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FAO:世界の食料価格指数は、4ヶ月連続で前月より低下

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最終更新日:2011年11月9日

 国連食糧農業機関(FAO)が11月3日に発表した10月の食料価格指数(注)は、前月(修正後)から9.1ポイント、4.0%下回る216.1ポイントとなった(図1)。10月の同指数は前年同月を5.5%上回るなど依然として高水準ではあるものの、6月以降4ヶ月連続で前月を下回っている。 なお、10月の食料価格指数を品目別に見ると、全ての品目で前月より低下した。

砂糖、油脂、穀物、牛乳・乳製品の指数が低下

 FAOの発表によると、低下した品目のうち下がり幅が最も大きいのは砂糖で、前月から17.6ポイント低下して、361.4ポイントとなった(図2)。これは、ヨーロッパ、インドおよびタイの生産が当初見込みよりも良好であることに加え、工業用および食料用需要が弱まると予想されたことによる。
 次いで下がり幅が大きいのは油脂で、前月から15.0ポイント低下して、223.0ポイントとなった。同指数は3月以降、低下傾向で推移している。これは、穀物の国際価格が弱含む中、南米で十分な大豆の生産が見込まれることや、東南アジアのパーム油および黒海周辺のひまわり油の生産が良好であることに加え、国際的な需要が落ち込むと予想されたことによる。
 また、穀物は、前月(修正後)から13.0ポイント低下して、231.7ポイントとなった。同指数は5月以降、おおむね低下傾向で推移している。これは、高い穀物生産高が見込まれることに加え、先進国の景気減速を背景に、飼料用およびバイオ燃料用を中心に需要が減退すると見込まれたことによる。
 牛乳・乳製品は、世界の主な輸出国であるニュージーランドで記録的な生産量が見込まれるなど供給量の増加が予想されたことから、前月(修正後)から11.2ポイント低下の203.5ポイントとなった。(図3)
 食肉は、世界で最も豚肉を消費している中国において豚肉価格が低下したことなどから、前月(修正後)から0.8ポイント低下の177.0ポイントとなった。

 注:FAOの食料価格指数(Food Price Index)は、穀物、油脂、牛乳・乳製品、砂糖および食肉の国際価格について、2002〜2004年を100とし、食品全体の平均価格を指数化したものである。
図1
図2
図3
【平成23年11月9日発 前田絵梨】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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