生育は良好であったことから、原料集荷量は前年を上回った。

 27年産は、豊作であった前年と同様に生育が順調であることから、前年並みの19万3000トンと見込まれる。

【コーンスターチの供給量】
平成26年でん粉年度は、ほぼ前年度並みと見込まれる

 コーンスターチの原料となるトウモロコシ(2014年産)は、コーンスターチ用トウモロコシの過半を供給する米国において、好天により単収が上昇し、史上最高の生産量(3億6100万トン)であり、必要量は安定的に供給されるものと見込まれる。

 2015年産については、現在の生育状況は、史上最高の前年度とほぼ同水準であり、必要量は安定的に供給されるものと見込まれている。

 このため、コーンスターチは、需要に応じた供給がなされるものとして、昨今の需要動向を踏まえ、でん粉ベースで26でん粉年度は、前年度を2000トン下回る、226万4000トンと見込まれ、27でん粉年度は前年度を1万7000トン上回る、228万1000トンの見通しとなった。

【輸入でん粉の供給量】(糖化製品、化工でん粉用)
平成26でん粉年度は、ほぼ前年度並みと見込まれる

 26でん粉年度は、需要に応じて安定的に輸入されるものとして、ほぼ前年度並みの13万トンと見込まれる。

 27でん粉年度は、前年度を1万9000トン上回る、14万9000トンの見通しとなった。

【輸入でん粉の供給量】(その他用)
平成26でん粉年度は、前年度からかなり増加すると見込まれる

 26でん粉年度は、用途に応じた必要量が輸入され、前年度を1000トン上回る、1万1000トンと見込まれる。

 27でん粉年度は、昨今の需要動向を踏まえ、1万8000トンの見通しとなった。

【小麦でん粉の供給量】
平成26でん粉年度は、ほぼ前年度並みと見込まれる

 小麦でん粉は、主に畜水産練製品向けとして供給されており、26でん粉年度は、直近までの製造実績の傾向から、1万7000トンと見込まれる。

 27でん粉年度は、平年並みの1万7000トンの見通しとなった。

2. 輸入動向

【天然でん粉の輸入動向】
5月の輸入量は前月から大幅に増加

 財務省「貿易統計」によると、2015年5月の天然でん粉の輸入量は、1万4157トン(前年同月比1.5%減、前月比2.1倍増)と、前月から大幅に増加した(図1)。

 品目別の輸入量は、次の通りであった。

タピオカでん粉 1万1725トン (前年同月比2.8%減、前月比77.9%増)
サゴでん粉 1575トン (同5.3%減、同9.7倍増)
ばれいしょでん粉 546トン (同10.7%増、同156.1倍増)
その他のでん粉 311トン (同2.0倍増、同3.2倍増)

 品目別の国別の輸入量は次の通りであった。

タピオカでん粉
 タイ 1万1635トン (シェア99.2%)
 ベトナム 88トン (同0.7%)
 台湾 2トン (同0.0)

サゴでん粉
 マレーシア 1305トン (同82.9%)
 インドネシア 270トン (同17.1%)

ばれいしょでん粉
 デンマーク 501トン (同91.7%)
 ドイツ 44トン (同8.1%)
 米国 1トン (同0.2%)
 オランダ 0トン (同0.1%)
 
 2015年5月の品目別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった(図2)。タピオカでん粉の輸入価格は、2014年12月から6カ月連続で5万円台の高水準となった。

タピオカでん粉 5万1228円 (前年同月比11.6%高、前月比0.8%高)
サゴでん粉 7万5298円 (同15.1%高、同3.5%高)
ばれいしょでん粉 10万3885円 (同11.8%安、同79.2%安)
 
【化工でん粉の輸入動向】
5月の輸入量は前月から大幅に減少

 財務省「貿易統計」によると、2015年5月の化工でん粉の輸入量は、3万3151トン(前年同月比15.9%減、前月比48.2%減)となった(図3)。

 品目別の輸入量は、次の通りであった。

でん粉誘導体 3万1899トン (前年同月比17.0%減、前月比48.5%減)
デキストリン 1253トン (同24.9%増、同36.6%減)

 でん粉誘導体の輸入先国は16カ国で、最大の輸入先国はタイであった。主要輸入先国からの輸入量は次の通りで、タイが輸入量の7割弱を占めている。

タイ 2万2119トン (シェア69.3%)
米国 1489トン (同4.7%)
ドイツ 1387トン (同4.3%)
ベトナム 1365トン (同4.3%)
フランス 1226トン (同3.8%)

 デキストリンの輸入先国は10カ国で、デキストリンの輸入量は、上位輸入先国の数量および各国のシェアも含め、月ごとの変動が大きい。上位輸入先国からの輸入量は次の通りで、タイが輸入量の3割以上を占め、その他の国はいずれも10%台以下となっている。

タイ 389トン (同31.0%)
フランス 200トン (同16.0%)
ベトナム 192トン (同15.3%)
米国 131トン (同10.5%)
中国 131トン (同10.4%)

 でん粉誘導体の輸入価格は、先月からかなり上昇し、再び1トン当たり9万円を超える高水準となった。

 5月の1トン当たり輸入価格は、次の通りであった。

でん粉誘導体 9万6604円 (前年同月比14.1%高、前月比9.7%高)
デキストリン 12万5116円 (同16.0%高、同16.7%高)
 
【コーンスターチ用トウモロコシの輸入動向】
5月の輸入量は前月からかなり増加

 財務省「貿易統計」によると、2015年5月のコーンスターチ用トウモロコシの輸入量は、23万3120トン(前年同月比36.6%減、前月比9.2%増)となり、前年同月から大幅に減少したものの、前月からはかなり増加した(図4)。1トン当たりの輸入価格は、2万7965円(同3.0%安、同1.4%高)となった。
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713



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