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2012/13年度のトウモロコシおよび大豆の生産量は過去最高となる見込み(ブラジル)

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 ブラジル食糧供給公社(CONAB)は2月7日、2012/13年度(10月〜翌9月)、第5回目となる月例の主要穀物作付状況調査報告を公表した。CONABは、トウモロコシの生産量を前年度比4.2%増の7601万トン、大豆を同25.7%増の8342万トンと前回の見込みを上方修正しており、今後、天候が平年並みで推移すればどちらも過去最高の生産量となる見込みだ。

参考 第1期作トウモロコシおよび大豆の生育は順調(ブラジル)
表1

トウモロコシ:第2期作の作付面積が拡大の見込み

 第1期作トウモロコシの作付面積は、主に中西部で大豆の作付けに転換されたため、前年度比5.4%減の1542万ヘクタールと見込まれている。また南部では、トウモロコシは既に結実期〜登熟期にあり、前年と異なり、干ばつの影響を受けていない。このため、作付面積が減少したにもかかわらず、生産量は同3.6%増の3510万トンと見込まれている。
 今回の公表には、2012/13年度の第2期作の作付面積の予測も含まれている。ブラジルでは年間2回、トウモロコシの作付けが行われる。第2期作の生育期間の後半となる6月中旬から9月中旬まで(州により異なる)の期間、病害対策として大豆の作付けが禁止されているため、第2期作の選択肢としては、通常、トウモロコシが用いられる。このため、トウモロコシの連作を避けるため、前作としては大豆が作付されることが多い。さらに、第2期作にトウモロコシの生産を行うためには、土壌水分が十分ある間にトウモロコシの栄養成長を進めておく必要があり、第1期作の大豆の収穫を2月中旬頃までに終了しておくことが望ましい。このため、大豆の生産には早生品種を用いる傾向が強まっており、大豆の主要生産州である中西部では、その使用割合が約6割にのぼるとされる。このような大豆の早生化の進展に伴い、第2期作のトウモロコシの作付面積は、同8.5%増の827万ヘクタールが見込まれている。一方、第2期作トウモロコシの生産量は、前年度が異例の豊作だったことから、作付面積の増加分に対応した増加とは見込まれておらず、同4.6%増の4092万トンとなる見込みだ。
 トウモロコシの年間総生産量は、同4.2%増の7601万トンと、過去最高と見込まれており、期末在庫が前年度の約2.5倍の1548万トンと予測されている。ブラジルでは、通常、輸出サイロなどの貯蔵スペースは、輸出需要が確実で、容積当たりの単価が高い大豆に優先的に割り当てられているため、生産量が見込みどおりとなれば貯蔵キャパシティが不足することが懸念される。
表2
表3

大豆:新興農業地域MATOPIBAの生産拡大が顕著

 大豆の国際価格が堅調に推移していることや収穫前の売買契約が例年以上に進んでいることから、大豆の作付面積は前年度比10.4%増の2765万ヘクタールと大幅に増加する見込みとなった。作付面積の増加は、特に、MATOPIBAと称される新興農業地域で著しいが、依然として面積、生産量ともに中西部や南部とは大きな開きがある。
 大豆の生産量は、前年度にラニーニャによる干ばつの影響が著しかった南部諸州の単収の大幅な改善見込みにより、同25.7%増の8342万トンが見込まれており、総生産量の大幅増に貢献する見込みだ。

※MATOPIBA(マトピバ):北部・北東部のマラニャン州(MA)、トカンチンス州(TO)、ピアウイ州(PI)、バイア州(BA)の4州にまたがる新興農業地帯。
表4
【岡 千晴 平成25年2月18日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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