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2. 日本の品目別主要輸入先国の動向

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最終更新日:2017年4月10日

2. 日本の品目別主要輸入先国の動向

2017年4月

 本稿中の為替レートは2017年2月末日TTS相場の値であり、1米ドル=114円(114.11円)、1タイバーツ=3.31円、1ユーロ=120円(120.48円)である。

トウモロコシ・コーンスターチ

米国

【需給動向:トウモロコシ】
総消費量は据え置き

 2017年3月時点の米国農務省(USDA)による2016/17穀物年度(9月〜翌8月)のトウモロコシ需給予測によると、供給関連の数値は前月から据え置かれた。総消費量も、前月から据え置かれたものの、その内訳として、エタノール向けが上方修正された一方、飼料など向けは下方修正された。これは、直近のトウモロコシを原料としたエタノール生産の増加傾向と、ソルガムの飼料向け生産の増加見込みが背景にある(表2)。

【価格動向:トウモロコシ】
生産者価格は、据え置き

 同じく2016/17穀物年度のトウモロコシの生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり3.20〜3.60米ドル(365円〜410円)と、前月から据え置かれている(表2)。

表2 米国のトウモロコシの需給見通し

【貿易動向:トウモロコシ】
1月の輸出量は、8カ月連続で前年比増

 2017年1月のトウモロコシ輸出量は、463万7594トン(前年同月比71.4%増、前月比12.3%増)と、8カ月連続で前年同月を上回った(図3)。同月の国別輸出量は、次の通り。

日本   104万4511トン  
 (前年同月比86.1%増、前月比44.8%増)
メキシコ  90万9267トン  
 (同1.7%増、同19.9%減)
韓国    47万5047トン  
 (同3.5倍、同30.8%増)

 なお、同月の輸出価格(FAS(注))は、1トン当たり175.59米ドル(2万17円、前年同月比2.4%安、前月比1.6%安)と、前年同月を下回った。

(注)Free Alongside Shipの略。貨物を船側に付けた段階で支払われる価格。FOB価格と異なり、横持ち料(倉庫間の移動費)、積み込み料などは含まれていない。

図3 米国のトウモロコシ輸出量および輸出価格の推移

【貿易動向:コーンスターチ】
1月の輸出量は、3カ月連続で前年比増

 2017年1月のコーンスターチ輸出量は、8615トン(前年同月比22.0%増、前月比35.7%増)と、3カ月連続で前年同月を上回った(図4)。同月の国別輸出量は、次の通り。

メキシコ 3821トン  
(前年同月比2.8倍、前月比3.0倍)
カナダ  2596トン  
(同3.7%増、同0.1%減)
日本    5トン  
(同91.7%減、同66.7%増)

 なお、同月の中西部市場のコーンスターチ価格は、1ポンド当たり4.89セント(5.6円、前年同月比3.2%安、前月比5.6%高)と、7カ月連続で前年同月を下回った。

図4 米国のコーンスターチ輸出量および市場価格の推移

タピオカでん粉

タイ

【生産動向】
キャッサバのでん粉向け出荷は堅調

 現地報道によると、でん粉工場へのキャッサバの出荷は、中国からの需要が減少しているタピオカチップ仕向けからタピオカでん粉仕向けへのシフトにより、堅調に推移している。

【価格動向】
タピオカでん粉国内価格、キャッサバ農家価格ともに低水準で推移

 タイタピオカでん粉協会(TTSA)によると、2017年3月第2週のタピオカでん粉の国内価格は、1キログラム当たり11.2バーツ(37円、前年同期比13.8%安、前週同)と、前年同期を下回っている(図5)。

 一方、キャッサバ農家価格は、1キログラム当たり1.53バーツ(5.1円)(表1)と前月比では上回っているものの、前年同月を下回った状態が続いている。

 
現地報道によると、キャッサバ価格の低水準での推移は、潤沢な供給量に加え、一部業者による著しく安価な取引を強いる「買い叩き」も背景にあるとみられている。また、こうした状況を受け、現地のキャッサバ生産業界は政府による支援を求めており、政府もエタノール仕向けの増加を呼びかけている。
 

図5 タイのタピオカでん粉価格の推移

【貿易動向】
直近の情報を入手できなかったため、前月号の内容を再掲載する(図6)。

図6 タイのタピオカでん粉輸出量および輸出価格の推移

ベトナム

【生産動向】
12月の作付面積は、前年比減

 ベトナム農業農村開発省によると、2016年12月の調査では、キャッサバの作付面積は、50万6172ヘクタール(前年同月比2.7%減)となった(表3)。主要生産地域である南東地域のタイニンでは、キャッサバ価格が低水準で推移しているため、多くの生産者が他の作物の栽培を選択していることが、作付面積減少の要因とみられている。

 キャッサバの供給動向を見ると、北部では、山岳部を中心に、良好な気象条件を反映して、でん粉含有率の高い良質なキャッサバが供給されている。中央高原地域では、タピオカチップの乾燥に適さない不安定な気象条件が続き、通常以上にキャッサバのでん粉仕向けの比率が高まっている。一方、タイニンでは、キャッサバの収穫はほぼ終了しているため、でん粉工場では、主にカンボジアから原料を輸入している。
 

表3 ベトナムのキャッサバ作付面積

【貿易動向】
12月のタピオカでん粉輸出量は、前年並み

 ベトナム税関総局によると、2016年12月のタピオカでん粉輸出量は、25万5157トン(前年同月比0.1%増、前月比8.5%増)となった(図7)。前年並みであるものの、かなり高水準の数量となっている。これは、最大の輸出先である中国向けが、年末年始と春節を控え堅調に推移したことが背景にある。しかしながら、1月以降、中国ではタピオカでん粉の在庫の積み増しと食品工場の春節休暇から、再び需要は減少すると見込まれている。

  なお、中国以外の主な輸出先は、東南アジアや台湾であるが、インドネシアやマレーシアは前年同月を上回った一方、フィリピンや台湾は前年同月を下回っている。

図7 ベトナムのタピオカでん粉輸出量および輸出価格の推移

ばれいしょでん粉

EU

【貿易動向】
1月の輸出量は、4カ月連続で前年比増

 2017年1月のばれいしょでん粉輸出量は、3万283トン(前年同月比73.7%増、前月比5.7%減)と、4カ月連続で前年同月を上回った(図8)。同月の国別輸出量は、次の通り。

韓国  4834トン  
 (前年同月比2.0倍、前月比33.1%減)
米国  3882トン  
 (同23.0%減、同19.7%減)
中国  1415トン  
 (同26.1%増、同5.4%増)
日本   510トン  
 (同34.2%増、同47.6%減)

 2017年1月の輸出価格(FOB)は、1トン当たり600ユーロ(7万2000円、前年同月比2.2%安、前月比0.9%安)と前年同月を下回った。

図8  EUのばれいしょでん粉輸出量および輸出価格の推移

コラム セルビアのでん粉需給動向

 セルビアは、EUにとって、コーンスターチ、小麦でん粉を中心にでん粉の主要輸入先である(表1)。本稿では、セルビアのでん粉需給動向について報告する。

 


 

1. でん粉生産
 セルビアは、旧ユーゴスラビア連邦(以下「旧ユーゴ」という)構成国の一つであり、旧ユーゴ構成国の中でも最大の面積と人口を有している()。セルビアで主に生産されているでん粉は、コーンスターチ、小麦でん粉とそれらを基にした化工でん粉である。

 セルビアには、Fidelinka skrob doo社(以下「フィデリンカ社」という)、Jabuka社(以下「ジャブカ社」という)、Ipok社(以下「イポク社」という)という3社の主要でん粉製造企業が存在する。これらのうち、フィデリンカ社は、北部国境のスボティツァに小麦でん粉製造工場を有している。同社は、セルビアのみならず旧ユーゴ構成国でも唯一の小麦でん粉製造企業であり、食品向け・工業向けの天然でん粉、各種化工でん粉、接着剤、食品向け・飼料向けの小麦グルテンなどを製造している。

 一方、ジャブカ社は、ベオグラード近郊のパンチェヴォに工場を有し、イポク社は、ベオグラードの北、ズレニャニンに工場を有している。両社はともにAlmex doo社(以下「アルメックス社」という)の子会社であり、コーンスターチを製造している。ジャブカ社の製品は、食品向けの天然でん粉や化工でん粉、糖化製品が中心である一方、イポク社の製品は、工業向けの化工でん粉が中心となっている。
 なお、この3社以外に近年、Victoria Starch社が設立され、今後、製造が本格化される予定である。

 


 


2. でん粉輸出
 セルビアのでん粉輸出量全体の約8割がEU向けである。また、EU域内の国別に見ると、旧ユーゴ構成国や旧東側諸国向けが中心であり、地理的近接性や、旧ユーゴ時代からの経済的つながりが背景にあるものと推察される(表2)。

 一方、EU域外の主な輸出先は、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニア、アルバニアなど、旧ユーゴ構成国が中心である。これらの国々とは、地理的・歴史的関係に加え、中欧自由貿易協定の加盟国であるという経済的つながりも背景にあるとみられている(表3)。







 

3. 今後の展望
 
セルビアでは、人口700万人の国内市場は、それほど大きくなく、また、今後の成長見込みもそれほど高くないとみられている。そのため、アルメックス社の製品の約9割は欧米諸国向けであり、ある主なでん粉関連製品の流通企業は、コーンスターチの取り扱いを取りやめている。その一方、オーストリアの大手でん粉製造企業であるアグラナ社は、コーンスターチ製造への投資を計画しており、輸出拡大の足がかりにするものと考えられる。

 

化工でん粉

 デキストリンおよびその他の化工でん粉(HSコード:350510、以下「化工でん粉」という)の主要輸出国の、主要仕向け先国別輸出量および輸出価格は以下の通り。なお、データは「Global Trade Atlas」の出典である。

タイ

【貿易動向】
 直近の情報を入手できなかったため、前月号の内容を再掲載する(図9)。

図9 タイの化工でん粉の輸出量および輸出価格の推移

米国

【貿易動向】
1月の輸出量は、7カ月連続で前年比増

 2017年1月の化工でん粉の輸出量は、2万4549トン(前年同月比3.1%増、前月比6.4%増)と、7カ月連続で前年同月を上回った(図10)。同月の国別輸出量は、次の通り。

カナダ   7342トン  
 (前年同月比15.7%増、前月比18.5%増)
メキシコ  2665トン  
 (同26.0%減、同13.9%増)
中国    2412トン  
 (同48.5%増、同1.6%増)
コロンビア 1233トン  
 (同28.5%減、同2.3倍)
日本     722トン  
 (同18.5%減、同3.4%増)

図10  米国の化工でん粉の輸出量および輸出価格の推移

中国

【貿易動向】
1月の輸出量は、2カ月連続で前年比増

 2017年1月の化工でん粉の輸出量は、6868トン(前年同月比71.3%増、前月比2.2%増)と、2カ月連続で前年同月を上回った(図11)。同月の国別輸出量は、次の通り。

日本      2986トン  
 (前年同月比6.4倍、前月比46.9%増)
マレーシア  661トン  
 (同33.3%増、同52.0%増)
台湾      375トン  
 (同82.9%増、同51.4%減)
インドネシア 349トン  
 (同18.1%減、同29.2%減)

図11 中国の化工でん粉の輸出量および輸出価格の推移

EU

【貿易動向】
1月の輸出量は、6カ月連続で前年比増

 2017年1月の化工でん粉の輸出量は、4万5995トン(前年同月比24.5%増、前月比21.7%増)と、6カ月連続で前年同月を上回った(図12)。同月の国別輸出量は、次の通り。

中国   8814トン  
 (前年同月比57.6%増、前月比75.8%増)
トルコ  7137トン  
 (同7.7%増、同4.0%減)
ロシア 4781トン  
 (同20.3%増、同44.0%増)
日本  3385トン  
 (同11.8%増、同23.9%増)

図12 EUの化工でん粉の輸出量および輸出価格の推移

豪州

【貿易動向】
1月の輸出量は、11カ月連続で前年比増

2017年1月の化工でん粉の輸出量は、1797トン(前年同月比0.8%増、前月比22.1%減)と、11カ月連続で前年同月を上回った(図13)。同月の国別輸出量は、次の通り。

日本       1250トン  
 (前年同月比1.4%増、前月比28.3%減)
ニュージーランド 254トン  
 (同27.0%増、同2.2倍)

図13 豪州の化工でん粉の輸出量および輸出価格の推移

このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713



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