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2.日本の品目別主要輸入先の動向

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最終更新日:2023年9月11日

2.日本の品目別主要輸入先の動向

2023年9月

 本稿中の為替レートは、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2023年7月末日TTS相場の1米ドル=141.97円、1タイバーツ=4.20円、1ユーロ=156.85円を使用した。
 

トウモロコシ・コーンスターチ

世 界

【需給動向:トウモロコシ】
世界の生産量、期末在庫は下方修正されたものの、前年度から増加
 
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2023年8月11日、2023/24年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表2)。

 これによると、世界のトウモロコシ生産量は12億1350万トン(前年度比5.4%増)と前月から1097万トン下方修正されたものの、前年度をやや上回り、過去2番目の生産量が見込まれている。地域別に見ると、ウクライナでは7月〜8月初めにかけて天候に恵まれ、収量の増加見込みを受けて前月から上方修正された。一方で、米国や中国、EUなどでは下方修正された。中国北東部では、7月末から8月初めにかけて台風の影響による大雨・洪水に見舞われたことで生産量の減少が見込まれているほか、EUでは、特にハンガリー、ルーマニア、ドイツ、イタリアで熱波の発生などを受けて収量の減少が見込まれている。

 輸入量は、世界全体で1億8711万トン(同7.6%増)と前月から129万トン下方修正された。地域別に見ると、カナダなどで上方修正されたものの、エジプトやアルジェリアでは下方修正された。

 消費量は、世界全体で12億37万トン(同3.1%増)と前月から628万トン下方修正された。地域別に見ると、主要消費国である中国が据え置かれた中で、最大の消費国である米国は前月から114万トン下方修正された。

 輸出量は、生産量が前月から下方修正された米国やEUの輸出量の減少などが反映され、世界全体で1億9619万トン(同10.5%増)と前月から207万トン下方修正された。

 この結果、期末在庫は3億1105万トン(同4.4%増)と前月から307万トン下方修正されたものの、前年度からやや増加すると見込まれている。
 

1

米国

【需給、価格動向:トウモロコシ】
単収が下方修正されたものの、生産量は過去2番目の高水準
 
USDA/WAOBは同日、2023/24年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを更新した(表3)。

 生産量は、単収の減少見込みを受けて151億1100万ブッシェル(3億8383万トン(注)、前年度比10.1%増)と前月から2億900万ブッシェル(531万トン)下方修正されたものの、16/17年度に次ぐ過去2番目の生産量が見込まれている。

 消費量は、123億4000万ブッシェル(3億1345万トン、同2.3%増)と前月から4500万ブッシェル(114万トン)下方修正された。用途別に見ると、でん粉やグルコース、デキストロースなどその他工業向けや飼料など向けでの利用の減少が見込まれている。

 輸出量は、20億5000万ブッシェル(5207万トン、同26.2%増)と前月から5000万ブッシェル(127万トン)下方修正されたものの、前年度から大幅に増加すると見込まれている。

 期末在庫は、22億200万ブッシェル(5593万トン、同51.1%増)と前月から6000万ブッシェル(152万トン)下方修正されたものの、前年度から大幅に増加し、高水準が見込まれている。

 また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、15.3%(同4.7ポイント増)と引き続き前年度を上回る水準が予測されている。

 生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり4.90米ドル(696円。1キログラム当たり27.4円、同25.8%安)と前年度からは大幅に下落すると見込まれている。


(注)1ブッシェルを約25.401キログラム、1エーカーを約0.4047ヘクタールとして農畜産業振興機構が換算。
 

2

【貿易動向:トウモロコシ】
輸出量は前月から大幅に増加し、輸出価格は5カ月連続下落
 
2023年5月の米国のトウモロコシ輸出量は、611万8423トン(前年同月比15.3%減、前月比20.1%増)と前年同月からかなり大きく減少したものの、前月から大幅に増加した。同月の主要国・地域別輸出量は表4の通りである。

 また、同月の輸出価格(FAS(注))は、1トン当たり309.2米ドル(4万3897円、同11.3%安、同0.7%安)と5カ月続けて下落した。

(注)Free Alongside Shipの略。貨物を船側に付けた段階で支払われる
  (FOB※価格から横持ち料〈倉庫間の移動費〉、積み込み料、保険料などを差し引いた)価格。

※Free On Board:貨物を船に乗せた段階で支払われる取引条件。

 

3

【貿易動向:コーンスターチ】
輸出価格は3カ月連続下落
 
2023年5月の米国のコーンスターチ輸出量は、1万3212トン(前年同月比12.8%減、前月比2.5%減)と前年同月からかなり大きく、前月からわずかに減少した。同月の主要国・地域別輸出量は表5の通りである。

 同月の輸出価格(FAS)は、1トン当たり935.6米ドル(13万2827円、同17.6%高、同2.3%安)と、3カ月続けて下落した。

 





 
 

 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、同国中西部市場における23年5月のコーンスターチ価格は、1ポンド当たり19.93米セント(注)(28.3円、前年同月比8.3%安、前月比6.1%高)と前年同月からかなりの程度下落したものの、前月からかなりの程度上昇した。

(注)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
 

4

タピオカでん粉

タイ

【生産動向】
23/24年度のキャッサバ生産量は増産見込みも、少雨が懸念される
 
タイ農業協同組合省農業経済局(OAE)の予測(2023年7月)によると、2022/23年度(10月〜翌9月)のキャッサバの収穫面積は973万ライ(156万ヘクタール(注)、前年度比1.9%減)、単収は1ライ当たり3.36トン(1ヘクタール当たり21.02トン、同2.1%減)、生産量は3273万トン(同3.9%減)といずれも前月から据え置かれた(表6)。

 また、同省は23/24年度のキャッサバや米、トウモロコシなど主要農産物20品目の生産予測に関する委員会が開催されたことを公表した。同省ホームページによると、23/24年度のキャッサバの収穫面積は162万ヘクタール、単収は1ヘクタール当たり20.8トン、生産量は3377万トンと予測されている。前年度から3.2%の増産が見込まれているものの、1月〜7月の累積降雨量は国内の各地域で例年を下回っており、キャッサバの主要産地でも平年から10〜40%程度減少している。今年の雨期(6月〜10月)は例年に比べて少雨と予想されており、今後の気象状況によっては上記の生産見込みを下回る可能性もある。
 

(注)1ライを約0.16ヘクタールとして農畜産業振興機構が換算。
 

5

【価格動向】
国内価格は18バーツ台を推移
 
タイタピオカでん粉協会(TTSA)によると、2023年8月第2週のタピオカでん粉の国内価格は、1キログラム当たり18.5バーツ(78円、前年同期比6.9%高)と前年同期からかなりの程度高値となった(図3)。国内価格は22年4月以降、原料費や燃料費の上昇に加えて、中国向けキャッサバ関連製品の堅調な輸出も含めた国内外からの高い需要を受けて急騰した後、高止まりで推移している。

 




【貿易動向】
輸出価格は7カ月連続上昇

 2023年6月のタピオカでん粉輸出量は、15万7144トン(前年同月比31.9%減、前月比12.0%減)と前年同月から大幅に、前月からかなり大きく減少した。同月の主要国・地域別輸出量は表7の通りである。

 同月の輸出価格(FOB・バンコク)は、1トン当たり570米ドル(8万923円、同5.6%高、同0.7%高)に上昇し、18年5月以来となる550米ドルを超える高水準が続いている。




 

6

ベトナム

【生産動向】
各地で大雨による被害が発生
 
ベトナムの民間調査会社(AgroMonitor)によると、北部最大のキャッサバの主産地であるソンラ省では2023年の作付面積が3万〜3万5000ヘクタール程度とされ、22年の4万7000ヘクタールから大幅に減少すると推測されている。これは、2月頃から高温乾燥気候が続いたことや、キャッサバの苗が不足して再植も進んでいないことなどが要因とみられており、今期の収量への影響が懸念されている。一方で、8月に入り同国北部では、局地的な激しい降雨から洪水被害なども確認され、ソンラ省を含む北部地域では土砂崩れなどにより10人の死傷者が出ているとされている。8月7日現在もソンラ省では大雨や地滑りの発生などに注意が呼びかけられている。

 また、南部地域でも今年の雨季は平年に比べて雨量が多く、22年のキャッサバ生産量(速報値)で同国第7位のビントゥアン省では、7月末から8月にかけて大雨が続き、川沿いのキャッサバ、トウモロコシ、ドラゴンフルーツなどの圃場(ほ じょう)や、鶏舎などで浸水被害が発生したと報道されている。しかし、具体的な農業被害状況については確認できておらず、北部や南部で被害のあった地域では、道路や電力の復旧などのインフラ整備や、食料品や毛布の配布など住民の生活支援が優先されている。

 同国でのキャッサバモザイク病(注1)は、6月29日現在、合計5万8500ヘクタールで感染が確認され、前月比6.6%減となったものの、引き続き同病による被害の発生が懸念される(注2)

 (注1)ウイルスの感染によって葉に黄化斑ができる病気で、光合成が十分に行われず、
    最悪の場合には作物自体が枯れてしまうことから、収穫量が大幅に減少する。 
    ベトナムのほかに、近隣国のタイやカンボジアの一部で流行が確認されている。

(注2)同国のキャッサバ作付面積は、近年、おおむね50万ヘクタール程度で推移している。

【貿易動向】
6月の輸出量は前月からやや減少し、輸出価格は6カ月ぶりに下落
 
AgroMonitorによると、2023年6月のタピオカでん粉輸出量は、10万1580トン(前年同月比50.3%減、前月比3.5%減)と前年同月から大幅に、前月からやや減少した。同国の主要国・地域別輸出量は表8の通りである。

 同月の輸出価格(CFR(注)・中国向け)は、1トン当たり532米ドル(7万5528円、同3.1%高、同1.3%安)と前月から下落したものの、高水準を維持した。

(注)Cost and Freightの略。輸入港までの海上運賃を売主が負担し、
   危険負担は物品を引き渡した際に売主から買主に移転される取引条件であり、
   コンテナ輸送貨物に使われることが多い。

 


 

7

ばれいしょでん粉

EU

【貿易動向】
輸出価格は2カ月連続下落も高水準

 2023年5月のばれいしょでん粉輸出量(注)は、3万5324トン(前年同月比12.1%増、前月比17.6%増)と前年同月からかなり大きく、前月から大幅に増加した。同月の主要国・地域別輸出量は表9の通りである。

 また、同月の輸出価格(FOB)は、1トン当たり1032ユーロ(16万1869円、同43.4%高、同1.5%安)と2カ月連続で下落した。

(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。
 


 

8

コラム 欧州主要国のでん粉原料用ばれいしょ生産動向−フランス−

 世界最大のばれいしょでん粉生産地域である欧州では、デンマーク、フランス、オランダおよびドイツの4カ国が主産国とされている。本コラムでは、この中のフランスのばれいしょの生産動向について紹介する。

  フランス農業・食料省の農業統計局(Agrest)によると、2022年は乾燥した気候が続き、雨不足や夏の熱波の影響を受けてばれいしょの生産量は21年から1割程度減少した(コラム−表)。また、フランスばれいしょ生産者連盟(UNPT)によると、同年の単収は過去27年で最低水準だったとしている。

  近年、でん粉原料用ばれいしょは、単収の低下や生産コストの高騰により作付面積が減少傾向にあり、生産者の経営状況の悪化が懸念されている。このような中、フランス農業・食料省は、今後のでん粉原料用ばれいしょの生産量の維持や、川下産業の存続を目的としたでん粉原料用ばれいしょ生産者に対する経営支援を決定した(注)。ただし、23年の作付けはこの支援の決定前に行われていたことから、でん粉原料用ばれいしょの作付面積は22年からさらに1割程度の減少が見込まれている。

 23年の生育状況を見ると、3月〜4月には降雨により播種(は しゅ)作業が中断され、収量への影響が懸念されていたが、その後の平均を上回る日射量や気温により状況は回復しており、先の降雨により土壌深くでは十分な水分が保たれている。ただし、今後の順調な生育のためには、より多くの降雨が必要とされている。欧州委員会研究センター作物モニタリングサービス(JRCMARS)によると、23年の同国のばれいしょの単収は、1ヘクタール当たり39.9トンと過去5年平均(同40.2トン)とほぼ同等の水準になるとしている。


(注)でん粉原料用ばれいしょ生産者に対する経営支援については、
   2023年8月4日付海外情報「でん粉原料用ばれいしょ生産者に対する経営支援を決定(フランス)」
  (https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_003578.html)を参照されたい。




 

化工でん粉

 デキストリンおよびその他の化工でん粉(以下「化工でん粉」という)の主要国・地域別輸出量および輸出価格は、以下の通りである。
 

タイ

【貿易動向】
6月の輸出量は前月からわずかに増加
 
2023年6月の化工でん粉の輸出量は、8万8418トン(前年同月比15.6%減、前月比1.5%増)と前年同月からかなり大きく減少したものの、前月からわずかに増加した。同月の主要国・地域別輸出量は表10の通りである。



 

9

米国

【貿易動向】
5月の輸出量は前月からやや増加
 
2023年5月の化工でん粉の輸出量は、2万3785トン(前年同月比21.3%減、前月比3.9%増)と前年同月から大幅に減少したものの、前月からやや増加した。同月の主要国・地域別輸出量は表11の通りである。
 


 

10

中国

【貿易動向】
6月の輸出量は前月からかなりの程度減少
 
2023年6月の化工でん粉の輸出量は、1万1451トン(前年同月比4.6%増、前月比7.5%減)と前年同月からやや増加したものの、前月からかなりの程度減少した。同月の主要国・地域別の輸出量は表12の通りである。
 


 

11

EU

【貿易動向】
5月の輸出量は前月から大幅に増加
 
2023年5月の化工でん粉の輸出量(注)は、4万3947トン(前年同月比4.1%減、前月比16.8%増)と前年同月からやや減少したものの、前月から大幅に増加した。同月の主要国・地域別の輸出量は表13の通りである。

(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。
 


 

12

豪州

【貿易動向】
5月の輸出量は前月からかなりの程度減少
 
2023年5月の化工でん粉の輸出量は、1887トン(前年同月比51.7%減、前月比10.4%減)と前年同月から大幅に、前月からかなりの程度減少した。同月の主要国・地域別の輸出量は表14の通りである。
 


 

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このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272