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さつまいも(マルチ栽培)生育概況について

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最終更新日:2010年3月6日

でん粉情報

【生産地から】

鹿児島県農業開発総合センター大隅支場


はじめに

 当支場では昭和62年から奨励品種を中心に、さつまいも生産見込み数量予測のため生育概況調査を実施し、関係機関にその情報を提供しています。今回は、19年度産原料用さつまいもの8月時点での生育概要について報告します。


1 耕種概要

  植  付:4月13日

  収  穫:8月9日(生育期間118日間)

  栽植密度:90×40cm(2,780/10a)

  挿苗方法:8節苗水平挿し


2 気象概況


(1)平均気温

 4月は全般的に低く推移し、月平均で平年より1.3℃低かった。5月以降は多少の高低はあるものの、6月3半旬まで平年並みで推移し、6月4半旬以降はやや高めに推移した。


(2)日照時間、降水量

 4月は降水がやや少なく、平年並みの日照時間で、5月は晴天が続き、降水量平年比52%、日照時間161%であった。6月は梅雨入りまで晴天が続いたが、梅雨入り後は7月3半旬の梅雨明けまでまとまった雨にたびたび見舞われ、6月、7月の降水量は平年比113%、233%と多かった。


3 生育概要

(1)生育状況

 植え付け後2日間は晴天であったが、その後降雨があり、活着は比較的順調であった。その後、5月から6月は平均気温は平年並みであったが、最高気温が高く、降水量も少なかったことからやや地上部の生育は緩慢で、また、7月下旬に台風4号の影響で茎葉部が被害を受けたため、つる重は平年よりも軽かった。


(2)上いも(1個50g以上のいも)個数

 植付け後に降雨があり、活着は比較的良好であった。しかし、シロサツマ751個/a(平年比95%)、コナホマレ1,008個/a(平年比100%)、コガネセンガン1,126個/a(平年比95%)は、ほぼ平年並であったが、シロユタカ1,147個/a(平年比90%)、ダイチノユメ1,216個/a(平年比87%)は、平年より少なかった。なお、総いも個数は、全ての品種で平年より少なく、着生状況が悪かった。


(3)上いも収量

 シロサツマ164kg/a(平年比109%)、コガネセンガン224g/a(平年比103%)は平年に比べやや高かった。しかし、シロユタカ196kg/a(平年比93%)、コナホマレ189kg/a(平年比94%)、ダイチノユメ240kg/a(平年比95%)は平年よりも少なかった。コガネセンガン、シロサツマは、いも個数は少なかったものの、肥大が良好でいも1個重が重くやや多収となっていた。その他の品種はいも個数が少なく、いも肥大は平年並みであったため平年以下の収量になった。


おわりに

 4月植マルチ栽培については、平年並みかやや劣る生育状況にあります。なお、生育データについては、今後、機会を見て掲載する予定です。