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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2014年9月10日

砂糖類の国内需給

2014年9月

調査情報部

1.需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。6月に「平成25砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第4回)」を公表した。その概要は以下のとおりである(詳細は2014年7月号参照)。
 

2. 異性化糖の移出動向

7月の移出量は9万トンを超える高水準となった
 2014年7月の異性化糖の移出数量は、9万3049トン(前年同月比3.8%減、前月比7.7%増)と、4月から4カ月連続で前年同月の数量を下回る水準となったものの、2年連続で9万トンを超える高水準であった(図1)。2010年以降の7月の移出量としては、2013年(9万6699トン)、2011年(9万6195トン)に次ぐ3番目の水準となった。

 2014年7月の規格別の移出量は、次のとおりであった(図2)。

果糖含有率40パーセント未満 391トン(前年同月比2.0%減、前月比12.1%増)
果糖含有率40パーセント以上50パーセント未満 2万2525トン(同6.3%減、同5.8%増)
果糖含有率50パーセント以上60パーセント未満 6万5068トン(同2.8%減、同6.6%増)
果糖含有率60パーセント以上 5064トン(同4.5%減、同35.0%増)
 
 

3. 輸入動向

【分蜜糖の輸入動向】
6月の輸入量は前月からかなり減少

 財務省「貿易統計」によると、2014年6月の分蜜糖の輸入量は、13万1720トン(前年同月比0.8%減、前月比7.9%減)であった(図3)。輸入先国は、タイ、豪州、米国の3カ国であった。

 同月における国別の輸入量は次のとおりであった(図4)。

タイ 8万5309トン (前年同月比27.6%減、前月比0.4%減)
豪州 4万6378トン (前年同月輸入実績なし、同69.2%増)
米国 33トン (同371.4%増、同8.3%減)
 
 2014年6月の1トン当たりの輸入価格は、4万5731円(前年同月比0.9%高、前月比1.7%安)と、6月の輸入価格としては、直近3年間で最高値となった(図5)。

 同月の国別の1トン当たりの輸入価格は、次のとおりであった。

タイ 4万5280円 (前年同月比0.1%安、前月比0.7%安)
豪州 4万6472円 (前年同月輸入実績なし、同2.5%安)
米国 16万9000円 (同2.1%安、同11.0%高)
 
【含蜜糖の輸入動向】
6月の輸入量は前月から大幅に減少

 財務省「貿易統計」によると、2014年6月の含蜜糖の輸入量は、885トン(前年同月比7.9%減、前月比29.2%減)と、前月から大幅に減少した(図6)。輸入先国は、中国、タイ、フィリピンの3カ国であった。

 同月の国別の輸入量は次のとおりであった(図7)。

中国 738トン (前年同月比1.2%減、前月比10.5%減)
タイ 144トン (同11.1%減、同62.2%減)
フィリピン 3トン (同94.2%減、同93.2%減)
 
 6月の1トン当たりの輸入価格は、11万1924円(前年同月比6.4%安、前月比1.9%安)となった(図8)。

 国別の1トン当たりの輸入価格は、次のとおりである。

中国 11万2183円 (前年同月比4.5%安、前月比2.2%高)
タイ 10万8208円 (同0.4%安、同4.7%安)
フィリピン 22万6667円 (同23.5%高、同12.8%高)
 
【加糖調製品の輸入動向】
6月の輸入量は前年同月から15.0%増とかなり増加

 財務省「貿易統計」によると、2014年6月の加糖調製品の輸入量は、4万7758トン(前年同月比15.0%増、前月比4.5%増)であった(図9)。

 品目別の輸入量は、次のとおりであった。

ミルク調製品 1万2901トン (前年同月比19.6%増、前月比0.9%増)
ソルビトール調製品 1万269トン (同20.3%増、同27.0%増)
その他調製品 7190トン (同1.8%増、同15.1%増)
ココア調製品 7020トン (同28.6%増、同6.2%減)
調製した豆(加糖あん) 5863トン (同11.8%増、同2.4%減)
穀粉調製品 4492トン (同1.4%増、同10.9%減)
コーヒー調製品 23トン (同71.6%増、同40.7%減)
 

4. 価格の動き

【市場価格】
 7月の砂糖の上白糖大袋価格(日経相場)は、東京は1キログラム当たり185〜186円、大阪は同186円、名古屋は同189円と、前月と同水準で推移した。7月の異性化糖の大口需要家向け価格(果糖分55%、東京、タンクローリーもの)は、1キログラム当たり140〜141円の水準で推移した。

【販売価格】
 日経POSデータの小売店販売価格調査によると、7月の小袋のスーパーにおける平均小売価格は、以下のとおりであった。

上白糖 185.7円 (前年同月比2.4円安、前月比1.3円高)
グラニュー糖 223.5円 (同1.0円高、同0.2円安)
三温糖 220.7円 (同0.9円安、同1.2円安)

 上白糖の販売価格を地域別に見ると、関東などと九州を除く全地域で前月から価格が上昇した。特に、東北では前月から10.9円の上昇が見られた。

 最も安かったのは関東などの177.6円(前月比1.7円安)で、最も高かった中国・四国の204.4円(前月比4.3円高)と比較すると、26.8円の価格差があった(図10)。
 
 グラニュー糖の販売価格を地域別に見ると、関東などと中部で前月から下落したが、その他地域では前月同または前月から上昇した。最も安かったのは北海道の179.6円(前月比1.1円高)で、最も高かった関東などの同242.2円(同0.4円安)と比較すると、62.6円の価格差があった(図11)。
 
 三温糖の販売価格を地域別に見ると、関東など、首都圏、中国・四国の3地域で前月から下落した。最も安かったのは関西の206.1円(前月同)で、最も高かった北海道の235.5円(前月同)と比較すると、29.4円の価格差があった(図12)。
 
【購入金額および購入量】
 総務省「家計調査」によると、2014年6月の1世帯当たりの砂糖に係る支出金額は、166円(前年同月比6.2%安、前月比76.6%高)となった(図13)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、663グラム(同2.8%増、同72.2%増)となった(図14)。支出金額および購入数量ともに、前月から大幅に増加した。
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713