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タイの新規制によってカンボジアのキャッサバ生産に影響の懸念(カンボジア)

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最終更新日:2019年4月15日

 キャッサバはカンボジアの主要農産物の一つであるが、国内のでん粉製造設備が不足していることから、キャッサバ生産量の約9割がタイ、約1割がベトナムへと国境を接する国へ輸出され、タピオカでん粉に加工されている。
 今般、タイ政府は近隣諸国からの輸入農産物に対して新たな規制を設けたと、カンボジアへ通知を行った。これを受け、カンボジア農林水産省は、タイ向けキャッサバ(生、乾燥、粉状のもの)輸出を継続するため、国内の輸出業者に対して、植物検疫証明書(昆虫やウィルスなどで汚染されていないことを示す)や原産地証明書を取得した上でタイへ輸出するよう通知した。仮に輸出時に国境で、タイ政府によって問題が発見されたキャッサバは、カンボジア国内へ返送またはその場で破棄される。
 カンボジアにおける今期のキャッサバの収穫はほぼ終了しており、今回の措置による影響はないものの、輸出に依存するカンボジアのキャッサバ産業にとって来期以降、大きな影響があるとみられる。カンボジアの生産者の中には、キャッサバからトウモロコシなど他の作物へ転作を進めている者も多く、この措置を受けて、キャッサバ生産量はさらに減少する可能性がある。一方、長期的に見ると、今回の規制に準じて高品質なキャッサバを生産することで、タイやベトナム以外へ輸出先が広がることを期待する声もある。
 
参考 2018年のキャッサバ生産量は減少の見込み(カンボジア)
 
【平成31年4月15日 岡 千晴】
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