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豪州の砂糖産業をめぐる情勢

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最終更新日:2014年2月10日

豪州の砂糖産業をめぐる情勢

2014年2月

特産業務部砂糖原料課 課長代理 石井 稔
調査情報部 植田 彩

【要約】

  • 豪州農業資源経済科学局(ABARES)によると、豪州の2013/14年度(7月〜翌6月)の砂糖生産量は、サトウキビ植え付け後の洪水やサトウキビの病気イエローキャノピーシンドローム(YCS)の影響により、425万トン(粗糖換算、前年度比1.2%減)と減産見込み。一方、輸出量は、2009/10年度以降、減産の影響から減少していたものの、徐々に回復基調となっており、今年度は296万トン(粗糖換算、同1.0%減)の見込み。近年、豪州産粗糖の輸出先はアジア地域が主となっており、特に、国内需要が堅調なインドネシアからの引き合いが強い。
     
  • クィーンズランド州砂糖公社(QSL)では、サプライヤー(製糖企業)に対し、さまざまなサービスを提供することで、QSLへ販売委託する輸出体制のメリットを維持している。そのため、一元的輸出体制を撤廃した後も、ほとんどがQSLを介して輸出している。そのような中、2013/14年度からQSLを介さず、サプライヤーが顧客と直接契約し販売する、新たな輸出体制を試みる動きがある。
     
  • 同国の砂糖産業は、低コストによる生産・流通体制を確立させている。今後も、需要が堅調なアジア市場への砂糖供給国として、一元的輸出体制から新たな輸出体制へ変化しながら成長を続けていくであろう。

はじめに

 2011/12年度(7月〜翌6月)の世界の砂糖生産量のうち、豪州の割合は全体の2.1パーセントにしか過ぎない。しかし、輸出量で見ると、ブラジル、タイに次ぐ世界第3位の砂糖輸出国であり、わが国にとってはタイと並ぶ主要輸入先である。一方、豪州国内の情勢を見ると、豪州のサトウキビ主産地であるクィーンズランド州(以下「QLD州」という)での、大雨やサイクロンなどの悪天候を要因とした2009年以降の減産、また、主要鉄鉱石・石炭輸出国である豪州における、これら資源需要の高まりによる輸送コスト(船賃)の高騰を背景に日本への砂糖輸出量は減少している。しかし、2012年の日本の豪州産砂糖輸入量は、47万2900トンと輸入量全体の3割以上を占めており、減少はしつつも、わが国の砂糖需給にとって引き続き重要な国の一つである(図1)。

 本稿では、豪州農業資源経済科学局(以下「ABARES」という)の資料などに加え、2013年9月に行った同国最大の砂糖生産地QLD州の現地調査により、同国の砂糖生産および輸出動向を報告する。なお、為替レートは1豪ドル=95.24円(2013年12月末日TTS相場)を使用した。

1.砂糖生産の概況

 2013/14年度の農業生産額(水産物を除く)は、508億9600万豪ドル(4兆8473億円)と見込まれているが、そのうち、サトウキビは、2パーセントの11億6900万豪ドル(1113億円)とされている(図2)。
 また、2013/14年度の農業輸出額(水産物を除く)は、380億4300万豪ドル(3兆6232億円)と見込まれており、そのうち、砂糖については、農産物輸出全体の3パーセントとなる12億7600万豪ドル(1215億円)とされている(図3)。

(1)サトウキビ生産の概要

 豪州のサトウキビ生産は、QLD州の北部のモスマンからニューサウスウェールズ州(以下「NSW州」という)北部にかけての、主に亜熱帯地域を中心とした東海岸で行われている(図4)。以前は豪州西海岸に位置する西オーストラリア州北部での生産も行われていたが、2007/08年度に同地域の製糖工場が閉鎖されて以降は、生産が休止している。このため、サトウキビ生産量の95パーセント以上がQLD州、残り5パーセント程度がNSW州で生産され、うち80パーセントが輸出向け、20パーセントが国内消費に向けられている。また、輸出向けは、ほぼ全量がQLD州産となり、QLD州内の4つの生産地域(北部地域、ハーバート・バーデキン地域、中央部地域、南部地域)に区分される。各地域の2013/14年度サトウキビ生産割合で最も多い地域は、ハーバート・バーデキン地域と見込まれている(図5)。

(2)サトウキビ生産の推移および見通し

 ABARESによると、2008/09年度から2009/10年度までのサトウキビ生産量は、毎年度3100万トンを超えていたものの、2010/11年度は、ラニーニャ現象の影響による大雨が続いたことで、収穫期後半の大量の刈り残しが発生したことや、CCS(可製糖率:サトウキビのショ糖含有率、繊維含有率および搾汁液の純度から算出される回収可能な糖分の割合)が低水準となったことから、大幅な減産となった(図6)。さらに2011/12年度は、栽培面積の30パーセント近くが新植となったこと、また、サイクロンの被害により、収穫可能なサトウキビが少なくなったことから、同年度の生産量は2800万トン以下の低水準となった。

 2012/13年度以降は、天候条件が良好であったことから、単収は1ヘクタール当たり80トンに増加するなど、サトウキビ生産量は回復しつつある。2013/14年度は、栽培面積の拡大も伝えられており、前年度比3.0パーセント増の38万2000ヘクタールが見込まれている。その一方で、2012年に世界で初めて確認された、葉が黄変し根を腐敗させるサトウキビの病気「イエローキャノピーシンドローム(以下「YCS」という)」や2013年初頭に発生した洪水の影響により、単収減が見込まれることから、生産量は3050万トン(同0.3%増)と前年度並みの水準にとどまるとみられている。
 豪州のサトウキビ栽培期間は、作付けから収穫まで、12〜16カ月間、また、収穫期間は一般的に6月から12月までとなっている。サトウキビ生産地域が南北2,000キロメートルと広範囲にわたっており、気温や日照時間が生産地域により異なることから、このような栽培期間の開きが生じている。作付けは、北部およびハーバート・バーデキン地域は豪雨による洪水の発生が起きにくい3月に、中央部および南部地域では霜が降りにくい6、7月に行われることが多い。

 また、生産地域の中には、年間降水量が1,000ミリにも満たないところもあるため、「ピポットスプリンクラー」や「フローかんがい」などの水分供給のための設備導入が行われている(写真2)。

(3)深刻化する担い手不足への取り組み

 豪州のサトウキビ生産は、家族経営がその大多数を占めており、2000年に約7,000戸あった農家戸数は、2012年に4,000戸を割り込む状態となっている。サトウキビ生産者団体により運営される豪州サトウキビ生産者団体(以下「ACFA」という)は、サトウキビ生産者の減少を食い止めるため、次世代の後継者を育成するための若手生産者育成プログラム「The Next Generation program(Next Gen)」を立ち上げている。具体的には、栽培技術などを伝える定期的な勉強会の開催やソーシャルネットワークによる若手生産者間の情報交換の場を構築している。また、これらの情報を取りまとめた雑誌を刊行するなど、後継者の維持・確保に努めている(写真3)。

 また、豪州では、世界各国から、ワーキングホリデービザを利用して豪州に滞在する若者を対象に、地域農業に3カ月以上従事することで、通常1年間有効のビザを2年間に延長可能とする制度を設けている。この制度を利用し、サトウキビ収穫時期には、これら外国人を季節労働者として雇用することで、労働者を確保している例も少なくはない。
 一方、農家戸数が減少する中で、一農家当たりのサトウキビ栽培面積は、年々拡大傾向にある。若手後継者の多くは、後継者がいない農家の土地を購入し、規模拡大による経営の効率化を進めている。また、近年、1,000ヘクタール以上の農地を所有する企業形態の生産者も出現してきている。後継者不足が続く中で、今後も、規模拡大によるサトウキビ生産の集約化が進むとみられている。

(4)砂糖生産の状況

 豪州では、8社の製糖企業が24の製糖工場を所有(2012/13年度)しており、その分布は、北部地域に7工場、ハーバート・バーデキン地域に4工場、中央部地域に5工場、南部地域に5工場、NSW州に3工場となっている。

 また、かつて450万トン以上を記録した砂糖生産量は、サトウキビ生産量の減少とともに、2008/09年度以降、右肩下がりで推移してきたが(図7)、サトウキビが増産に転じたことで、砂糖生産量は回復しつつある。しかし、2013/14年度は前年度からの製糖歩留まり低下から、420万トン(粗糖換算、前年度比2.3%減)と見込まれている。この歩留まりの低下要因は、主にYCSによる糖度低下によるものとされている。
 製糖企業8社の中で、最も粗糖生産量が多い製糖企業は、国内生産量の40パーセント近くを占めるWilmar社であり、1日当たり2万トン以上の圧搾能力を有するVictoria工場を含め、同国最多の8工場を所有している(表1)。また、多くの製糖企業では、製糖に使用するボイラーの燃料として、サトウキビの搾りかすであるバガスを利用している。バガスは、燃料のみならず工場に併設された発電施設でも利用されており(写真4)、発電された余剰電力が電力会社に売却されるなど、製糖企業の経営の一端を担っている。
 一方、豪州の精製糖については、4社5工場と集約化が進んでおり、最大の精製糖企業は、製糖企業であるWilmar社、Mackay Sugar社が共同出資するSugar Australia社である。この企業が所有する2工場では、365日の稼働が可能となっており、2工場合計で年間100万トン近くの粗糖が精製されている(表2)。

(5)生産管理と輸送

 豪州では、製糖企業、QLD砂糖公社(以下「QSL」という。)、収穫作業受託業者、サトウキビ生産者の間で、製糖開始に際し、事前に、製糖計画を立てることが一般的となっている。製糖開始後も、これら関係者の間で、サトウキビの収穫情報を常時共有し、計画の調整を行っている。この計画から見込まれる生産見通し量に基づき、QSLはその年度の輸出計画を立てている。しかし、2010/11年度の減産時には、すでに計画された輸出分の全てを国内産で賄うことが困難であったことから、緊急措置として不足分をブラジル産粗糖の輸入で代替することとなった。この反省からQSLでは、ブリスベン本社、バルクシュガーターミナル(大規模バラ積み粗糖積み出し港)以外の生産地域ごとに「Industry Relationship Manager」として社員を配置し、より実績に近い生産量の把握に努めている。

 今回、調査で訪れたハーバート地域では、生産者や製糖企業が出資し、サトウキビ栽培に関する研究センターを設立していた。そこでは、生産性向上のための技術開発と普及、肥培管理や病害虫管理のための指導、収穫管理(GPS搭載ハーベスターのデータを集約)などが行われている。これらの活動は、ほ場ごとの単収や収量などのデータを一元的に集約・管理するばかりではなく、製糖工場への搬入データも同時に集約されることで、栽培から収穫、工場搬入までの一元的管理が可能となっている。また、収穫情報が工場に対して瞬時に伝わることで、原料圧搾までの過程の迅速化・効率化も可能としている。

 収穫されたサトウキビの工場への搬入は、ほ場近郊から各製糖企業が運営する専用鉄道で輸送される(写真5)。また、生産ほ場を特定するため貨車ごとに固有番号が割り振られたビンは、他の生産ほ場との混合を防止している。これは、サトウキビの糖度により、生産者への支払い額が変動するためである。鉄道で輸送されたサトウキビは、通常、ショ糖含有率、搾汁液の純度が著しく低下する収穫後16時間以内に、圧搾される。従って、豪州では、生産現場から工場に直結する輸送手段により、製糖歩留まりが14パーセントと他の主要生産国(ブラジル12%、タイ11%)に比べ高い水準にある。

 世界の主要生産国であるブラジルやインド、EUに比べて豪州の砂糖生産コストが低くなっているのは、このような生産管理と専用鉄道の利用によるものとされている。

2.最近の砂糖輸出の動向

(1)輸出量の推移

 豪州産砂糖の輸出量は、2005/06年度の400万トン強を頂点に、砂糖の減産を受け、おおむね、減少傾向で推移している(図8)。2009/10年度は増加に転じたものの、翌年度には再び減少となり、砂糖の輸出量は300万トン以下まで落ち込んだ。2011/12年度は、生産が回復基調となったことから、輸出量は前年度から増加したものの、300万トンを割り込む水準(299万トン(粗糖換算))にとどまった。ABARESは、2012/13および2013/14年度の砂糖輸出について、引き続き300万トンを上回るのは困難と予測している。

 なお、豪州から輸出される砂糖のほとんどは粗糖であり、輸出量全体に占めるこの割合は90パーセント以上であるが、より利益の高い精製糖輸出の割合が徐々に増加している。

(2)一元的輸出体制廃止後の展開

 1999年に制定された「砂糖産業法」により、QLD州で生産された全ての粗糖の国内販売および輸出はQSLにより一元的に管理されていた。2006年に同法が改正され、QSLによる一元的な管理は廃止となり、契約したサプライヤー(製糖企業)の輸出のみを行うこととなった。7年を経過した現在でも、輸出の9割以上はQSLを通じて行われている。このような一元的輸出体制が続く背景には、サプライヤーにとって、 1)QSLからの低利融資貸し付け 2)顧客ニーズ(品質、安定供給など)に合ったQSLのマーケティング 3)プール価格制による粗糖買い取り方式による経営リスクの分散―といったサービスが受けられることにある。これらサービスを提供するため、QSLでは、ファイナンス(金融)、プライス(価格)、マーケティング(販売)、ロジスティック(流通)の4部門を組織している(図9)。
 

  次にこれらの部門の特徴を見ると、ファイナンス部門では、低利融資での貸し付けを製糖企業に提供している。

 プライス部門では、二つの機能を有した粗糖の買い取り方式を提供することで、サプライヤーである製糖企業のつながりを強めている。一つ目は、顧客への安定した販売量を確保する買い取り方式である。QSLは、サプライヤー販売計画数量の65パーセントを上限とした買い取りAと残りのBに割り当てる。AはQSLへの納入が義務付けられており、当初の計画数を満たさない事態が生じた場合、割り当てられているBをAに補てんし、顧客と契約した数量分を確実に販売する。2010/11年度に輸出分を国内生産で確保できず、ブラジル産粗糖を輸入したようなことを二度と起こさないようにしている。次に、二つ目の機能は、QSLが販売義務を担う複数の買い取り方式(米国TRQによる割当分も含む)にプール価格制を導入することで、経営リスクを分散している。プール価格制により同じ買い取り方式を選択したサプライヤー同士で、利潤もしくは損害を分けあっていることとなる。

注:米国では、粗糖と精製糖に関して、国際貿易協定に従い、最低水準(年間推定消費量の15%に相当)の関税割当を行う。また、割当が不十分であれば、追加可能となっている。

 マーケティング部門とロジスティック部門では、輸出先の顧客が求める品質に合わせた砂糖を安定的に提供することで、顧客からの高い信頼を得ている。QSLは、国内に保有する6カ所のバルクシュガーターミナルの運営を外部に委託しているが、同社の社員を常駐させるなど、より自社運営に近い形としている。各製糖工場で製糖された粗糖は、再び、鉄道により輸出港のバルクシュガーターミナルにある原料糖倉庫に搬入される。このターミナルを利用することで集中的な船への積み込みが可能となり、入出港船の時間や労力、人数の削減など、低コストを実現させている。

 QSLに委託販売を行う輸出体制が主流である一方、今回の調査では、2013/14年度から一部輸出について、独自に行っているサプライヤーも見られた。この企業によると、QSLが提供するサービス(経営リスクマネジメントやマーケティングなど)は、自社独自での取り組みが可能なことから、顧客と直接契約し販売する体制を選択したという。また、この新たな試みが成功すれば、徐々に直接契約の割合を増加させるとしている。他の製糖企業もこの試みに注目しており、今後の動向が注目されている。

(3)製糖業への外資参入とその影響

 現在、豪州の製糖企業8社のうち、4社が外国資本となっている。外資の参入は2010年から始まり、豪州大手砂糖・建材メーカーであるCSRが、同社の砂糖・再生エネルギー事業部門であったScrogenをシンガポールのパーム油大手Wilmarに売却した。また、同年、タイのMitr PholはMaryboroughから同社の株式の19パーセントを取得している。翌年の2011年には、中国国営企業COFCOがTully Sugarを買収し、さらに、2012年には、WilmarがProserpineも傘下に収めるとともに、Mitr PholがMaryboroughの残りの株式の全てを取得した。さらにBundaberg Sugarは、現在、ベルギー企業の資本下にある。

 豪州では、農業分野などに対し外資が参入することで、施設の更新や増設、地域の雇用確保などにつながることから、前向きな姿勢をとっている。参入する側にとって、同国の砂糖産業は政治的なリスクも低く、既に一定のインフラも整備されていることから、少ない投資額で、短期利益が見込まれる魅力的なものとされている。一方で、豪州資本を維持する企業もあり、同国第2位の製糖量Mackay Sugarは、現在でも株主はサトウキビ農家のみと限定している。

(4)アジア市場を視野に入れた今後の砂糖輸出戦略

 近年、豪州産粗糖に対し、人口増加や経済成長を要因として砂糖需要の拡大がみられるアジア地域からの引き合いが強くなっている。2012年のアジア地域への輸出割合は、全体の90パーセントを占めており、1971年の31パーセントから比べて大幅に増加している(図10)。
 

 豪州産砂糖の国別輸出量をみると、大型船での輸出が可能な韓国向けが最も多く、次いでインドネシアと続き、日本とマレーシアが第3位を行き来している(図11)。輸出拡大が続くアジア地域の中でも特にインドネシア向けは、2005/06年度が輸出量全体の13パーセントであったものが、その後、堅調に推移し、2011/12年度には28パーセントと大幅に増加している。

 今後もアジア各国の消費は高水準で推移するとみられており、この市場に注目している砂糖輸出国は多い。その中でも豪州とタイは、世界最大の砂糖生産、輸出国であるブラジル、また、中南米の国などに比べて地理的条件で有利である。価格競争力については、生産コストが低い豪州のメリットは高く、安価なタイ産粗糖とほぼ同水準である。

まとめ

 砂糖の安定した品質と輸送力を背景に、豪州は世界有数の砂糖輸出国としての地位を確立しつつあったが、度重なる気象条件の変動(ラニーニャ現象やサイクロンなど)に伴い、2010/11年度からの2年間は、サトウキビ生産が低水準となった。近年は回復の兆しをみせていたものの、サトウキビの病害YCSによる生産への影響が懸念されるなど、不安定要素を抱えている。また、低下傾向にあるとはいえ鉄鉱石などの資源需要は依然として高水準にあり、これにけん引されて好調が続く豪州経済の影響下では、他の農産物生産に比べてサトウキビは必ずしも収益性の良い作物とはいえない。さらに、サトウキビ農家戸数の減少や担い手の確保といった大きな課題も抱えている。

 一方で、製糖企業を見ると、生産者との連携によるサトウキビの栽培から収穫、工場搬入までの一体的な管理、また鉄道による効率的な輸送、国内6つに集約されたバルクシュガーターミナルから輸出を行うことで、砂糖生産の効率化や低コストが実現されている。生産面での課題はあるものの、砂糖輸出に関し国際的な価格競争力を有している。

 また、QSLを通さず、製糖企業による新たな輸出への取り組みも始まっている。生産、輸出の動向次第では、今後、さらなる外資の参入も予想され、同国の粗糖生産・輸出体制に大きな変化が生じる可能性がある。

 これらは、わが国にとって豪州が重要な輸入先であるだけに、今後の状況に関心が高まるところである。アジア各国の需要拡大を背景に、豪州はその立地条件、価格競争力を生かし、世界の主要砂糖供給国として今後も成長を続けていくものとみられている。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713



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