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2.日本の品目別主要輸入先の動向

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最終更新日:2023年10月10日

2.日本の品目別主要輸入先の動向

2023年10月

 本稿中の為替レートは、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2023年8月末日TTS相場の1米ドル=147.20円、1タイバーツ=4.26円、1ユーロ=161.34円を使用した。
 

トウモロコシ・コンスターチ

世 界

【需給動向:トウモロコシ】
世界の期末在庫、生産量、輸入量、期末在庫は前回見込みから増加
 
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2023年9月12日、2023/24年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表2)。

 これによると、世界のトウモロコシ生産量は12億1429万トン(前年度比5.1%増)と前月から79万トン上方修正され、前年度をやや上回り、過去2番目の生産量が見込まれている。地域別に見ると、米国の収穫面積とウクライナの単収の増加見込みを受け、前月より上方修正された。また、EUではフランスとブルガリアで減産が見込まれる一方で、ドイツで増産が見込まれ、EU全体としては、下方修正された。

 輸入量は、世界全体で1億8712万トン(同6.6%増)と前月から1万トン上方修正された。地域別に見ると、EUは2400万トン(同2.0%減)、中国は2300万トン(同24.3%増)とそれぞれ前月から据え置かれた。

 消費量は、世界全体で11億9977万トン(同2.8%増)と前月から60万トン下方修正された。地域別に見ると、主要消費国である米国および中国が据え置かれた中で、アルゼンチンが上方修正された一方、カナダおよびEUが下方修正された。

 輸出量は、各地域とも前月から動きがなく、世界全体では1億9619万トン(同8.0%増)と据え置かれた。

 この結果、期末在庫は3億1399万トン(同4.8%増)と前月から294万トン上方修正され、前年度からやや増加し、21/22年度の水準になると見込まれている。
 

1

米 国

【需給、価格動向:トウモロコシ】
作付面積の拡大により、米国の生産量はさらに増加見込み
 
USDA/WAOBは同日、2023/24年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを更新した(表3)。

 生産量は、151億3400万ブッシェル(3億8442万トン(注)、前年度比10.2%増)と前月から2300万ブッシェル(58万4000トン)上方修正され、16/17年度に次ぐ過去2番目の生産量が見込まれている。

 消費量は、123億4000万ブッシェル(3億1345万トン、同2.6%増)とわずかに増加する見込みで、前月から据え置かれた。用途別では、前年度から特に飼料向けの数量がやや増加すると見込まれている。

 輸出量は、20億5000万ブッシェル(5207万トン、同23.1%増)と前年度から大幅に増加する見込みで、前月から据え置かれた。

 期末在庫は、22億2100万ブッシェル(5642万トン、同53.0%増)と前年度から大幅に増加する見込みで、前月から1900万ブッシェル(48万トン)上方修正された。

 また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、15.4%(同4.8ポイント増)と前月から0.1ポイント増加し、昨年を上回る水準が予測されている。

 生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり4.90米ドル(721円。1キログラム当たり28.4円、同25.2%安)と前年度からは大幅に下落すると見込まれている。


(注)1ブッシェルを約25.401キログラム、
   1エーカーを約0.4047ヘクタールとして農畜産業振興機構が換算。

 


 

【貿易動向:トウモロコシ】
輸出量は前月から大幅に減少し、輸出価格は6カ月連続下落

 2023年6月の米国のトウモロコシ輸出量は、383万2638トン(前年同月比30.3%減、前月比37.4%減)と前年同月および前月から大幅に減少した。同月の主要国・地域別輸出量は表4の通りである。

 また、同月の輸出価格(FAS(注))は、1トン当たり301.5米ドル(4万4381円、同12.4%安、同2.5%安)と6カ月続けて下落した。


(注)Free Alongside Shipの略(船側渡し)。
   貨物を船べりに置いた時点で、所有権が移転する貿易取引条件。


 





 

【貿易動向:コーンスターチ】
輸出価格は4カ月連続下落
 
2023年6月の米国のコーンスターチ輸出量は、1万5874トン(前年同月比4.3%減、前月比20.1%増)と前年同月からやや減少し、前月から大幅に増加した。同月の主要国・地域別輸出量は表5の通りである。

 同月の輸出価格(FAS)は、1トン当たり888.6米ドル(13万802円、同17.1%高、同5.0%安)と前月から4カ月続けて下落した。

 






 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、同国中西部市場における23年6月のコーンスターチ価格は、1ポンド当たり19.45米セント(注)(28.6円、前年同月比13.4%安、前月比2.4%安)と前年同月からかなり大きく、前月からわずかに下落した。
 

(注)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
 

2

タピオカでん粉

タ イ

【生産動向】
23/24年度のキャッサバ生産量は増産見込みも、キャッサバモザイク病の拡大を懸念
 
タイ農業協同組合省農業経済局(OAE)の予測(2023年8月)によると、2022/23年度(10月〜翌9月)のキャッサバの収穫面積は973万ライ(156万ヘクタール(注1)、前年度比1.9%減)、単収は1ライ当たり3.36トン(1ヘクタール当たり21.02トン、同2.1%減)、生産量は3273万トン(同3.9%減)といずれも前月から据え置かれた(表6)。

 また、同省ホームページによると、23/24年度のキャッサバの収穫面積は162万ヘクタール、単収は1ヘクタール当たり20.8トン、生産量は3377万トンと予測されている。前年度から3.2%の増産が見込まれているものの、例年に比べて少雨と予想されていることや、8月に入り現地ではキャッサバモザイク病(注2)の発生や拡大に関する報道が増加していることから、今後の気象および病害の発生状況によっては同省が予測する生産見込みを下回る可能性もある。


(注1)1ライを約0.16ヘクタールとして農畜産業振興機構が換算。
(注2)ウイルスの感染によって葉に黄化斑ができる病気で、
     光合成が十分に行われず、最悪の場合には作物自体が枯れてしまうことから、収穫量が大幅に減少する。
     タイのほかに、近隣国のベトナムやカンボジアの一部で流行が確認されている。

 



 

【価格動向】
国内価格は18バーツ台を推移
 
タイタピオカでん粉協会(TTSA)によると、2023年9月第2週のタピオカでん粉の国内価格は、1キログラム当たり18.6バーツ(79円、前年同期比8.8%高)と前年同期からかなりの程度上昇した(図3)。国内価格は22年4月以降、原料費や燃料費の上昇などを受けて急騰した後、高止まりで推移している。

 主要輸出先である中国の需要減などを受けて、キャッサバチップなどの関連製品の国内価格は下落傾向にあるが、キャッサバ生産量が見込みを下回る可能性もあり、タイ農業・農業協同組合銀行(BAAC)研究・イノベーション開発センターが8月末に公表した資料によると、今後9月にかけてキャッサバ価格の高値が続くと推測されている。




 

【貿易動向】
輸出価格は高水準を維持
 
2023年7月のタピオカでん粉輸出量は、21万8247トン(前年同月比1.6%減、前月比38.9%増)と前年同月からわずかに減少したものの、前月から大幅に増加した。同月の主要国・地域別輸出量は表7の通りである。

 同月の輸出価格(FOB(注)・バンコク)は、1トン当たり570米ドル(8万3904円、同8.1%高、前月同)と、18年5月以来となる550米ドルを超える高水準が続いている。

 

(注)Free On Boardの略(本船渡し)。
   貨物を船上に置いた時点で、所有権が移転する貿易取引条件。


 


 

3

ベトナム

【生産動向】
主産地の2023/24年度のキャッサバ作付面積は前年度からかなりの程度減少
 
ベトナムの民間調査会社(AgroMonitor)によると、2023年8月末現在、国内のキャッサバの作付面積はすべての主産地で前年から減少する見通しとなった。この減少は、23年2月頃から同国では全土的に高温乾燥気候が続いたことで、キャッサバ苗の不足による再植の遅れが一因とみられており、特に北部のソンラ省や中部のザライ省では大きな減少が見込まれている。今後、同国では高温と少雨が予測され、北部では例年より早い24年2月頃には、出荷が終了する可能性もあるとされている。

 また、同国のキャッサバモザイク病は7月27日現在、合計6万2390ヘクタールで感染が確認され、前月比で6.6%増加し、引き続き同病による被害の拡大が懸念される(注)

 

(注)同国のキャッサバ作付面積は、近年、おおむね50万ヘクタール程度で推移している。




 

 

【貿易動向】
7月の輸出量は前月からかなり大きく増加し、輸出価格は反発
 
AgroMonitorによると、2023年7月のタピオカでん粉輸出量は、11万3600トン(前年同月比27.4%減、前月比11.8%増)と前年同月から大幅に減少したものの、前月からかなり大きく増加した。同国の主要国・地域別輸出量は表8の通りである。

 同月の輸出価格(CFR(注)・中国向け)は、1トン当たり540米ドル(7万9488円、同5.3%高、同1.5%高)と前月から反発した。
 

(注)Cost and Freightの略(運賃込み)。
   売主が運賃を負担し、貨物を船上に置いた時点で、所有権が移転する貿易取引条件。


 


 

4

ばれいしょでん粉

E U

【貿易動向】
輸出価格は3カ月連続下落も、1トン当たり1000ユーロ台を維持

 2023年6月のばれいしょでん粉輸出量(注)は、3万7473トン(前年同月比7.0%増、前月比6.1%増)と前年同月および前月からかなりの程度増加した。同月の主要国・地域別輸出量は表9の通りである。

 また、同月の輸出価格(FOB)は、1トン当たり1011ユーロ(16万3115円、同36.4%高、同2.1%安)と3カ月連続で下落した。

(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。

 


 

5

コラム 欧州主要国のばれいしょでん粉生産動向−フランス−

 
 2022年のフランスのでん粉原料用ばれいしょの生産量は、82万2000トンとなった(コラム―図)。そのうち、北東部のグラン・テスト地域圏に位置するTereos社のHaussimont工場では、生産量の約3割に当たる26万8000トンが加工されたが、23年3月、同社は同工場の売却を表明している。8月29日付けの同社プレスリリースによると、売却表明後約6カ月が経過する中で売却の目途が立たないことから、別の解決策を模索しているとし、今後は同工場の従業員62人と協力して、他産業からの買い手を探すことも選択肢の一つであるとしている。今後、同工場売却の展開次第では、でん粉製造から撤退する可能性もあり、その場合には、でん粉原料用ばれいしょの生産者への影響も懸念される状況にある。




 また、ドイツ、オランダ、フランス、ベルギーのばれいしょ主産国からなる欧州北西部ばれいしょ生産者連盟(NEPG)によれば、同4カ国でばれいしょの生産コストが大きく高騰しているという。21年10月から23年10月までの推移を見ると、電気代は平均で2.8倍(上昇幅は1.5〜5倍)、ディーゼル燃料価格も平均で1.6倍(同1.3〜1.9倍)とそれぞれ上昇したことに加え、ばれいしょの生産量が減少したことで、1トン当たりの生産コストがさらに高騰している。

 フランスばれいしょ生産者連盟(UNPT)によると、フランスで生産されているばれいしょのコストのうち、9割は収穫後の品質保持のための換気や冷蔵の目的で使用されているため、設定温度や保管期間が長くなるほど電気代や燃料費などのコストが上昇する構造となっている。加えて、フランスでん粉協会(USIPA)への取材報道によると、農業食品産業が消費するエネルギーのうち、でん粉産業が19%を占めるとされ、でん粉製造企業も燃料価格高騰の影響を強く受けているとしている。また、USIPAは、エネルギー節減に関する政府発表を受け、今後、政府によるエネルギー配給制の導入を不安視しており、これが導入された場合には、食品の欠品が生じると警告している。
 

化工でん粉

 デキストリンおよびその他の化工でん粉(以下「化工でん粉」という)の主要国・地域別輸出量および輸出価格は、以下の通りである。
 

タ イ

【貿易動向】
7月の輸出量は前月からかなり大きく減少
 
2023年7月の化工でん粉の輸出量は、7万5714トン(前年同月比22.9%減、前月比14.4%減)と前年同月から大幅に、前月からかなり大きく減少した。同月の主要国・地域別輸出量は表10の通りである。



 

6

米 国

【貿易動向】
6月の輸出量は前月からかなりの程度減少
 
2023年6月の化工でん粉の輸出量は、2万2179トン(前年同月比29.0%減、前月比6.8%減)と前年同月から大幅に、前月からかなりの程度減少した。同月の主要国・地域別輸出量は表11の通りである。

 


 

7

中 国

【貿易動向】
7月の輸出量は前月からかなり大きく減少し1万トン割れ
 
2023年7月の化工でん粉の輸出量は、9817トン(前年同月比24.9%減、前月比14.3%減)と前年同月から大幅に、前月からかなり大きく減少し、22年5月以来1年2カ月ぶりに1万トンを割り込んだ。同月の主要国・地域別の輸出量は表12の通りである。

 


 

8

E U

【貿易動向】
6月の輸出量は前月からやや減少
 
2023年6月の化工でん粉の輸出量(注)は、4万1828トン(前年同月比14.1%減、前月比4.8%減)と前年同月からかなり大きく、前月からやや減少した。同月の主要国・地域別の輸出量は表13の通りである。

(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。


 


 

9

豪 州

【貿易動向】
6月の輸出量は前月から大幅に減少
 
2023年6月の化工でん粉の輸出量は、1160トン(前年同月比61.7%減、前月比38.5%減)と前年同月および前月から大幅に減少した。同月の主要国・地域別の輸出量は表14の通りである。
 



 

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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-9272