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FAO:世界の食料価格指数、前月値据え置き(1月)

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最終更新日:2013年2月19日

 国連食糧農業機関(FAO)の発表によると、食料価格指数(注)は、3カ月連続で下落していたものの、2013年1月は前月値(修正後)据え置きの209.8ポイントとなった(図1)。

油脂は上昇、砂糖および穀物は低下

 FAOの発表によると、油脂、乳製品は前月から上昇するも、砂糖、穀物、食肉の低下により、全体では前月同の水準となった。

 最も上昇幅が大きかったのは、油脂で、前月から8.7ポイント上昇の205.2ポイントとなった。パーム油の需要が拡大している一方、多雨に見舞われた東南アジアで収穫作業が中断したことが指数上昇の要因となっている。また、大豆では、南アフリカやアルゼンチン、ブラジルの天候不順による生産への影響が懸念されている(図2)。
 乳製品は、EUでユーロ高に加え、域内の乳製品価格が上昇しているため輸出拡大が抑制されていることなどを受け、前月から1.4ポイント上昇の198.2ポイントとなった(図2)。
 低下した品目を見ると、もっとも下がり幅が大きかったのは、3カ月連続の低下となった砂糖で、前月(修正後)から6.2ポイント低下の267.8ポイントとなった。これは、特にブラジルおよびタイで需要を上回る生産が見込まれ、かつ十分な輸出が見込まれることによる。
 次いで穀物は、前月(修正後)から2.9ポイント低下の247.2ポイントとなった。FAOは2012年の世界の穀物生産量を12月の予測値から2000万トン増の23億200万トンとし、主に中国や北米、独立国家共同体(CIS)諸国におけるトウモロコシ生産量を上方修正した。しかしながら、2011年よりも2%低い水準となっている。また、トウモロコシ需給がひっ迫する中、飼料向け小麦の十分な輸出があったことが、指数低下につながった。なお、FAOのエコノミストは、穀物需給はひっ迫している状況にあることから、今後の価格は気象条件に左右されるものと考えられるとしている。
 また、食肉は、ほとんどの畜種が前月と同水準であったものの、豚肉および鶏肉価格がわずかに低下したため、前月(修正後)から0.8ポイント低下の175.9ポイントとなった。2カ月連続しての低下になったが、依然として高水準となっている。なお、食肉産業は、飼料穀物価格高騰を受け生産コストが増加している中、食肉消費の拡大がそれほど見込まれないことから、依然として厳しい状況におかれている。

注1:FAOの食料価格指数(Food Price Index)は、穀物、油脂、牛乳・乳製品、砂糖および食肉の国際価格について、2002〜2004年を100とし、食品全体の平均価格を指数化したものである。
注2:FAOの公表では食料価格指数の変動要因が明らかにされていない場合もあることから、当機構の分析を適宜追加している。
図1
図2
図3
【平成25年2月19日発 前田絵梨】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-4398