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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2019年2月8日

砂糖類の国内需給

2019年2月

調査情報部

1. 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。12月に「平成30砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第2回)」を公表した。

平成30砂糖年度(10月〜翌9月)の見通し

(1)砂糖の消費量

 平成29砂糖年度(10月〜翌9月)の砂糖の消費量は、189万7000トン(前年度比1.7%減)となった(表1)。内訳を見ると、分みつ糖の消費量が186万1000トン(同1.7%減)、含みつ糖の消費量が3万6000トン(前年度同)であった。

 30砂糖年度の砂糖の消費量は、192万6000トン(前年度比1.5%増)と見通している。内訳を見ると、分みつ糖の消費量は、近年の消費動向を基に、景気は緩やかな回復基調が続いていることなどを踏まえ、189万トン(同1.5%増)と見通している。含みつ糖の消費量は、近年の消費動向などを勘案し、3万6000トン(前年度同)と見通している。

(2)砂糖の供給量

 29砂糖年度の砂糖の供給量は、192万7000トン(前年度比2.0%増)となった。内訳を見ると、分みつ糖が190万7000トン(同2.0%増)、含みつ糖が2万トン(前年度同)であった。

 30砂糖年度の砂糖の供給量は、188万2000トン(前年度比2.3%減)と見通している。内訳を見ると、分みつ糖が186万2000トン(同2.4%減)、含みつ糖が2万トン(前年度同)と見通している。国内産糖(分みつ糖)の供給量は、てん菜については、作付面積が前年産に比べて1.6%(約930ヘクタール)減少、作柄については春先の天候に恵まれ初期生育は順調に推移したが、6月中旬以降、多雨・寡照となり生育が停滞し、全体としては平年並みの生育となっていることから、産糖量は61万4000トン(前年産比6.6%減)、供給量は61万3000トン(精製糖換算。前年度比6.6%減)と見通している。

 サトウキビについては、作付面積が前年産に比べて4.3%(約1010ヘクタール)減少、作柄については、梅雨期の少雨により各地域で干ばつが発生したことや6月の早い時期から台風が襲来したことにより一部地域で被害が見られるものの、平年並みの歩留まりとなることを見込んでいることから、産糖量は13万3000トン(前年産比1.0%減)、供給量は12万7000トン(精製糖換算。前年度比1.0%減)と見通している。

表1 平成30砂糖年度における砂糖の需給見通し

(3)加糖調製品の需給

 平成30年砂糖年度の加糖調製品の消費量は、近年の輸入動向などを踏まえ、52万8000トン(前年度同)と見通している。また、加糖調製品の供給量は、消費量に見合った量が供給されると見通している。

表2 平成30砂糖年度における加糖調製品の需給見通し

(4)異性化糖の需給

 平成30砂糖年度の異性化糖の消費量は、近年の消費動向などを踏まえ、82万6000トン(前年度比0.7%減)と見通している。また、異性化糖の供給量は、消費量に見合った量が供給されると見通している。

表3 平成30砂糖年度における異性化糖の需給見通し

2. 異性化糖の移出動向

12月の移出数量は前年同月からわずかに増加
 2018年12月の異性化糖の移出数量は、6万4022トン(前年同月比2.4%増、前月比0.5%減)であった(図1)。
 12月の規格別の移出量は、次の通りであった(図2)。

果糖含有率40%未満     423トン
 (前年同月比9.5%減、前月比7.8%減)
同40%以上50%未満  1万7341トン
 (同1.1%減、同0.5%減)
同50%以上60%未満  4万5797トン
 (同4.4%増、前月同)
同60%以上           461トン
 (同33.3%減、前月比34.4%減)

図1 異性化糖の移出量の推移

図2 異性化糖の種類別移出量の推移

3. 輸入動向

【分みつ糖の輸入動向】
11月の輸入量は前年同月からかなり減少

 財務省「貿易統計」によると、2018年11月の分みつ糖(HSコード 1701.14-110)の輸入量は、1万7074トン(前年同月比14.5%減、前月比35.5%減)であった(図3)。
 輸入先国はタイのみで、輸入量は次の通りであった(図4)。

タイ 1万7074トン
 (前年同月比55.6%増、前月比35.4%減)

 また、同月における豪州からの高糖度原料糖(糖度98.5度以上99.3度未満、HSコード1701.14-200)の輸入量は、6万470トン(前年同月比54.3%減、前月比54.9%減)であった。

図3 分みつ糖の輸入量の推移

図4 分みつ糖の国別輸入量の推移

 2018年11月の1トン当たりの輸入価格は、3万6142円(前年同月比16.7%安、前月比0.4%高)であった(図5)。

タイ  3万6142円  
 (前年同月比17.6%安、前月比0.5%高)

 また、同月における豪州からの高糖度原料糖の1トン当たりの輸入価格は、3万7117円(前年同月比12.8%安、前月比4.1%高)であった。

図5 分みつ糖の輸入価格の推移

【含みつ糖の輸入動向】
11月の輸入量は前年同月および前月から大幅に増加

 財務省「貿易統計」によると、2018年11月の含みつ糖(HSコード 1701.13-000、1701.14-190)の輸入量は、790トン(前年同月98.0%増、前月比58.6%増)であった(図6)。

 輸入先国は中国、ボリビア、タイ、ブラジル、コスタリカおよびフィリピンなどで、国別の輸入量は次の通りであった(図7)。

中国     525トン  
 (前年同月比8.9倍、前月比78.0%増)
ボリビア   154トン  
 (同19.8%減、同27.3%増)
タイ      42トン  
 (同2倍、同2倍)
ブラジル   38トン  
 (前年同月同、前月輸入実績なし)
コスタリカ  20トン  
 (前年同月および前月輸入実績なし)
フィリピン  10トン   
 (前年同月比88.8%減、前月比83.6%減)

図6 含みつ糖の輸入量の推移

図7 含みつ糖の国別輸入量の推移

 2018年11月の1トン当たりの輸入価格は、13万5122円(前年同月比7.7%安、前月比2.9%高)であった(図8)。
 国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

中国     12万8080円  
 (前年同月比3.3%安、前月比3.5%安)
ボリビア   13万4896円  
 (同1.4%安、同0.2%安)
タイ       8万381円  
 (同16.8%安、同16.8%安)
ブラジル   23万2368円  
 (同2.9%安、前月輸入実績なし)
コスタリカ  18万6400円  
 (前年同月および前月輸入実績なし)
フィリピン  25万9100円  
 (前年同月比74.4%高、前月比2.0倍)

図8 含みつ糖の輸入価格の推移

【加糖調製品の輸入動向】
11月の加糖調製品の輸入量は前年同月からかなり増加

 財務省「貿易統計」によると、2018年11月の加糖調製品の輸入量は、5万4752トン(前年同月比12.0%増、前月比2.5%増)であった(図9)。
 品目別の輸入量は、次の通りであった(表4)。

図9 加糖調製品の品目別輸入数量の推移

表4 加糖調製品の品目別輸入数量(11月)

4. 価格動向

【市場価格】
砂糖、異性化糖ともに前月と同水準で推移

 12月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は次の通りであった。

上白糖(大袋)
東京  1キログラム当たり187〜188円
大阪           同187〜188円
名古屋              同191円
関門                同191円

上白糖(小袋)
東京 1キログラム当たり199〜202円
大阪               同202円

本グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり192〜193円
大阪           同192〜193円
名古屋              同196円

ビート・グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり187〜188円
大阪           同187〜188円
名古屋              同189円

 12月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。

果糖分42%もの  
 1キログラム当たり131〜132円
果糖分55%もの
           同137〜138円

【小売価格】
12月の上白糖小袋の地域間の価格差は最大で18.3円

 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける12月の上白糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、190.9円(前年同月差0.1円高、前月差2.4円安)であった。
 同月の地域別(注)の平均小売価格は次の通りであった(表5)。

表5 上白糖の地域別平均小売価格(12月)

 最も高かったのは中国・四国で、最も安かった中部との価格差は18.3円であった。

(注)地域の内訳は次の通りである。以下、グラニュー糖および三温糖も同じである。
関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
中 部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
関 西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県


12月のグラニュー糖小袋の地域間の価格差は最大で72.1円
 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける12月のグラニュー糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、241.9円(前年同月差0.4円高、前月差1.2円安)であった。
 同月の地域別の平均小売価格は次の通りであった(表6)。

表6 グラニュー糖の地域別平均小売価格(12月)

 最も高かったのは東北で、最も安かった北海道との価格差は72.1円であった。

12月の三温糖小袋の地域間の価格差は最大で51.8円
 KSP−POSデータ(全国535店舗)によると、スーパーにおける12月の三温糖小袋(1キログラム)の平均小売価格は、234.0円(前年同月差0.2円安、前月差1.5円安)であった。
 同月の地域別の平均小売価格は次の通りであった(表7)。

表7 三温糖の地域別平均小売価格(12月)

 最も高かったのは東北で、最も安かった九州・沖縄との価格差は51.8円であった。

【購入金額および購入量】
11月の砂糖の支出金額は前年同月からかなり下落

 総務省「家計調査」によると、2018年11月における100世帯当たりの砂糖の購入頻度は37、1世帯(2人以上)当たりの支出金額は、93円(前年同月比6.1%安、前月比10.7%高)であった(図10)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、399グラム(同4.5%減、同7.0%増)であった(図11)。

図10 1世帯当たりの砂糖に係る支出額の推移

図11 1世帯当たりの砂糖の購入数量の推移

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