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FAO:世界食料価格指数、2015年は前年を大幅に下回る

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最終更新日:2016年1月19日

 国連食糧農業機関(FAO)が1月7日に発表した「Food Price Index」によると、2015年12月の世界の食料価格指数(注)は、前年同月を31.7ポイント下回る154.1ポイント(速報値)となった(図1)。この結果、2015年の平均食料価格指数は前年比37.7ポイント減の164.1ポイントとなり、4年連続で前年を下回ることになった。このことについてFAOは、増加する食料供給量に対し低調に推移する食料需要や、ドル高で推移する為替相場を要因に挙げている。

(注)FAOの食料価格指数(Food Price Index)は、穀物、油脂、牛乳・乳製品、砂糖および食肉の国際価格について、2002〜2004年を100とし、食品全体の平均価格を指数化したものである。
図1

砂糖、油脂は上昇も、食肉、牛乳・乳製品、穀物が大幅に下落

 2015年12月の食料価格指数を品目別に見ると、食肉は、前年同月を44.3ポイント下回る152.1ポイントであった(図2)。この要因としては、米国の輸入量の減少に伴う牛肉の需要減や、EUにおける豚肉生産量の増加に伴う豚肉価格の低下が挙げられる。この結果、2015年の平均値は、過去最高を記録した2014年を29.9ポイント下回る168.4ポイントとなり、過去5年間で最低の水準となった。
 穀物は、世界的な豊作に伴うトウモロコシ価格の下落に加え、アルゼンチンの輸出税撤廃を受けた小麦供給増への期待から、前年同月に比べ32.3ポイント低下し、151.6ポイントとなった。このことから、2015年の平均値は、前年を29.5ポイント下回る162.4ポイントとなり、2012年以降4年連続で下落している。
 牛乳・乳製品は、主要生産国であるEUや米国での脱脂粉乳価格の下落などを受け、前年同月を24.5ポイント下回る149.5ポイントとなった。このため、2015年の平均値は前年を63.8ポイント下回る160.3ポイントとなり、過去6年間で最低の水準となった。
 上記3品目が2015年10月以降、下落基調で推移しているのに対し、油脂および砂糖の価格指数は、前月に比べわずかに上昇した。両品目とも、ブラジル中南部の降雨の影響による生産量の低下などから、前月をわずかに上回る水準となり、前年同月からの減少幅も砂糖は9.7ポイント、油脂は19.6ポイントと、食肉や牛乳・乳製品、穀物に比べて小さくなった。しかし、2015年の平均値は、砂糖は190.7ポイント(前年比50.5ポイント低下)、油脂は147.0ポイント(前年比34.1ポイント低下)となり、それぞれ2011年に過去最高値を記録した後、2012年以降4年連続で下落している。
図2
【野田 圭介 平成28年1月19日発】
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