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2 日本の品目別主要輸入先の動向

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最終更新日:2023年11月10日

2 日本の品目別主要輸入先の動向

2023年11月


 本稿中の為替レートは、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2023年9月末日TTS相場の1米ドル=150.58円、1タイバーツ=4.17円、1ユーロ=159.50円を使用した。
 

トウモロコシ・コーンスターチ

世界

【需給動向:トウモロコシ】
世界の生産量、消費量および輸出量は前回見込みから増加
 
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は、2023年10月12日、2023/24年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表2)。

 これによると、世界のトウモロコシ生産量は12億1447万トン(前年度比5.1%増)と前月から18万トン上方修正され、前年度をやや上回り、過去2番目の生産量が見込まれている。地域別に見ると、米国は単収の減少見込みを受け、前月より177万トン下方修正されたが、アルゼンチンは収穫面積の増加、フランスは単収の増加見込みなどを受け上方修正された分がそれを上回った。

 輸入量は、世界全体で1億8692万トン(同7.3%増)と引き続き前年度を上回るものの、前月から20万トン下方修正された。地域別に見ると、2大輸入国・地域であるEUは2400万トン(前年度同)、中国は2300万トン(同24.3%増)とそれぞれ前月から据え置かれた。

 消費量は、世界全体で12億20万トン(同2.8%増)と前月から43万トン上方修正された。地域別に見ると、主要消費国である米国が前月から下方修正された一方、アルゼンチンおよびEUが上方修正された。

 輸出量は、世界全体では1億9625万トン(同8.4%増)と前月から6万トン上方修正された。地域別に見ると、主要輸出国である米国が前月から下方修正された一方でアルゼンチンが上方修正された。

 この結果、期末在庫は3億1240万トン(同4.8%増)と前月から159万トン下方修正され、前年度からやや増加するも、21/22年度の水準になると見込まれている。
 

1

米国

【需給、価格動向:トウモロコシ】
作付面積拡大により生産量は増加見込み
 
USDA/WAOBは同日、2023/24年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを更新した(表3)。

 生産量は、150億6400万ブッシェル(3億8264万トン(注)、前年度比9.8%増)と前月から7000万ブッシェル(177万8070トン)下方修正されたが、16/17年度、21/22年度に次ぐ過去3番目の生産量が見込まれている。

 消費量は、123億1500万ブッシェル(3億1281万トン、同1.7%増)と前月から下方修正されたものの、前年度からわずかに増加すると見込まれている。用途別では、前年度から飼料向けの数量がわずかに増加すると見込まれている。

 輸出量は、20億2500万ブッシェル(5144万トン、同21.9%増)と前月から下方修正されたものの、前年度から大幅に増加すると見込まれている。

 期末在庫は、21億1100万ブッシェル(5362万トン、同55.1%増)と前月から110万ブッシェル(3万トン)下方修正されたものの、前年度から大幅に増加すると見込まれている。

 また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、14.7%(同4.8ポイント増)と前月から0.7ポイント減少したが、前年度を上回る水準が予測されている。

 生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり4.95米ドル(745円。1キログラム当たり29.3円、同24.3%安)と前年度からは大幅に下落すると見込まれている。
 

(注)1ブッシェルを約25.401キログラム、1エーカーを約0.4047ヘクタールとして農畜産業振興機構が換算。
 

2

【貿易動向:トウモロコシ】
輸出量は前月から大幅に減少し、輸出価格は7カ月連続下落
 
2023年7月の米国のトウモロコシ輸出量は、240万7967トン(前年同月比46.3%減、前月比37.2%減)と前年同月および前月から大幅に減少した。同月の主要国・地域別輸出量は表4の通りである。

 また、同月の輸出価格(FAS(注))は、1トン当たり292.7米ドル(4万4075円、同13.2%安、同2.9%安)と7カ月続けて下落した。

(注)Free Alongside Shipの略(船側渡し)。貨物を船べりに置いた時点で、所有権が移転する貿易条件。
 







 

【貿易動向:コーンスターチ】
輸出価格は5カ月連続下落
 
2023年7月の米国のコーンスターチ輸出量は、1万6774トン(前年同月比2.1%増、前月比5.7%増)と前年同月からわずかに、前月からやや増加した。同月の主要国・地域別輸出量は表5の通りである。

 同月の輸出価格(FAS)は、1トン当たり886.0米ドル(13万3414円、同13.4%高、同0.3%安)と5カ月続けて下落した。

 






 

 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、23年7月の同国中西部市場におけるコーンスターチ価格は、1ポンド当たり20.80米セント(注)(31.3円、前年同月比5.6%安、前月比6.9%高)と前年同月からやや下落したものの、前月からかなりの程度上昇した。

(注)1ポンドは約453.6グラム、1米セントは1米ドルの100分の1。
 

3

タピオカでん粉

タイ

【生産動向】
23/24年度のキャッサバ生産量は減産見込み
 
タイ農業協同組合省農業経済局(OAE)の予測(2023年9月)によると、2022/23年度(10月〜翌9月)のキャッサバの収穫面積は973万ライ(156万ヘクタール(注1)、前年度比1.9%減)、単収は1ライ当たり3.36トン(1ヘクタール当たり21.02トン、同2.1%減)、生産量は3273万トン(同3.9%減)といずれも前月から据え置かれた(表6)。

 また、同省ホームページ(9月29日付け)によると、23/24年度のキャッサバの生産量を3073万トンと見込んでおり、7月時点の生産見込み(3377万トン)を下回った。これは、前年度から6.1%の減少となり、雨期の降水量不足などの影響とみられているが、キャッサバモザイク病(注2)の拡大も懸念されている。9月末時点の被害面積は約1万6000ヘクタールと作付面積の1%程度にとどまっているものの、感染地域が31県と、過去に感染が拡大した年度と同程度(19/20年度が32県、20/21年度が37県)の状況になっており、政府からキャッサバ生産者への注意喚起も行われている。

(注1)1ライを約0.16ヘクタールとして農畜産業振興機構が換算。
(注2)ウイルスの感染によって葉に黄化斑ができる病気で、光合成が十分に行われず、最悪の場合には作物自体が枯れてしまうことから、収穫量が大幅に減少する。近隣国のベトナムやカンボジアの一部でも確認されており、タイでは18/19年度に感染が確認されたが、対策の実施によって21/22年度には被害が減少していた。

 

4

【価格動向】
国内価格は18バーツ台を推移
 
タイタピオカでん粉協会(TTSA)によると、2023年10月第2週のタピオカでん粉の国内価格は、1キログラム当たり18.7バーツ(78円、前年同期比10.0%高)と前年同期からかなりの程度上昇した(図3)。国内価格は22年4月以降、原料費や燃料費の上昇などを受けて急騰した後、高止まりで推移している。

 タイ農業・農業協同組合銀行(BAAC)研究・イノベーション開発センターは、10月は新年度の収穫の開始時期で供給量が少ないことから、キャッサバ価格の高値安定が続くと予測している。さらに、エルニーニョ現象による少雨やキャッサバモザイク病の影響などから、23/24年度のキャッサバ生産量は減少と予測されており、キャッサバおよび関連製品の価格動向に注視する必要があるとされている。




 

 

【貿易動向】
輸出価格は高水準を維持
 
2023年8月のタピオカでん粉輸出量は、24万5065トン(前年同月比24.1%減、前月比12.3%増)と前年同月から大幅に減少したものの、前月からかなり大きく増加した。同月の主要国・地域別輸出量は表7の通りである。

 同月の輸出価格(FOB(注)・バンコク)は、1トン当たり570米ドル(8万5831円、同8.1%高、前月同)と、18年5月以来となる550米ドルを超える高水準が続いている。

(注)Free on Boardの略(本船渡し)。貨物を船上に置いた時点で、所有権が移転する貿易取引条件。

 


 

5

ベトナム

【生産動向】
洪水やハダニの発生により、ザライ省のキャッサバ生産への影響が懸念される
 
現地報道によると、ベトナム最大のキャッサバ作付面積を誇るザライ省では、10月8日から9日にかけて台風による大雨に見舞われ、地すべりや河川の氾濫のほか、建設中の水力発電所のダムが決壊するなど大きな被害が発生し、キャッサバや米、トウモロコシなどの農作物の浸水が確認されたと報じている。

 また、同省南東部では、8月に暑く乾燥した気候が続いたことで、乾燥を好むハダニの発生も報告されている。3万5000ヘクタール程度のキャッサバが生産されている同地域では、少なくとも610ヘクタール以上でハダニが発生したとされ、キャッサバの葉の枯死も確認されており、収量の減少などが懸念されている。

 さらに、同国のキャッサバモザイク病は8月31日現在、合計6万1332ヘクタールで感染が確認され、前月比で1.7%減少したものの、引き続き同病による被害の発生が懸念されている(注)

(注)同国のキャッサバ作付面積は、近年、おおむね50万ヘクタール程度で推移している。


【貿易動向】
8月の輸出量は前月から大幅に増加し、輸出価格は下落
 
ベトナムの民間調査会社(AgroMonitor)によると、2023年8月のタピオカでん粉輸出量は、16万4918トン(前年同月比12.6%減、前月比45.2%増)と前年同月からかなり大きく減少したものの、前月から大幅に増加した。同国の主要国・地域別輸出量は表8の通りである。

 同月の輸出価格(CFR(注)・中国向け)は、1トン当たり530米ドル(7万9807円、同6.9%高、同1.9%安)と前月から下落した。

(注)Cost and Freightの略(運賃込み)。売主が運賃を負担し、貨物を船上に置いた時点で、所有権が移転する貿易取引条件。




 

6

ばれいしょでん粉

EU

【貿易動向】
輸出価格は1トン当たり1000ユーロを下回る
 
2023年7月のばれいしょでん粉輸出量(注)は、3万3846トン(前年同月比4.0%増、前月比9.9%減)と前年同月からやや増加したものの、前月からかなりの程度減少した。同月の主要国・地域別輸出量は表9の通りである。

 また、同月の輸出価格(FOB)は、1トン当たり999.7ユーロ(15万9452円、同28.7%高、同0.9%安)と4カ月連続で続落し、1000ユーロを下回った。

(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。
 

 

 

 

 

7

コラム 欧州の気象状況とばれいしょの生産動向−デンマーク・ドイツ−

 世界最大のばれいしょでん粉生産地域である欧州では、デンマーク、ドイツ、フランスおよびオランダが主産国とされている。昨年、欧州では、多くの地域で干ばつに見舞われたため、本コラムではこの中のデンマークおよびドイツについて、気象状況とばれいしょの生産動向について紹介する。

  欧州委員会の共同研究センター(JRC)によると、デンマークでは2023年7〜8月は記録的な降雨となり、気温は数日を除き平年を下回る状況とされている。このような天候を受け、ばれいしょの収穫の遅れや病害の発生が懸念されているが、単収は例年通りEUの平均を上回ると見込まれることから、現時点では最終的な収穫量に大きな影響はないと予測されている(参考)。




 また、デンマーク気象機関(DMI)の干ばつ指数によると、同国内のでん粉原料用ばれいしょ生産地域である中央ユラン地域は、10月上旬時点では干ばつのリスクは極めて低い状況とされている(コラム-図1)。




 一方で、ドイツ連邦農業・食品機関(BLE)によると、同国のでん粉原料用ばれいしょの主産地は南東部バイエルン州、北東部ブランデンブルク州、北西部ニーダーザクセン州に集中している(コラム-図2)。ニーダーザクセン州農業協会によると、今年の春は湿気が多く、寒冷な天候であったことから、5月末〜6月初めまで圃場(ほ じょう)での湿潤状態が持続し、植え付けは例年に比べて1カ月ほど遅れたとされている。さらに、植え付け直後には一転して猛暑が続いて乾燥状態となり、7月前半は高温が持続し少雨であったことから、今期の収量が低くなる可能性も懸念されている。また、ドイツの環境研究センターによると、ブランデンブルク州の一部で干ばつが見られるなど、同国の作柄について今後も引き続き注視していく必要があるとされている。




 

化工でん粉

 デキストリンおよびその他の化工でん粉(以下「化工でん粉」という)の主要国・地域別輸出量および輸出価格は、以下の通りである。
 

タイ

【貿易動向】
8月の輸出量は前月から大幅に増加
 
2023年8月の化工でん粉の輸出量は、8万8808トン(前年同月比1.5%増、前月比17.3%増)と前年同月からわずかに、前月から大幅に増加した。同月の主要国・地域別輸出量は表10の通りである。
 



 

8

米国

【貿易動向】
7月の輸出量は前月からやや減少
 
2023年7月の化工でん粉の輸出量は、2万1021トン(前年同月比25.3%減、前月比5.2%減)と前年同月から大幅に、前月からやや減少した。同月の主要国・地域別輸出量は表11の通りである。

 


 

9

中国

【貿易動向】
8月の輸出量は前月からかなりの程度増加
 
2023年8月の化工でん粉の輸出量は、1万753トン(前年同月比17.9%減、前月比9.5%増)と前年同月から大幅に減少したものの、前月からかなりの程度増加し、1万トンを上回った。同月の主要国・地域別の輸出量は表12の通りである。
 



 

10

EU

【貿易動向】
7月の輸出量は前月から大幅に減少
 
2023年7月の化工でん粉の輸出量(注)は、3万2848トン(前年同月比26.4%減、前月比23.9%減)と前年同月および前月から大幅に減少した。同月の主要国・地域別の輸出量は表13の通りである。

(注)EU27カ国による輸出。輸出先の不明なものを除く。
 




 

11

豪州

【貿易動向】
7月の輸出量は前月から大幅に増加
 
2023年7月の化工でん粉の輸出量は、1970トン(前年同月比37.1%減、前月比72.4%増)と前年同月から大幅に減少したものの、前月から大幅に増加した。同月の主要国・地域別の輸出量は表14の通りである。
 



 

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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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