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2. 日本の品目別主要輸入先国の動向

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最終更新日:2017年3月10日

2. 日本の品目別主要輸入先国の動向

2017年3月

 本稿中の為替レートは2017年1月末日TTS相場の値であり、1米ドル=116円(115.77円)、1タイバーツ=3.32円、1ユーロ=123円(123.25円)である。

トウモロコシ・コーンスターチ

米国

【需給動向:トウモロコシ】
総消費量は上方修正

 2017年2月時点の米国農務省(USDA)による2016/17穀物年度(9月〜翌8月)のトウモロコシ需給予測によると、供給関連の数値は前月から据え置かれた。一方、総消費量は、1月のエタノール生産量の増加を受け、エタノール向けを中心に上方修正された結果、全体では146億2000万ブッシェル(3億7135万トン)となった。これを受けて期末在庫は、23億2000万ブッシェル(5893万トン)と下方修正された。

【価格動向:トウモロコシ】
生産者価格は、上下幅が縮小

 同じく2016/17穀物年度のトウモロコシの生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり3.20〜3.60米ドル(371円〜418円)と、上値の下落と下値の上昇により、上下幅が縮小したものの、その中間値は3.4米ドル(394円)と、前月と同価格になっている(表2)。

表2 米国のトウモロコシの需給見通し

【貿易動向:トウモロコシ】
12月の輸出量は、7カ月連続で前年比増

 2016年12月のトウモロコシ輸出量は、413万1405トン(前年同月比56.9%増、前月比2.9%増)と、7カ月連続で前年同月を上回った(図3)。同月の国別輸出量は、次の通り。

メキシコ 113万5693トン  
 (前年同月比10.0%増、前月比10.9%増)
日本   72万1551トン  
 (同2.1倍、同7.6%減)
韓国   36万3161トン  
 (同112倍、同72.1%増)

 なお、同月の輸出価格(FAS(注))は、1トン当たり178.49米ドル(2万705円、前年同月比4.5%安、前月比2.9%安)と、前年同月を下回った。

(注)Free Alongside Shipの略。貨物を船側に付けた段階で支払われる価格。FOB価格と異なり、横持ち料(倉庫間の移動費)、積み込み料などは含まれていない。

図3 米国のトウモロコシ輸出量および輸出価格の推移

【貿易動向:コーンスターチ】
12月の輸出量は、2カ月連続で前年比増

 2016年12月のコーンスターチ輸出量は、6349トン(前年同月比19.3%増、前月比4.3%減)と、2カ月連続で前年同月を上回った(図4)。同月の国別輸出量は、次の通り。

カナダ  2599トン  
 (前年同月比5.3%減、前月比3.2%減)
メキシコ 1273トン  
 (同2.0倍、同20.4%減)
英国   604トン  
 (同61.5%増、同2.0倍)
日本     3トン  
 (同97.1%減、同70.0%減)

 なお、同月の中西部市場のコーンスターチ価格は、未公表であるため、前月号の再掲載となるが、11月の同価格は1ポンド当たり4.80セント(5.6円、前年同月比10.1%安、前月比1.4%安)と、5カ月連続で前年同月を下回った。

図4 米国のコーンスターチ輸出量および市場価格の推移

タピオカでん粉

タイ

【生産動向】
2016年のキャッサバ収穫面積、生産量はともに前年比減

 タイ農業経済局によると、2016年のキャッサバ収穫面積は892万ライ(142万7200ヘクタール、前年比0.5%減)、生産量は3055万8000トン(同5.6%減)となった。これは、干ばつの発生に伴うキャッサバの枯死や苗の不足に加え、こうした状況を踏まえた他作物への転換なども背景にある。

 一方、2017年のキャッサバ収穫面積は864万ライ(138万2400ヘクタール、同3.2%減)、生産量は3056万トン(同2.1%増)と見込まれている。収穫面積は、キャッサバ価格の下落傾向と他作物への転換により減少する一方、生産量は、良好な気象条件が見込まれるため、増えるとしている。

【価格動向】
タピオカでん粉国内価格、キャッサバ農家価格ともに低水準で推移

 タイタピオカでん粉協会(TTSA)によると、2017年2月第1週のタピオカでん粉の国内価格は、1キログラム当たり11.0バーツ(37円、前年同期比13.4%安、前週同)と、前年同期を下回っている(図5)。

図5 タイのタピオカでん粉価格の推移

 一方、2017年1月のキャッサバ農家価格は、1キログラム当たり1.48バーツ(4.9円)(表1)と、前年同月比、前月比ともに下落している。タイ農業経済局によると、2016年のキャッサバ農家価格は、キャッサバチップの中国向け輸出の減少により低水準で推移したとしている。これは、中国がトウモロコシ在庫を市場に放出したことで、アルコール飲料の原料として国内産トウモロコシの利用が増加し、タイのキャッサバチップへの需要が減少したためとしている。2017年についても、中国からの需要や近隣諸国のキャッサバ生産の動向が大きく影響するとみられているが、国内のキャッサバ需要は、エタノール向けを中心に増加すると見込まれている。

【貿易動向】
12月の輸出量は、6カ月連続で前年比増

 2016年12月のタピオカでん粉輸出量は、29万7757トン(前年同月比12.9%増、前月比1.9%減)と、6カ月連続で前年同月を上回った(図6)。同月の国別輸出量は、次の通り。

中国       19万5049トン
 (前年同月比42.9%増、前月比8.6%増)
インドネシア   2万7709トン
 (同33.8%減、同34.6%減)
台湾       1万9777トン
 (同9.4%減、同16.8%減)
日本        1万1332トン
 (同24.4%増、同11.3%増)
マレーシア     8785トン
 (同56.7%減、同10.3%減)

 また、同月の輸出価格(FOB・バンコク)は、1トン当たり340米ドル(3万9440円、前年同月比10.2%安、前月比4.0%高)と、引き続き前年同月を下回って推移している(図6)。

図6 タイのタピオカでん粉輸出量および輸出価格の推移

ベトナム

【生産動向】
11月の作付面積は、前年比減

 ベトナム農業農村開発省によると、2016年11月の調査では、キャッサバの作付面積は、50万3378ヘクタール(前年同月比1.8%減)となった(表3)。主要生産地域を見ると、南東地域のタイニンでは、2016年11月の多雨により、新植されたキャッサバが腐り、植え付けのやり直しを余儀なくされたことなどから、前年同月を下回った。しかしながら、同地域では、その後12月下旬まで土壌は乾いた状態が続いたことから、2017年1月上旬現在、植え付けは順調に行われている。

 キャッサバの供給動向を見ると、全国的にキャッサバのでん粉製造工場への供給は増加しており、タイニンでも、キャッサバの収穫はほぼ終了している。一方、でん粉製品の市場流通も増加傾向にあり、でん粉の在庫は減少傾向となっており、でん粉製造工場は、中国からの需要の高まりを受け、製造能力を拡大している。また、バイオ燃料製造工場からのキャッサバへの需要も増加している。

 

表3 ベトナムのキャッサバ作付面積

【貿易動向】
11月のタピオカでん粉輸出量は、2カ月連続で前年比増

 ベトナム税関総局によると、2016年11月のタピオカでん粉輸出量は、23万5155トン(前年同月比8.9%増、前月比22.9%増)と、2カ月連続で前年同月を上回った(図7)。

 最大の輸出先である中国向けは、年末年始と春節を控え堅調に推移しており、前年同月と比べて増加している。一方、他の主要輸出先である東南アジア諸国向けは、マレーシア向けは前年同月を上回ったものの、フィリピン向けやインドネシア向けは前年同月を下回っており、国により異なっている。

 
一方、輸出価格は、中国の需要拡大に伴い、これまでの下落傾向が横ばいに転じており、これは国内のキャッサバ取引価格を下支えする効果も生んでいる。
 

図7 ベトナムのタピオカでん粉輸出量および輸出価格の推移

ばれいしょでん粉

EU

【貿易動向】
12月の輸出量は、3カ月連続で前年比増

 2016年12月のばれいしょでん粉輸出量は、3万2218トン(前年同月比42.8%増、前月比0.7%減)と、3カ月連続で前年同月を上回った(図8)。同月の国別輸出量は、次の通り。

韓国 7230トン  
 (前年同月比8.4%増、前月比27.4%増)
米国 4948トン  
 (同28.7%増、同39.6%増)
中国 1342トン  
 (同2.6倍、同96.5%増)
日本 973トン  
 (同973倍、同43.1%増)

 同月の輸出価格(FOB)は、1トン当たり605ユーロ(7万4415円、前年同月比0.8%高、前月比2.7%高)と前年同月を上回った。

図8  EUのばれいしょでん粉輸出量および輸出価格の推移

コラム ロシアのでん粉需給動向

1. でん粉生産
 現地の食品産業関連の調査会社である「ロシア・フード&ドリンク・マーケット」によると、2014年におけるロシアの天然でん粉生産量は、2011年比で24%増の19万8000トンに達している。この内訳を見ると、コーンスターチが94.5%を占め、次いでばれいしょでん粉が3.8%、小麦でん粉が1.4%などとなっている。

 ロシア最大のでん粉生産地域は、モスクワの南に位置するトゥーラ州であり、同国のでん粉生産量全体の34%を占める。次いで、黒海近くのクラスノダール地方が16%、トゥーラ州に隣接するリペック州が12%を占めている(コラム図1)。

 なお、大手10社のでん粉製造企業がほぼ全てのでん粉を生産しており、既述の3地域には、いずれもこれら大手でん粉製造企業の工場が立地している。このうち、トゥーラ州には、世界的なでん粉製造企業である米国資本のカーギル社も工場を有している。
 


2. でん粉輸出
 ロシアは、コーンスターチを中心にでん粉を輸出している(コラム表1)。主な輸出先は旧ソ連諸国であるが、現在はEU域内の結びつきが強いバルト三国や旧東欧諸国は主な輸出先にはなっていない。特にウズベキスタン向けコーンスターチの輸出量が最大となっているが、これは主に大手でん粉製造企業アミルコ社によるものとみられている。

 なお、タピオカでん粉については、寒冷な自然環境上、生産はほぼ皆無とみられ、直近の2015年の輸出はない。
 


 

3. でん粉輸入
 ロシアは、輸出量をはるかに上回る輸入をしているでん粉の純輸入国である。特に、天然でん粉の中ではばれいしょでん粉の輸入量が最も多く、その約8割がEU産である(コラム表2)。中でもデンマーク、フランスがばれいしょでん粉の最大の輸入先であり、それぞれの国を代表するでん粉製造企業であるKMC社およびロケット社によるものが中心とみられている。

 また、ばれいしょでん粉に次ぐ輸入量となっているコーンスターチは、ロシアの隣国であり、主要穀物生産国であるウクライナから主に輸入されている。化工でん粉は、世界各国から輸入されており、EUからはばれいしょでん粉、タイからはタピオカでん粉、米国からはコーンスターチ由来の化工でん粉が輸入されているとみられる。

 なお、ロシアは、ベラルーシ、カザフスタン、アルメニア、キルギスとユーラシア経済連合という地域経済共同体を設立している。2016年10月、ユーラシア経済連合は、タピオカでん粉の主要輸出国であるベトナムとの間で自由貿易協定(FTA)を発効した。しかしながら、同FTAでは、ユーラシア経済連合側の輸入関税について、化工でん粉は重量税が段階的に撤廃されるものの、タピオカでん粉は、関税削減の対象外となっており、ロシアのでん粉産業への直接的な影響は少ないもようである。
 

 

化工でん粉

 デキストリンおよびその他の化工でん粉(HSコード:350510、以下「化工でん粉」という)の主要輸出国の、主要仕向け先国別輸出量および輸出価格は以下の通り。なお、データは「Global Trade Atlas」の出典である。

タイ

【貿易動向】
12月の輸出量は、2カ月連続で前年比増

 2016年12月の化工でん粉の輸出量は、7万4282トン(前年同月比7.9%増、前月比14.1%減)と、2カ月連続で前年同月を上回った(図9)。同月の国別輸出量は、次の通り。

日本    2万1199トン  
 (前年同月比32.0%増、前月比24.4%減)
中国   1万9055トン  
 (同0.4%増、同4.9%減)
インドネシア 7038トン  
 (同22.7%増、同2.9%増)
韓国     4864トン  
 (同14.4%減、同41.1%減)

図9 タイの化工でん粉の輸出量および輸出価格の推移

米国

【貿易動向】
12月の輸出量は、6カ月連続で前年比増

 2016年12月の化工でん粉の輸出量は、2万3075トン(前年同月比6.7%増、前月比16.1%減)と、6カ月連続で前年同月を上回った(図10)。同月の国別輸出量は、次の通り。

カナダ  6194トン  
 (前年同月比10.7%減、前月比21.8%減)
中国   2373トン  
 (同28.8%増、同45.0%減)
メキシコ 2340トン  
 (同37.2%減、同32.7%減)
ドイツ   1422トン  
 (同71.7%増、同85.4%増)
日本    698トン  
 (同1.6%減、同1.3%減)

図10  米国の化工でん粉の輸出量および輸出価格の推移

中国

【貿易動向】
12月の輸出量は、2カ月ぶりに前年比増

 2016年12月の化工でん粉の輸出量は、6723トン(前年同月比18.2%増、前月比24.5%増)と、2カ月ぶりに前年同月を上回った(図11)。同月の国別輸出量は、次の通り。

日本     2032トン  
 (前年同月比2.9倍、前月比17.0%減)
韓国     1212トン  
 (同38.3%減、同4.0倍)
インドネシア 493トン  
 (同6.1%減、同8.4%増)
マレーシア   435トン  
 (同42.6%増、同35.6%減)

図11 中国の化工でん粉の輸出量および輸出価格の推移

EU

【貿易動向】
12月の輸出量は、5カ月連続で前年比増

 2016年12月の化工でん粉の輸出量は、3万7790トン(前年同月比1.7%増、前月比7.8%減)と、5カ月連続で前年同月を上回った(図12)。同月の国別輸出量は、次の通り。

トルコ  7434トン  
 (前年同月比8.5%増、前月比1.5%減)
中国  5014トン  
 (同55.7%増、同14.1%減)
ロシア 3321トン  
 (同3.5%減、同47.1%減)
日本   2732トン  
 (同9.5%減、同11.4%減)

図12 EUの化工でん粉の輸出量および輸出価格の推移

豪州

【貿易動向】
12月の輸出量は、10カ月連続で前年比増

 2016年12月の化工でん粉の輸出量は、2307トン(前年同月比11.7%増、前月比16.7%減)と、10カ月連続で前年同月を上回った(図13)。同月の国別輸出量は、次の通り。

日本        1743トン  
 (前年同月比42.5%増、前月比20.6%減)
ニュージーランド 118トン  
 (同24.4%減、同13.9%減)
台湾        108トン  
 (同20.0%増、同40.7%減)

図13 豪州の化工でん粉の輸出量および輸出価格の推移

このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713



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